㊙️展行ってきたよってレポート
はじめまして、じゃいると申します。
早速ですが、
マル秘展、皆さん行かれましたか??
僕はすでに2回行きました。
デザイナーの息遣いや独自の美学が伝わってくるようで、時間を忘れて熱中してしまいました。ということで、この記事ではマル秘展の振り返りをしていこうと思います。
※この記事は、designing plus nine アドベントカレンダー8日目の記事です。
マル秘展とは
3月8日まで六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開かれている展示会です。
普段は展示されることのない、デザインの過程において生み出されてきたスケッチ、図面、模型などが約2800点展示してあります。
公式HPには、各デザイナーのプロフィールに加えて、作品の写真、インタビューが載っています。展示されている原画から出来上がったものがHPに載ってるってことです。(普通は逆ですよね、面白い。)
ここからはマル秘展の個人的推しポイントをつらつら書いていこうと思います。
1. そもそも展示品が魅力的
デザイナーのスケッチやモックには、人に見せるものではないと言いつつも、美しく魅力があります。
・ 五輪エンブレム案(原研哉、敬称略)
この濃淡、もはや犯罪。
・ unoロゴタイプ構想(松永真)
男性的なデザインというと太いセリフやゴシック体を連想してしまうんですが、unoは化粧品なのでサンセリフで且つ男性的を実現してますよね。すごい。
・ Suicaタッチ面スケッチ(山中俊治)
高輪ゲートウェイ駅に新しいタッチ面を持つ改札がつく、ということでタイムリーなアレです。
・ 青鬼と赤鬼(内藤廣)
建築や都市計画では構想を形にする「現場」というものがあります。現場に関わっている時こそ概念的でならなければいけない、つまり自分はどう考えているのかを図式化して明確にする必要があるために、こういったダイアグラムを書くそうです。
ちょっとしたメモですら、左右対称に言葉を配置しているところに美意識を感じます。
2. スケッチは三者三様
これはディレクターの田川さんがnoteでも書いていることですが、デザイナーの思考過程や性格は三者三様、スケッチに使う道具もフォーマットも三者三様です。マル秘展ではその違いがはっきり見て取れるようになっています。
一つには使っている道具の違いがあります。
LAMY(万年筆)とコピックで陰影やパースも意識してスケッチをする人、ペンチやニッパーを使って金属を曲げて構想を練る人、シャープペンシルでメモ用紙にざっとロゴタイプ案を書く人。
もちろんそれぞれ職業が違うというのはありますが、その人の受けてきた教育や学生時代の夢など、その人の生い立ちがアイデア出しの手段に影響を及ぼすのかなと勝手に思っています。
端的な比較ですが、美術教育を受けてきた人は描いて考え、学問を修めた人は言語化して考えるのかも…
また、例えば山中俊治さんの場合は、学生時代に漫画を描いていたことから、スケッチも何となくモビルスーツやタチコマっぽさがあります。
・JR在来線高速化試験車両TRY-Z(山中俊治)
自分が生まれたときにはすでに引退してたんですが、憧れの車両です。
非対称な運転席が眼帯をしているロボットのようで本当にかっこいい。
・ 立面図にトレーシングペーパーを被せて表現された、東京駅の照明デザイン案(面出薫)
・ LEGOで作られた携帯電話のプロトタイプ(深澤直人)
・よくわからないメモ(旅行中に自分の思考を文章に起こして整理しているそうです)(隈研吾)
また、美意識をどこに徹底するか、どこにこだわりを持つかは人によって差があると感じました。
手帳一つ取っても、同じ種類の手帳を20年近く使い続ける人、毎年手帳を変えてる人、300冊のノートを同時並行で使う人、デザイナーっぽい手帳を使っている人、サラリーマンの能率手帳を使っている人など。色々です。
3. 展示の仕方もデザインされている
この展示はデザイナーの展示なので、もちろん展示も随所がデザインされています。展覧会をデザインするって概観して全体に統一感を持たせつつ、細かい配慮をしなければいけないので本当に大変だと思うんですが、マル秘展はお客さんへの配慮が行き渡っていました。
① 照明がケースの中についている
これはこの展示会独自のものではないかもしれませんが、照明がケースの中についているので、お客さんの影が展示物にかからないんです。
展示物を撮るために前屈みになっても影ができないので、写真が撮りやすいです。
② ケース両側にキャプション
マル秘展では長細いケースがこんな感じで並んでいるんですが、
左から見ていく人と右から見ていく人がいるので、ケースの左端・右端両方に作者についての情報がありました。
③ 休憩ベンチからスライドショーが見える
展示スペースの壁に作品のスライドショーが映っているんですが、最初は何で映しているのかわかりませんでした。実は休憩するためのベンチから綺麗に見えるんですよね。
④ 鉛筆を受付で配ってくれる
お客さんがメモやスケッチをとるために鉛筆を配ってくれています。
これ最初行ったときにはなかったので、日々フィードバックを通して接客方法も更新しているっぽいです。
⑤ 最初に見方が書いてある
美術館初心者からすると、展示をぽんと出されてもふ〜んとしかならないですよね。マル秘展では、どう見たらいいのかという視点を最初に提供してくれるので見やすいです。
⑥ デジタルとアナログ、インタラクション
webページは勿論のこと、twitterやpodcastなどのデジタルツールを生かして「デザイナーの生の姿」を届けるために工夫がなされています。
例えば、podcastで各人1時間にわたるインタビューを公開しています。
また田川欣哉さんや山中俊治さんがtwitterで参加者の感想に対して反応しているのも面白いです。
おわりに
皆さんもぜひマル秘展に行って、滅多に見れないデザイナーたちの原画を堪能してください。
「マル秘展 めったに見られないデザイナーたちの原画」
【会期】2019年11月22日(金)- 2020年3月8日(日)
【会場】21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
【休館日】火曜日(12月24日、2月11日は開館)、年末年始(12月26日 - 1月3日)
【開館時間】10:00 - 19:00(入場は18:30まで)
cf.公式HP
cf.ディレクターの田川欣哉さんのnote
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