岐阜ろう劇団いぶき Presents【It's A Small World - 小さな世界】手話で歌おう!

昨年中にこちら美濃市 マツモリビル/Live Spot DiAngelo にて撮影。岐阜県岐阜市を拠点に創設38年の歴史を持つ《岐阜ろう劇団いぶき》レギュラー役者陣による手話歌【It's A Small World - 小さな世界】。後半はメンバーのオリジナル歌詞(替え歌)です。

2018年の舞台公演【チェーホフ短編集 - あきらめない人々】の音楽演出を通しておつき合いが始まって以来、いぶき団員の皆さんとは時にDiAngeloのスペースでもコンパクトな実践を重ねています。セッションの元々の目的、と言うか、座長の河合依子さんとの互いの探究心の接点は、聴覚障害を持つ役者がどのようにして「音楽するか」への率直な意志と行動でした。メンバーが空気の揺らぎと演奏者の呼吸をどのようにキャッチし、演技と融合させるか。演奏者たる自分は、メンバーの身体の動きと表情や呼吸をどのようにキャッチし「アンサンブルする」か。出会ってこれまで、河合さんたちの非常にタフな表現力への尊敬の念と一緒に、一貫した対話を続けています。

コロナ渦中で劇団の本公演が中止になり、昨年のDiAngeloでの地道な実践は今まで以上に感慨深いものになりました。
マスクの常用はろう者の方々が役立てている「読唇術(どくしんじゅつ)」を無効化し、ソーシャル・ディスタンスの習慣は、補聴器やかすかな聴覚でキャッチするべき「隣人の声」をより遠いものにするだろう。今、人と人との間に距離や遮るものがある場合、あるいはリモートツールを使った画面越しのコミュニケーションにおいて、「手話」「身体表現」での意思伝達の必要性が増しているのではないか?との問いが、元々の目的を越えた大切なテーマになって行きました。

劇団の皆さんや手話通訳士さんとの対話・撮影・配信は、今年も継続できたらと思います。広い世界の片隅で。一つ一つは短く小さなものですが。

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