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昴視点

昴「…………」

大和と美羽が死んだ………きっと次死ぬのは俺の番だろう………


大和の葬儀を終えた数週間後  美羽も前に発症した病で倒れそのまま亡くなり、昴は次が自分の番であることを理解する


昴「………っ………」

この痛みは確実に汚染が広まってる証拠だ………痛みがどんどん増えてる………陸に気が付かれるのも時間の問題だな………


日に日に強くなる直を保った状態での汚染の痛みはアルタイル時代嫌という程味わってきたからこそ………昴は自分の死が近くかつ汚染も早まっているとわかっている


昴「…………」

せめて最後の時くらいは聖と話をしたいが………きっと叶わないだろうな………聖は誰よりも家族を愛しているからこそ誰よりも泣かない男だ………家族の死の悲しみを人がいる前では決して見せない………それならせめて聖が心休まることを願って………


昴はずっと計画していことを実行に移し始めた………まず最初はアルタイル時代使っていたパソコンを起動


「パスワードをお願い致します」

昴「αACOKLN4S5」

「パスワードが認証されました  暫くお待ちください」

前々から作っておいて本当に良かった………

「昴  繋がったぞ」

昴「お手数おかけしますガジルさん」

「いや構わないんだがな………ここにパソコンを繋いだってことは………良いのか?あれの代償は重いぞ」

「アレ」の代償は俺の命………俺が死ぬことで初めて発動する………

昴「構いません  承知の上です」

「お前もほんっとうに親父に似たな  1度覚悟を決めたら絶対に覆さない」

昴「そう言うガジルさんも父さんとよく似てますよ」

「よく言われるよ  それじゃ………3日後  ロンドンに来い」


通話相手であるガジルはアルタイル初代最高司令官の実兄で今はロンドンで活動をしているリーダーである


昴「分かりました」

ガジルさんは父さんと似て自分が置かれた状況以外にも相手の状況を理解するのが早い………3日後は俺がこの家から姿を消す予定の日………


昴は自らの命の終わりの日を知っていて陸にそのことを話していない………その話していない理由として、自分が陸と再会した時には既に完全に汚染されていると理解しているから………


〜2日後  深夜〜

昴「…………」

こうして陸の寝顔を見るのも最後か………早いもんだな………陸と出会った当初はまさかこんな自分の死の間際まで一緒にいると思っていなかった………


今生最後となる陸の寝顔を眺めながら昴は陸と出会った日のことを思い出す………まだ幼かった陸はあっという間に大きくなり自分で稼げるでに成長した


昴「………愛してる  陸………」


その言葉を最後に昴は陸達の前から姿を消した………


〜イギリス  ロンドン〜

昴「ガジルさん」

ガジル「ん  来たか  こっちだ」

昴「はい」

ガジルさんは俺がもう自我を保てる時間が少ないのを承知の上でこうして仕事をしてくれる………普通なら断るであろうことなのに………


昴「ガジルさん  我儘を聞いてくれてありがとうございます」

ガジル「この位のわがままならむしろウェルカムだけどな  ガルはわがまま言わねぇし雅は無茶ばっかだし」


ガジルは弟  ガルガードがわがままを言わない性格であることを理解した上でずっと協力してきた


ガジル「もう自我を保てるのも時間の問題だろ?さっさと済ませよう」

昴「ええ  そうですね」


昴はガジルに案内をされ地下の寝台の並ぶ部屋であることを行う………寝台1台につき1発………5台に特殊な弾丸を撃ち込み自分の黒刀を取り出す


ガジル「終わったら呼べ」


ガジルはそう言ってその部屋から出ていく………昴が術式の展開に復唱をしなければいけないのでその間の警備をしてくれるのだ


昴「………失いし命達よ………我が身に集い我が願いを聞け………守りたいもののため………自らの為に死んで逝った魂達よ集え………集まりし者たちの罪を我が命を持って償おう………我が名は昴  白鴎家28代目当主  白鴎  雅とアルタイル初代最高司令官  ガルガード・フォン・ジークンの息子  我が命を捧げる………俺の願いを聞いてくれ」


昴が復唱を終えると集まってきたであろう命達と魂達が昴の身に宿っていく


昴「ありがとう」

これで俺はもう死ぬ事が決まった………ごめんな………陸


そう思いながら昴は少しずつ身に宿り重くなる身体を感じながらそう思った………







愛する息子  陸へ謝罪の気持ちを抱きながら………

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