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特別視点  聖Sid

陸「あの………ここは………?」

聖「アルタイル城地下8階に位置する研究施設の一角だ  君ら  昴に銃弾を撃ち込まれただろう?それの作用だ」

陸「…………」

父親の死の直後に悲しむ間もなくここに飛ばされたんじゃ黙るのも無理はない………だがこの子達はまだ幼すぎる………今のままじゃ成長はできない

聖「………君達はまだ幼すぎる  アルタイルに加入することを勧めるよ  君たちの若さでその実力なら上級隊員としてアルタイルにすぐ加入できるだろう  今のままじゃ成長はできないしその要素もない」

陸「…………」

聖「昴が命懸けで君達が育つようにと手を回してきたのを無駄にはするな」


聖はそう言ってその場を去ろうとするが………


快「待ってください  親父さん」

聖「…………」

空「ずっと探してたんです  俺達を育て守ってくれていた人を」

夜摩「忘れてしまっていたことは謝ります  だから待ってください」

成程………これがあの方が言っていた「償い」か………

聖「………俺の部屋は地上32階の東塔3209だ  部屋にいなければ中庭にいる」


聖は引き止めてきた「息子達」に背を向けたままそう言い放ちその場から去った


聖「ルフィージュ  あの子ら目が覚めたぞ」

ルフィージュ「分かりました  経過はどうでした?」

聖「良好  だが陸君はメンタル面でケアが必要だろう  俺はもう戦えないが………アルタイルに加入したのなら俺に言え  訓練は付けられる」

ルフィージュ「はい」


聖はそう言って歩いていくが………特殊な杖を使っているため自分に逆恨みをしている下級隊員の居場所がわかった


聖「よくもまあ何度も飽きないもんだな」

下級隊員「…………」

聖「2度も忠告はしないぞ」


聖はそう言ってどこから取り出したのか天井に向けて銃を発砲


「緊急コードを確認  NO.8  KS  緊急招集」


下級隊員「?!」

聖「馬鹿だな  俺がこの城の構造を熟知していないわけがないだろ」


聖はアルタイル城の監視官と執行官が緊急招集される装置の場所を全て把握しており、戦争の後遺症で満足に武器も持てない上に激痛の走る腕を痛みを押し殺して装置を起動させた


監視官「無理をなさらないでください班長」

聖「訓練をしても駄目だなこれは」

執行官「ですが前は持つだけでも痛みが生じていたはずです  訓練をしたからこそ上にあげることが出来た」



実は聖  アルタイル城でトップシークレットである役割の班長をしており、その統率力とリーダーシップからかなりの人数の部下を持っている


監視官「そういえば班長  これが届いてました」

聖「………わかった  ありがとう」


聖は監視官から渡されたものを持ってそのままその場から去り雨が降りしきる外に出た


聖「………馬鹿だな………気を使わなくたっていいのに」


そう言いながら上を向いている聖は泣いていた………雨が降っているからこそ外で泣ける聖………渡されたものは昴から送られた最後の手紙………


聖「ありがとう………昴………愛してるよ」





そう言いながら聖は泣き続けた………愛しい弟へ愛を呟きながら………

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