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世の中は 知らないことで あふれてる
知っている人は知っている。わたしは知らなかった。
バトンドール リシェエドゥ。文字をペーストしたから表記はできる。しかし、このような文字の並びをわたしは発音したことがない。どうやら直方体のチョコレートにポッキーが刺さっておる。
ガリガリ君のええやつ、という貧弱な想像しかできなかったわたしである。しかし、これはアイスではなくチョコレートであった。さらに言うなら、全て食べてしもうたあとはアタリかどうか確認が不可能である。これはそもそもアタリつきなのであろうか。
税抜き800円。
リリースされて半年も経つんだそうである。情報弱者のわたしは、ついさっき、うっかり知ったのであった。
ああ、たしかポッキーが進化して太っちょになったものは「バトンドール」というやつである。これはかろうじて知ってる。知ったかぶりレベルで知っておる。「ああ、アレね」というわたしの目は泳いでおる。プール開きもまだなのに泳いでおる。気の早いこと。
しかしバトンドールと名を変えたポッキーはそこで満足することなく、更に進化して、四角くなってしもうた。名前のカタカナの羅列が読めない。なんやて?
バトンドールりしええどう、利子、ええどう。である。なるほど、わかった。…いや、あんたわかってないやろ。
もしかしてアレか、ポッキーは出世魚か何かになったんか。
ポッキーが四角形になってしもうた。直方体になってしもうた。どないしたらええのだ。これからは、なにかマズいことをしでかしたら「ポッキーの角に頭打って死んでしまえ」とか言われるのであろうか。それはイヤだ。イヤだと拒否するわたしに甘美なるチョコの誘惑。角に頭をぶつけたわたしは、寄り目になって昇天するのか。もはやドリフである。もしかしたら、豆腐よりもええ気分で逝けるのではなかろうか。
この四角形の贅沢ポッキーがこのままもっと進化したらどないなるのだ。仮にわたしが江崎グリコに勤めておって、商品開発をしておったら次に出す商品は決まっておる。もうこれしかない。
え? どれやねんな。
うなぎに串を打ったような商品にする。カッコええロゴか何かをあしらった板チョコに、等間隔でプレッツェルが刺さっているのである。
うなぎの老舗なんかにある「秘伝のタレ」のかわりに、シュッとしたフルーツソースとか何やらシロップとかが別添でついて。
うなぎは高級とされるので、ポッキーの白焼きもええお値段で売ることであろう。一枚2000円とかにする。別添の"タレ"をつけて。
へいらっしゃい。
言うのは勝手である。しらんけど。