ホッケをやいた
これはまったく誤解を招く表現である。それを知りつつ「ホッケをやく」などという言い方をする。
ホッケとは、ホッ ト ケ ーキの略称である。ウソのようなほんとうの話である。いまこさえた話である。わたしが当然のような顔をしてこう言うてみたところで、日本語話者の誰ひとりとして納得しないことは明明白白なのであって、だからといって誰かに理解してもらおうという気すらないのであった。わかってくれとは言わないが、こういう状態を日本語では昔から「独り善がり」と言うていたような気がする。そんなに俺が悪いのか。
わたしがたどり着いたバランスはこれである。基本量である。
これを、ただ泡だて器で混ぜる。泡だて器で混ぜる。大事なことは2回言うのである。過去に、卵黄と卵白を別立てにする、粉をふるう、3つの材料の投入順を変える、などの検討を行ったが、素人が朝飯として食する程度の技量と寝ぼけ具合を勘案すると、これらの手法の違いは最終の出来上がりには大きな差を及ぼさないことがわかった。言い換えれば「食うたら一緒」である。
つまりは、材料をだまって混ぜればよろしい。
そこでダマになったら「あ、ダマになったな」と思えばよい。ダマにならないようにするには、粉をふるい少量ずつ加えて要領よく混ぜるのがよさそうだが、別に投入順は好きにすればよろしい。ダマができたくらいで人は死なないからである。ヘッダー画像のダマは、粉チーズである。粉チーズの塊が入るとこないなるのだ。しかし黙って食えるからよいのである。とはいえ、出来に文句を云う輩は出るやもしれぬ。その輩の扱いは、お預け、絶食、投獄など、各々の家庭で好きにするがよい。
これを入れて混ぜる。お好みのものは、その日の気分に合わせて選べばよいのであって、無くともよい。
ミルクパンを熱してバターを溶かして、慣らす。溶けたバターをボウルに入れて混ぜる。
生地はできた。
バターを溶かしたままの18センチのミルクパンに全量どぼっとして出来るのなら、やればよろしい。弱火で片面10〜15分程度である。ふくらし粉の作用で表面がふつふつとして表面が乾いたようなあの感じが確認できたら、いちどひっくり返すのである。
生地が一回でうまく焼けない場合は、上下分離方式で、半量焼いて、あとの半量を焼くときに生地を流し入れてすぐに、焼いた半量で蓋をすればよろしい。その後弱火で10分程度である。