今週末に出るセミナーの資料

明々後日に行われるセミナーにて登壇するのですがこちらはそこで使う資料です。後3日で加筆修正等もあるけれど大枠では変わらないので興味ある人いればご覧ください。

10 月 6 日(金)13~16 時
「長良川大学・シビックプライド講座」
「利用金額日本一の喫茶店を活かすまちづくり」
事例検討・喫茶星時店主 樋口 尚敬
「喫茶店を市民に開放して各種講座の開催」

【店主紹介】
樋口尚敬 (ひぐちなおたか)
1982 年生まれ 岐阜県羽島郡笠松町出身 高校まで岐阜で育ち、関西の大学へ。卒業後は 3 年程のサラリーマン 生活を経て岐阜へ戻り飲食業の世界へ入る。
岐阜市の喫茶店と各務原の喫茶店の 2 店舗で合計 5 年程働いた 後、2017 年に岐阜市にて「喫茶星時」を開業

【店舗紹介】
店名 「喫茶星時(キッサホシドキ)」
営業時間:13:00~20:00(L.O19:30)
定休日:金曜日・毎月最終木曜日、月一不定休
住所:岐阜県岐阜市神田町 3‐3 加藤石原ビル 2 階
※名鉄岐阜駅から徒歩約 15 分 店舗
HP:https://hoshidoki.com 特色:自分で焙煎したコーヒーを出したり、自家製ケーキを提供、時に オーダーケーキなど記念日のケーキも作っている。開業当時より大小 様々なイベントを企画し、現在は年間 120 ほどの開催している。

・お店はどの様に変遷していったのか。
2017 年に意気揚々と喫茶としてスタートは良かったものの、仲間内の来店が止まった後に人 が入らないことに危機感を覚える。(この時にお店の立地が難しい場所だと初めて理解した)
何とか来てもらうという発想で突き詰めていった結果「イベントをして確実にお店に来てもらう」 という考えになる。
→この発想がイベントを誘致するきっかけ。

最初は喫茶営業のみで行う予定のつもりであったが、現状を考えることでよりお客様に沿った 形を作ろうと変化していった。また変化していく過程で自分の中でも意識の変化が生まれた。


・お店ではどんなイベントをしているのか。
例:椅子ヨガ、カメラワークショップ、落語、ライブ、映画上映会、手話カフェ、哲学カフ ェなどなど・・・毎月 10 個以上のイベント開催している。年齢層はそれぞれ別々で、イ ベントを通じて繋がることもあれば、イベントだけに来る人もいる。

以前はイベントのお客様を喫茶営業に繋げようと動いたこともあるが今はしていな い。→その人たちの在り方を考えないといけないと思う様になり、その人たちのリズ ムを過度に崩さない様になった。(どの様にここと関わっていきたいのかを想像する) 1 回限りのイベントは少なく毎月など継続して行う企画が半分以上になる。

・どの様にこういったイベントが生まれるのか。
最初はお客様として来られ、その時の会話からイベントが生まれることが多い。 何かのイベントの時に来られ、その際に話すことでこういったことがしたいという企 画が生まれる。 こちらがどこかの場所に行き、喋っている中でイベントが生まれることもある。
基本的に「待ち」の状態で企画が生まれることは珍しい。こちらから「対話」する中で ポンとイベントが生まれ、決定していくことが多い。

・何故続けるイベントが多いのか。
自分が意図的にその様に進めている部分もある。慣れている企画者もいる反面、全 くの初めての企画者もいる。その場合、集客面であったり、企画内容に関して不十分 であるなど反省が残ることがある。その為、そこで終わらず次に繋げることで企画者 にも参加者にもより良い状態を作れるようにしたいと考えている。 また、続ける中で新しい分岐が生まれることがある。 例:参加者が新しい企画者になる。企画で繋がった人がその後、店を離れてその人た いで楽しみ始めたりもする。(後述)

・貸す側として活動で困ったことは何があるのか
あまり出会うことは無いが基本貸し出す時の料金はかなり安く設定している。 理由としては企画実現のハードルを下げる意味合いもあるが、店舗営業や他の企画 などもあり、1 つに専念しきれないという店舗側の問題も含んでいる。 でも企画者の中には企画を楽しむことに集中し、それ以外の面倒だと感じる部分を 店側に過剰に求めてくることもある。そうなってくるとミスマッチが発生し、お互いに 不和が起こりやすくなる。→過去にその問題で白紙になった例もある。
その為、きちんと企画が確定する前にはこういった運営面に関しては意識のすり合わ せは行う様にしている。
利用者として自分の利を最大化したい部分も分かるが自分のお店の場合は制度的 にビジネスに振り切って行う面は比較的弱かったりする。相互補助の世界。お互いに 助け合う。この気持ちが大切になってくる。

・イベントを通して気づいたことはあるのか
最初はお店の運営を目的としたイベント誘致ではあったがイベントを通す中で自分の 中でも意識改革が行われることがあった。
・企画者であれ参加者であれイベントというのはその人の持つ 1 つの側面でしかない。 例:椅子ヨガをやっている人が音楽にも触れており後に音楽を軸にした企画も生まれ た。
・人同士が派生することがある。例:何度かイベントに参加することで「実はこういう 人がいるのだけど」と紹介を受ける。また別のイベントの企画者と繋がっていること が後で判明することもある。
・イベント参加者同士でいつのまにかグループを組み、独立して動くことも見られた。

イベントは基本お店の中で行われる企画であるため、様々なコントロール化にあった 状況がいつしかコントロールを離れ、拡大したり独立したりする。そうなった時は 1 つに社会の枠組みを見ているようで個人的に興味深い。

自分のお店には能力的・設備的に限界があることも分かっている。その為こうしてコ ントロールを離れて独立していくことはある種歓迎する向きもある。 離れることで新しい枠が生まれ、そこにまた違う「何か」が生まれることがある。
そうして様々な所に「種」が飛び、自分が想像していなかった様な「縁」が生まれるこ ともあり、それが自分はとても楽しいと感じていたりします。

今回、自分の喫茶店を通してこんな事をしているという事例発表をしていましたが、 話していたことは自分だけでなく関わっていた人達にも起こるし、今皆さんが普段通 っている喫茶店でも起こりうることと感じています。ぜひこれからも皆さんには喫茶店という場を楽しんでもらえればと思います。 ご清聴ありがとうございました。

主に自分に向けた内容メインとなりますが、見てくださった方に何かしら響くものであればそれもまた良かったと思います。サポートして頂いた分は考えを深めるものに利用していきます。