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中に人なんていなかったVTuberの時代から、マジで中に人なんていないVTuberの時代になったりするかもね

こんにちは、夜枕ギリーです。

綾鷹が「急須の中身が綾鷹だと気づく?気づかない?」というモニタリングを日本の職人(庭師?)の人たちに仕掛けるCMがありますが、あれ急須に入れ替えてから提供する時点でかなりズルいし、庭師は別に味覚のプロでもないので視聴者に対しても印象操作をしている。

ところで急須でいれるってお茶の最適解なんでしょうか。昔からある伝統的な手法を尊重することに異議はないけど、科学が今より発達していない時代から変わっていないいれ方、そこから出力されるものが「味」として最も優れているという可能性は低いようにも想像できます。

というかコカ・コーラはそんなことは考えているだろうし、「茶葉がひらく」ことに重点を当てたCMもあることから、水の硬度、茶揉みによる細胞破壊、蒸らし時間や湯温や圧力、対流によるジャンピングなどなど、すべての過程で科学的なアプローチを取り入れ、安定して美味しくなるお茶のいれ方を研究をし尽くしていると思われます。

もちろんご家庭ではいれてから供されるまでの時間という圧倒的なアドバンテージがあるので、急須でいれた方が美味しいという印象が一般的になるのは当然だと思いますが、最新の設備と科学アプローチを備えたコカ・コーラの工場で製造された直後のお茶が一番おいしい可能性も十分にあるような気がする。飲んでみたい。

他にも比較的新しい概念である「低温調理」とかいう、生肉をビニールなどで密閉して60度という温度で加熱する調理法も、初見だと気味悪さすらあるし出力される味に印象とは大きな差があったりします。

肉なんてアチアチに熱した鉄板でジュージューに焼くのが一番うまいっしょ!!という感覚もそれはそれで何もおかしくないし、伝統的な調理法の在り方を認めることに全く異論はありません(実際にどっちも別の美味しさがある)。ただ最新の調理科学で導き出された最適な調理法が、印象の面で急須や鉄板には全く勝てないのはなんとも人間らしい。



「人の(手による)温かみ」というものはもうずっと強い。人間が科学的アプローチやAIに勝てる分野というのはもうそこにしか残っていないかもしれないし、我々VTuberもまったく他人事ではない。こちらの発言を読み取り、AIによる言葉とAIによる音声で人間と対話できる存在はもう実現しているし、生涯未婚時代の希望なんて言う人もいる。


『オタク100人に聞きました。あなたの理想に最も近いVTuberは誰?』

――選ばれたのはAIでした。


いや冗談でなく、AIがユーザー一人ひとりにとって理想的な会話相手になる時代がやってきたら、雑談や実況といったタイムシェアを手段とした配信者も仕事を奪われるのではないだろうか。少なくとも何か会話以上のものを生み出す力は求められるだろうなと思う。今だからこそ「AIなんかと会話しても無味乾燥」なんて価値観が普通だけど、そこも徐々に「アップデート」されていくと思う。

ジョークや世界観として「中に人なんていない」というVTuberの時代から、マジで中に人がいないVTuberの時代となり、「AIのVTuberには人のあたたかみが無い!昔ながらの中に人の入ったVTuberが一番」、そんなことが叫ばれるかもしれないし、そんな小さな需要を奪い合う時代になるかもしれない。


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