バイクに教えてもらったこと

ツーリングに出ていた頃に考えていたことをぽつぽつとメモしていた。
わたしはバイク乗りだったのであった。
そのわたしはバイクに何を教わったのか。


少々のことは「ふーん」と流せるようになったのであった。


天気予報は気にするけれど、あてにはならない。特に山あいは。
自分の目や鼻や皮膚感覚で、雨の雰囲気を察知する。
あと、対向車を見る。
だからといって、自分の予測がいつも当たるわけでもない。

楽観的に判断してずぶ濡れになったり、
やむを得ず雨に突っ込んでいくこともある。
もちろん「カッパを着ると雨が降らない法則」というのもある。
そのうちに「天気が全部思い通りになったらスゴいわな」と
考えるようになった。


思うように走れないとイライラする。
おいてけぼりを食わされたり、自分の思うラインで走れなかったり。
それは、自分の乗っているバイクの特性を良く知らないことと、
整備が中途半端であることと、
もちろん自分の技量の問題もある。
走っているうちに
思い通りにならないときの原因がどこにあるか
を考えるようになった。


そんなのをいくつもいくつも経験して。
そのうちに、
日常生活のなかで自分が考えていることと違うことが起きても、
むかしは「ムキーッ!」となっていたのが
「・・・そうか、違うのか。ふーん。」
と言って済ますことができるようになった。

もともと短気な私は、バイクとのつき合いを通じて大人になったのだ。
ただ歳を取るだけだと、もう少し違うモノの見方をしていたと思う。