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【遊ぶ広報】いざ行かん、奥熊野 ~熊野市編~

株式会社Huber.さんの「遊ぶ広報」プロジェクトの参加レポート前編、三重県・熊野市編です。

1. 熊野市ステイ概略

熊野市での滞在は下記のとおり。

・1日目: 前日深夜に東京出発、お昼ごろに東京着
・2日目: アテンド
・3日目: フリー
・4日目: フリー
・5日目: 朝出発、十津川村へ

熊野市でのアテンドは2日目に入れていただきました。

2-1. 熊野市観光: ひとり散策

今回の滞在はすべて公共交通機関での移動となる私。
訪問に車が必要となる場所はアテンド時に連れて行っていただけることになったので、ひとり散策では主に徒歩圏内で訪問が可能なスポットに絞って訪れました。

徒歩で訪れられる海岸エリアには、目をみはるような“奇岩”の景勝地が数多く見受けられます。
ホテルにチェックイン後すぐ、身軽な状態でふらりと散歩をしていた初日すぐに目に入ったのがまずこちらの「獅子岩」。その名の通り、まさに獅子が口を開いているかのようです。

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「獅子岩」は世界遺産であり、国の名勝・天然記念物です。高さ25mもの岩が海に向かって咆哮している姿は圧巻。自然が生み出す造形に目を奪われます。

続いて、日本最古の神社とされる花窟(はなのいわや)神社も欠かせません。「国産み」でおなじみのイザナミが葬られた御陵と伝えられ、720年編纂の『日本書紀』にも記載があるとか。そそり立つ岩肌に刻まれた球状のくぼみは唯一無二の雰囲気を放っています。

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花窟神社も世界遺産です。この日も遠足の小学生で賑わっていました。
熊野市屈指のパワースポットと名高いだけあって、一帯は神聖な空気で満ちています。

花窟神社に参拝された際は、ぜひ目の前に広がる『道の駅 熊野・花の窟「お綱茶屋」』でお土産購入・お食事はいかがでしょうか?

私は熊野市でのアテンドを担当をしてくださった方のおすすめにしたがって、「なるみ」と「なつみ」を購入しました!それぞれ三重県熊野産の温州みかん、甘夏みかんを使用したゼリーで、パウチされて個包装になっています。爽やかな風味で、お土産として渡した友人には大変好評でした。

▲ふるさと納税でもお取り扱いがあるようですので、気になる方はぜひチェックしてみてください!

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お綱茶屋さんでいただいた山菜うどん。うっすらピンクグレーの麺は個性的で、一瞬「そば?」のようにも見えます。実はこれ、地域特産品である古代米・「イザナミ米」を練り込んでいるからだそう。程よく歯切れの良いのどごしが楽しめました。

熊野市では時間的都合でほとんど外食が出来なかった中、数少ない訪問先だったHaneCafeさん。フリーで利用できるWi-Fiはありませんでしたが、美味しいスイーツをいただきながらゆったりと作業をすることができました。

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HaneCafeさんでいただいた「極ふわ Haneパンケーキ」は有精卵の「あそぼらん」を使用しているのが特徴だそうで、自家製ホイップバターが素材の美味しさを引き立てていました。

2-2. 熊野市観光: アテンド編

私の仕事の都合で、急遽予定変更をお願いすることになってしまったアテンド。内容変更かつ終了時刻を切り上げてのご案内をしていただくことになってしまいました。頭が下がる思いでいっぱいでした…
とはいえ、到底ひとりでは訪れることが出来なかったであろうスポットにたくさん連れて行っていただき大興奮。
え、この道一通じゃないんですか?」という道をビュンビュン車で飛ばしていくアテンダントの方のハンドルさばきにしびれました。10年近くペーパードライバーの私には到底無理な芸当です。車の運転に自身の無い方はくれぐれもお気をつけてください。

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アテンド開始直後に見た朝靄の様子

アマゴの養殖場・赤倉水産

まず最初に向かったのは、アマゴの養殖場・赤倉水産さん。
海岸部にある熊野市市街地に背を向けて、山方面へどんどんと登っていきます。なんと、赤倉水産さんに到着する15分程度前からスマートフォンの電波が全くキャッチされなくなってしまいました。山深い…!

赤倉水産さんがある育生町赤倉は、現在は無人の村となっていますが、経営者である中倉さんをはじめ、スタッフの方が近隣の村から勤務しに来ているそうです。また、中平さんによる一棟貸しの民宿「あかくら」も併設されています。

赤倉はなんとものんびりとした時間が流れているスポットでした。透明感あふれる水の中を泳ぐアマゴたちも、心なしか気持ちが良さそうです。こんなに水の澄んだ川を目にしたのははじめてかもしれません。

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養殖されているアマゴ。
マス科のアマゴはオレンジ色の身をしており、締まったサケのような味わいでした。美味!

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とっても人懐こい猟犬・ジロウがいました。はじめましての私たちも快く出迎えてくれましたが、猟の際は犬本来の俊敏な姿でサポートをしてくれるのでしょう。食事はもちろんアマゴです。

大丹倉(おおにぐら)

赤倉水産さんにお別れを告げた後も、どんどん山の奥深くへと登っていきます。ひとりで来ていたら心細くなること間違いなし。だって、電波が届かないのでGoogle MAPなどでもルートを確かめようが無いのです。アテンドしていただいて本当に良かった、としみじみ思います。

さて、次の目的地は大丹倉(おおにぐら)です。
古代から修験道が盛んであったこの奥熊野のエリアにおいて、とくに修験道の聖地として知られた場所、とのこと。事前調べではこんな感じの場所のよう。

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(引用元: 三重県観光連盟公式Webサイトより)

すごい岩だ。

しかし、駐車場からのルートはしっかりと林道。
なるほど。駐車場から徒歩数分で行ける距離にこの岩が現れる、とのことでしたが、果たして…?

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こんな場所にも関わらず、今から500年ほど前には「天狗様」と呼ばれる刀鍛冶兼修験者・近藤兵衛という人物が屋敷を構えていたそうで、記念碑とともに屋敷跡も残されていました。どんな暮らしなんだろう、全く想像がつかない…


半信半疑のまま歩みを進めると、目の前がパッと開けてきました。

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おお?!

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おおおー!

足元に注意しながら岩肌をよじ登ると、まごうことなき絶景が目の前に広がりました。

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岩の上は意外にも平坦なので、腰掛けてピクニックを楽しむこともできます。気持ち良いですね。
※ただし、柵も何もないため、足を滑らせれば間違いなく命を落とします。くれぐれも細心の注意を払ったうえで滞在することをおすすめします。

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アテンド出発時に購入しためはり寿司とあたたかい紅茶をいただきました。
なお、今まで完全に死亡していたスマホの電波ですが、この大丹倉のてっぺんでは4Gバリ3で復活しました。(その後、大丹倉を降りるとまたお亡くなりになります)
この絶景を眺めながらSlackの業務返信を行うというのもなかなか乙な体験でした…

丹倉(あかくら)神社

さて、アテンドも終わりが近づいてきました。ここに至るまでほぼ一本道で山道を上ってきたので、後は来た道を戻ることになります。
帰り際に訪れたの最後の観光スポットが丹倉(あかくら)神社です。
赤倉も丹倉も「あかくら」。大丹倉は「おおにぐら」。
地名は本当に難しいですね。

丹倉神社は、巨岩をご神体とする「磐座信仰」を示す神社で、熊野三山に参拝者が訪れるようになる以前からその歴史を持つそうです。

道の傍らにひっそりと建つ鳥居から階段を降りてご神体へと向かいます。

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丹倉神社は鳥居からすぐのところに階段があり、ご神体へと「降りて」参拝する珍しい形式の神社です。

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ご神体の登場です。
まさに「巨岩」という言葉がぴったりの大きな岩が祀られています。周囲のうっそうとしげった木々から漏れる陽の光を背後にまとった姿は神々しいの一言。かつてこの山の中にやってきた人々が神性を見出したのも納得です。

この後ホテルまで送っていただいて、大満足のアテンドが終了しました!

3. ワーク環境について

熊野市での滞在ではみはらし亭さんにお世話になりました。
熊野市内で安定してWi-Fi作業ができそうな場所が見つけられず(私のリサーチ不足…)、結果としてほぼホテルに缶詰という結果になってしまいました。

【良かった点】
・Wi-Fiの接続が安定していた
 →「全室Wi-Fi完備」の旨が公式サイトにきちんと明記されていたことも予約の決め手になりました。熊野市での滞在中には重要なミーティングなどが多く入っていたこともあったので、とりあえずWi-Fi環境重視だったのです。民宿タイプのお宿も好きなのですが、「Wi-Fiなし、有線LANのみ」との記載のお宿もちらほらありましたので…
・お部屋がきれい
 →お部屋はリノベーションされておりとてもきれいで快適でした。外観やロビー、共用部分は長く営業されているのを感じられる作りでしたが、よいコントラストだったと思います。
・駅チカ
 →駅から徒歩5分程度で到着するため、キャリーケース持ちの大荷物でもさほど苦労せずに到着できました
・徒歩圏内にスーパー、コンビニが複数あり
 →悲しきかな、熊野市では仕事に忙殺されていたため、徒歩5分圏内にスーパー(イオン、オークワ)、コンビニ(ファミリーマート)があったのは本当に助かりました。

【反省点】
・大浴場の開湯時間を把握していなかった
 →今回私が宿泊したお部屋にはお風呂が無いため、共用の大浴場を利用することになっていたのですが、仕事が深夜まで及んだ日はお風呂に入りそこねてしまいました。夜の部の開湯時間は23:00までだったのですね。気がつくと深夜まで稼働しがちな方は気をつけてください(私がうっかり者なだけ説…)
・作業時の姿勢には注意
 →特にお部屋にはこだわりがなかったため、和室にしたのですが、これが失敗。自分が座椅子に座って長時間作業をすると必ず腰が痛くなるタイプの人間だということをすっかり失念していました。
ええ、正直こんなにこっちに来てまで作業が発生するとは思っていなかったものですから…汗
みはらし亭さん側にはまったく落ち度はないですし、むしろ和室スタイルが捗る!という方にはぴったりだと思います!みはらし亭さんは洋室・和室どちらのスタイルもお部屋のご用意あるみたいですので、予約する際に気をつけてみてください。

4. 熊野市ステイを振り返って

残念ながら、熊野市はあまりひとりで散策する時間が取れず、アテンド行程以外の観光は不完全燃焼だった、というのが正直なところです。

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鬼ヶ城を南から望んだところ。鬼ヶ城には結局行けずじまい。遠くから眺めるのみで終わってしまいました。無骨な山肌の風景と、海の組み合わせ。険しい自然と共存し、神聖なものとして崇めてきた人々の足取りが見える町でした。

その代わりと言ってはなんですが、自由の効く朝には、連日海岸でぼんやりしていました。熊野の海岸は、砂ではなく岩の海岸なんですね。
潮騒の心地よい音色をBGMに澄んだターコイズブルーの海を見つめていると、何時間でも過ごせそうな気がしました。

早朝には釣り人もちらほら見かけましたが、日中は人影もまばら。
また波がなかなか激しいのもあって、日本らしい厳かさに満ちた浜辺の風景です。

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ずっと眺めていたい気分にさせてくれた浜。
人影はほとんど見かけないのでトンビが友達です。

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遊泳できるビーチにしか馴染みが無かったため、
打ち寄せる波のなかなかの激しさは刺激的でした。

これから向かう十津川村も、熊野市とは異なる趣で自然豊かな場所だと伺っています。続きは今回の滞在の後編レポートにて!