公務員試験 憲法

公務員試験憲法レジュメ(基本的人権・精神的自由権・経済的自由権)

〈基本的人権〉

■人権の享有主体
・法人
八幡製鉄事件                            会社が自民党に政治献金。会社に権利はあるか。            判旨:国民の権利、義務は性質上可能な限り、内国の法人にも適用される。
会社は自然人たる国民と同様、国や政党の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有する。

南九州税理士会政治献金事件                     税理士会が政治団体に寄付するために会員から会費を徴収することを決議
判旨:税理士会が政治団体に寄付をすることは税理士会の目的の範囲外であり、寄付をするために会費を徴収する決議は無効である。
税理士会のような強制加入団体の会員には、様々な思想・信条及び主義・主張を有する者の存在が予定されているから、このような事柄を多数決によって決定し、構成員にその協力を義務付けることはできない。

・外国人
定住外国人の地方議会議員選挙権                   在日韓国人に地方公共団体における選挙権があるか。
判旨:公務員を選定罷免する権利を保障した憲法第15条1項の規定は、権利の性質上、日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばない。
憲法93条2項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味し、右規定は我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない。
外国人のうち永住者であって、その居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律により、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではない。=許容説

ヒッグス・アラン訴訟
判旨:国政選挙権は性質上外国人には保障されない。

東京都管理職選考試験訴訟                      韓国籍の人が管理職選考の申込書を拒絶される
判旨:公権力行使等地方公務員の職務の遂行は、住民の権利義務や法的地位の内容を定め、影響を及ぼすなど、住民の生活に直接間接に重大な関わりを有する。それゆえ、国民主権の原理に基づき、国及び普通地方公共団体による統治の在り方については日本国の統治者としての国民が最終的な責任を負うべきものであることに照らし、原則として日本の国籍を有する者が公権力行使等地方公務員に就任することが想定されているとみるべきであり、我が国以外の国家に帰属し、その国家との間でその国民としての権利義務を有する外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは、本来我が国の法体系の想定するところではない。
普通地方公共団体が日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置をとることは合理的な理由に基づいて日本国民と在留外国人を区別するものであり、憲法に違反するものではない。

塩見訴訟                              帰化したXが韓国籍だった時にはしかで失明。
判旨:社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、当該外国人の属する国との外交関係、変動する国際情勢、国内の政治、経済、社会的諸事情等に照らしながら、その政治的判断によりこれを決定することができるのであり、その限られた財源の下で福祉的給付を行うに当たり、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許される。

入国の自由―外国人に入国の自由は保障されない。
出国の自由―外国移住の自由はその性質上外国人に限って保障しないという理由はない。
再入国の自由―「外国人は憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものでない」以上、再入国の自由も憲法上保障されない。

マクリーン事件                           外国人マクリーンが政治活動を理由に在留期間更新を拒否される。
判旨:外国人は、在留の権利ないし引き続き在留することを要求しうる権利を保障されているものでもない。
基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみを対象としているものを除き、在留外国人に対しても等しく及ぶものと解すべきである=性質説   政治活動の自由についても、我が国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ。
在留期間中の憲法の基本的人権の保障を受ける行為を在留期間の更新の際に消極的な事情として斟酌されないことまでの保障が与えられているものと解することはできない。

大分永住外国人生活保護訴訟
判旨:現行法令上、生活保護法が一定の範囲の外国人に適用又は準用されると解すべき根拠は見当たらない。

外国人指紋押なつ拒否事件
判旨:何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有し、国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは許されない。その自由の保障は、わが国に在留する外国人にも等しく及ぶ。

・天皇
皇位の世襲制と職務の特殊性から天皇に対して一般国民と異なる特別の制約をすることは認められる。

・未成年者
未成年者に対して権利の制限規定が置かれている。選挙権は成年者のみ。

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