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陸視点
陸「…………」
昴さん………
夜摩「陸沈んでるな………」
快「そりゃそうだろ………目の前で祖父を亡くして母親を亡くして………そして父親は行方不明………沈まないやついないだろ」
昴が姿を消してから数日後大和が祖父だったことを知ったのも相まって完全に落ち込んでいる陸
空「陸!!」
陸「空 どうした?」
空「昴さんによく似たクリーチャーがアメリカで見つかったって!行くぞ!!!」
そして陸と一緒に昴を情報共有等で探していた空がアメリカで昴らしき人物を発見したらしく、陸達は大急ぎでアメリカへ向かう
陸「どこら辺で見つけたんだ?」
空「アルタイルの敷地内だ ………ただアルタイルはアメリカそのものが敷地内………探すのは困難を極める」
こういう時に作っておいてよかった………
陸「これがある これを使おう」
海「陸 それって………」
陸「昴さんの身に何かあった時に捜索用で作っておいた調合薬だ 地図を広げてくれ」
アメリカに到着し取り敢えずとった宿で陸は昴用に作っていた調合薬を使って昴の行方を探す
夜摩「それ日本で使えばよかったんじゃないか?」
陸「日本じゃ使えないんだよ 実際に試しで使ったけど駄目だった 多分国の広さが関係してるんだと思うけど………取り敢えず使うぞ」
日本は比較的他国と比べると狭い島国であるからなのか薬が使えず、広いアメリカなら使えるかもと陸が使えることを願って使う
陸「…………」
快「暗号じゃねぇか………どうすんだ」
陸「………カリフォルニア州ホイットニー山だ アメリカでは最高峰の山」
実は薬で使われた暗号はアルタイル隊員の幹部が使う独特の言語で陸はそれを習得していた
夜摩「よくわかったなお前………つかなんでこんなところに………」
陸「昴さんが持ってる本は全てが暗号化されてる それを借りて解読しながら読んでた 取り敢えず行こう」
元の頭の良さを活かしながら陸は暗号を解き5人はホイットニー山へ
海「こんな所にいるのか………」
空「頂上にいるんだろ?この感じだと」
陸「ああ」
そして昴を探しに来たのに登山をしている5人
〜それから暫くして頂上〜
昴「…………」
そこに昴はいた………しかし目は虚ろで見えていなかったはずの左目も見えている
陸「昴さん………?」
様子がおかしい………まるで昴さんじゃない誰かが乗り移ったような………
5人「?!」
「バンバンバンバンバン」
陸「昴さん……?!」
昴「…………」
左目が見えてる………?!どういうことだ………?昴さんは自分で視力までは治せないって言っていた……あの言葉に嘘は無いはずだ………
快「ぐっ………」
陸「快!!」
陸がそうこう考えている内に昴は油断していたであろう快の腹にナイフを突き刺し、防御する暇もなく海、空、夜摩の順番で戦闘不能にしていく
快「陸………」
陸「お前らは回復に集中しろ 俺がどうにかする」
夜摩「どうにかするったってお前………相手は昴さんだぞ………」
陸「今動けるの俺しかいねぇだろうが!!」
そもそも何故1番自分から近い場所にいた陸を攻撃しなかったのか………
昴「………り………く………」
陸「昴さん………?」
昴「も………じか………い………………こ……せ………」
それは自我を失いかろうじて残った意思で昴が言える精一杯の言葉だった………もちろんそれが何を意味しているのかは陸自身理解しているが………到底受け入れられるものでは無い
陸「…………」
だが昴がクリーチャーになりつつあることを理解した陸には殺すしか方法がなかった………しかし昴はアルタイル時代では幹部補佐を容易に務め上げてきた………つまり昴と1体1で本気で戦えば勝ち目はない
陸「…………」
能力を使って勝てるかどうか………
そう思いながらも陸は武器を手に昴へと向かう………
快「くっ………ふー………」
夜摩「快 今回復してやるから」
姿と陸が攻防戦を繰り広げる中 快は突き刺さったナイフを抜いたことで体力に出血し、比較的軽傷な夜摩や空、海が回復を促進させる
陸「うっぐ………ゲホゲホ」
昴「…………」
快が回復をしているたった数分の間に陸は昴の攻撃でボロボロになり血を吐いていた
陸「…………」
このままじゃ持たない………
自分が昴に勝てないことなんて1番わかっていた………でも友を守る為には昴を倒さなければならない
「ガキン!!」
陸「ぐっ………」
一撃が重い………
昴「陸」
陸「…………」
不意に聞こえた昴の優しい声に陸は一瞬目を見開きながら………隙の出来た昴の間合いに入り刀を心臓に突き刺した………
昴「ゴポッ……ゲホ………ゲホッ………」
心臓が汚染の核を壊したことで昴は後ろに倒れながら汚染によって変わった黒い血を吐いた
陸「父さん………」
昴「ゲホッ………ゲホゲホ………ごめんな………陸……………お前にこんな想いをさせたくはなかった………」
陸「父さん………」
陸は泣きながら昴を呼ぶが………昴は比較的穏やかな表情で動きの悪い左腕で陸の頭を撫でる
昴「愛してる………陸………」
その言葉を最後に昴は目を閉じ陸は昴の手を握ったまま「ずっと愛してる」と泣きながら呟き続けた………
陸「ずっと………愛してる」
〜〜〜〜〜
陸「…………」
父さんを亡くしたあとの記憶は全くない………気がついたら俺達5人は治療をされた状態で見知らぬ寝台の上に寝ていた………
聖「起きたか」
そして混乱する俺達にそう声をかけてきたのは父さんによく似る盲目の青年だった………
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