ツーリングライダーの行き着いたところ
ツーリングに出る前の
わくわくしたきもち、
うずうずするきもちを思い出す。
そして
むかし自分が書いたメモ書きを見て
ああ、そんなこともあった、と思い出す。
文章に仕立てることで
自分のツーリングに対する思いが
形を持つように思えた。
わたしにとってのツーリングは
文章にして初めて完成するものなのか、と思う。
ずっとずっと走って
いろいろな空気を感じて
やっと
その経験や思いがひとかたまりの日本語となって
すとんと落ちてきた。
そういう気がする。
五感を研ぐために走っていた気もするし
きもちをすすぐために走っていた気もするし
ただ走ってみたいから、
することもないから惰性で、
走って走ってまだ走って
バイクにどこかに連れて行ってもらいたかった。
ここじゃない何処かへ。
そして、
ここじゃない何処かは、あったのか。
わたしの行き着いたところは
「ここがあるから走っていける」
だった。