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大和視点
昴「大和………?」
大和「………昴 俺はもう長くないんだよ 寝てる時間を増やしたのは少しでも延命させるため………お前には散々迷惑かけて悪かったよ」
大和はここ数年で寝ていることが多くなり夜も起きないことが多かったのだが………それは延命させるための最終手段だった
クリーチャーS「お前………!!あの時の!!!」
大和「おーおー………あの時から姿を見せないとは思ってたけど随分と強くなったみたいだな」
クリーチャーS「〜〜〜〜!!!!!」
怒ってる怒ってる………そういう所がまだまだ子供だって言ってんのに
大和は目の前にいるクリーチャーSランクとは面識があった………それも大和に対して強い恨みがある様子
昴「お前………知り合いか?」
大和「ああ 昔俺が殺し屋やってた頃の殺し損ない」
昴「は………?」
実は大和 昴と出会う2年ほど前まで殺し屋をしており今目の前にいるクリーチャーはその時の殺し損ないだと言う
大和「必ずこの場に来ると思ってたんだ ここで俺はあいつの身内を目の前で殺したんだ どこから情報が漏れてお前に危害を加えた」
昴「…………」
大和「必ず守り通す」
動揺してる………それもそうだよな………俺がまさか殺し屋をやってたなんて思わないだろうし………
クリーチャーS「ガルルルルル」
大和「あの日の因縁 終わらせようか」
クリーチャー「ガァ!!!」
怒りで我をなくしたクリーチャーと冷静な大和との攻防戦がその声を合図に開始した………
〜数時間後〜
クリーチャーS「ゼェ………ゼェ………くそっ………しぶとい」
大和「はぁー………はぁー………っ………ゴポッ………」
昴「大和!!」
激しい攻防戦も終わりが見えた頃………大和が大量の吐血をしその血がみるみる黒くなったことで、大和はクリーチャーの汚染を受けていることがわかった
クリーチャーS「ははは………所詮は人間だな」
大和「ゲホッ………ゲホゲホ……………はー………その人間に負けそうになっている馬鹿なクリーチャーはどこの誰だよ」
クリーチャー「っ!!」
大和「所詮お前も「喰った」量に応じてランクが上がっただけであって………実力はまだまだだな」
どうせ俺もお前も長くはない………それなら煽りに煽って自滅してもらうまでだ
クリーチャーS「ガァァアア!!」
大和「………そう来ると思ったよ」
クリーチャーSランクを煽りに煽って誘導した大和は、クリーチャーSランクが負傷しでも尚ただそこにいるだけになっている陸達を守っている、昴の方に自身の体の一部で作った槍を昴が避けられないとわかっている上で投げ、大和はそれを誘導していたが故に陸達を守ろうと盾になった昴の前に立ち能力を発動させた
昴「大和………」
大和「昴………俺さ………あの時本当は死のうとしてたんだよ」
昴「え?」
大和「妻を事故で亡くして自暴自棄になってさ………電車に轢かれて死のうとしてた でもその時に昴が俺に声をかけてきたんだ………それがきっかけで死ぬのを辞めて殺し屋から本格的に足を洗った」
お前があの時声をかけてくれていたから今の俺がいるんだ………昴
昴「大和………」
防御の壁が壊れかけてる………この能力の壁が壊れたら何が起きるかを………昴は知ってる
「ピキピキ」と音を鳴らしながら能力で作った壁にヒビが入り始め………昴は壁が壊れれば何が起きるのかを知っているからこそ昴は泣きそうな顔で大和を呼ぶ
昴「………ありがとう あの時俺を救ってくれて」
「パリィン!!」
大和が昴と陸に対してその言葉を述べた瞬間………防御の壁が壊れ堰き止めていた槍が大和の汚染された心臓を貫いた………しかし槍そのものは大和の使っていた最後の能力の効力によって、クリーチャーSランク自身を瞬間移動で貫き自分の武器で自滅した
大和「…………」
昴「大和…………」
大和「…………」
陸「大和さん………」
血を吐きながら後ろに倒れた大和は駆け寄ってきた陸に手を伸ばして頬に触れていた………
大和「…………」
見れば見るほどよく似てる………
大和は知っていた………陸が娘の子供であると………
大和「…………」
初めて見た時はわからなかった………だけどよく見る内に分かるようになった………
大和は陸が自分の娘の子供だと2回目に会った時に気がついていた………成長すればするほど似ている娘と義理の息子にいつからか心を癒されていたのだ………
大和「…………」
これを知っているのは俺だけでいい………ありがとう………陸………昴………
昴「大和………」
陸「大和さん………」
大和「…………」
そして陸の頬に優しく触れていた大和の手は力なく地面に落ち大和は安らかな顔で長い長い眠りについた………
「生きろ」
「ピピピピピ」
大和「んぁ………?もう朝か………」
何だか長い夢を見ていた気がする………
そして大和は「能力」と言われるものが無い世界で目が覚めた
女性「おはよう大和」
大和「おはよう 凛」
凛「朝ごはん食べよう〜」
大和「ああ」
そうしてもう失うことの無い 平和な世の中で大和は愛する妻と一緒に後世を生きていく………
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