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いまさら買った

ヘドバン。


わたしは例によって
ぼやっとした頭のしたに
焦点の合わない顔を貼り付けて
のらくらと本屋に行ったのであった。

マスクというのは便利である。
ぼやっとした頭はマスクがあろうとなかろうと、黙っておれば外にバレることは無いのであるけれど、その一方で、顔というのはその個人を象徴する身体の部位であって、その個人の象徴の焦点が合わない、となると、目も当てられないのであった。
焦点の合わない顔は、見た瞬間に
「アラー! 見てあの人!
 ほら、向こうの、あの人っ!
 顔の焦点!
 合ってないわ〜。…合ってないやんか〜」
と思われてしまうのである。
指さされてしまうのである。
つまりはバレバレである。
マスクがあってよかった。
しらんけど。


わたしは
そういうステータスのまま本屋に行って、魂が入っているのか抜けているのかわからない身体を引きずり、本屋に林立する棚の間をいかにも物を探しているふうに装って、鵜の目鷹の目の小芝居をしながらうろうろとしたのであった。すると、目についたものがある。

ヘドバン Vol.31 2021年の人間椅子と『苦楽』大全集

背表紙にそういう文字が印刷されていた。
棚の一番高いところに数冊置いてあり、わたしは声を出してそれを読んだのである。読まずともよいものを。

手にとって表紙を眺めたのである。

2021年の
人間
椅子と
『苦楽』大全集

その下には、こう書いてあった。

リヴァプールの残虐王,8年ぶりのアルバム発売!
CARCASS

もうね、買うしか無い。
他に選択肢は無い。
一択である。



ハイ

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そしたらMETALLICAの記事があった。
ブラック・アルバムがリリースされて30年経つんだそうだ。ブラック・アルバムとはこれである。

雑誌の中、このアルバムについて、53人の方々が、下に示す3つの質問をに答えておった。わたしもちょっと答えてみようと思った。買うしかないやろ、とか言いながら、関心事は人間椅子でもCARCASSでもないのであった。…何考えとん、自分。


さて、3つの質問に答えるのであった。


①初めて"ブラック・アルバム"を聴いたときの感想

 分厚くてかっこいい音だ、と思った。まだHeavy Metalの世界をよく知らなかったわたしに洗礼を浴びせたアルバム。Heavy Metalというのはこういう音なんだな、と良くも悪くも刷り込まれた。そして、テンポが速くないから弾けそうだぞ、とも。
 当時、アメリカでのリリースプロモーションの様子がテレビで流れていて、アメリカらしく隙間のない(視聴者が考える前に情報をどんどん与える)やり方もあって、どうやらすごいバンドのすごいアルバムのようだ、と思った。

②あなたにとって"ブラック・アルバム"とは

 METALLICAの入り口であり、Heavy Metalの入り口でもあった。そこから悪友からの入れ知恵もあり、どんどんマニアックな方向へのめり込んでいったのだった。今で言う「沼」に相当するようなものだろう。
 METALLICAについては、ブラック・アルバムから過去の作品をさかのぼって聞き、結局、
Four Horsemen,
Creeping Death,
Battery,
One,
などの代表曲を次々とコピーしていった。当時はインターネットがなく、タブ譜もなく、解説動画なんかもあるはずがなく、自分の耳だけが頼りだった。

③"ブラック・アルバム"で一番好きな曲

Sad But True

引きずるような重さと窒息するような緊張感が、他にはないもののように思えて、たまらなかった。




昨日、
ヘドバンを読んでいたら猛烈に眠気が襲ってきて、
気を失うように寝たのである。
そのまま暗くなるまで眠りこけておったのだ。

起きて麦酒を飲んだところが、
わたしがアサヒビールを欲するのは
夏の暑い時のみであることが
再確認されたのであった。

普段の麦酒は
・一番搾り
・黒ラベル
・ヱビス
のどれかです。キリンが一番おおいかな。