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20210119

ふと夜空を見上げると、いつの時代も変わらないであろうオリオンの三つ星がくっきりと目に入った。いくつか電話が鳴る。そのうちの一つは、明日訪問する予定だった各務原市立中学校の課外授業《アフタースクール》の今月の回がコロナ対応のためお休みになりました、との連絡。学校現場もやむなしか。

こちらの中学校の課外授業で、僕は音楽講座の枠をボランティアで引き受けてきている。時にはピアノを弾くこともあり、CDや音源を沢山携えて音楽鑑賞の時間を設けることもある。
ただ中でもインパクトを感じてもらえているのは「サンバパーカッション」の演奏体験。スルド、カイシャ、タンボリン、ヘピニキ等のバテリア用の打楽器を一式持参し、生徒たちが理解し叩き出すことが可能な範囲で基礎パターンを与える。50分間、時間いっぱい存分に純粋なリズムに身を委ねることが出来るのは、彼らにはとても興味深い経験なのだろう。「やりたい」と希望してくれる子がちらほら見られる。感情の動きを訴えてくれる。嬉しいことだ。前回からバテリア体験を続ける予定で今回も準備をしていた。楽しみだったが、もしかすると来月の回も難しいかも知れない。

昨年、コロナ渦中でも束の間の光がさし込んだ秋期。近隣の小学校の課外授業でもサンバパーカッションの体験ワークショップを計画してくださり、訪問した。小学校5年生児童わずか16名が対象で、場所は静かな山間にある体育館。子どもたちは個々に「今」「何」を体感しているのかを、おそらくマイペースに(気ままに)受けとめられるだけの余裕があった。伝える側の自分にも、もちろん。自然、心地の良い音の重なりを生み出すことが叶うし、個々それぞれに音への手触り感を記憶する。過剰な情報もノイズもない。幼児がいつの間にか身につける言語体系の一片のような、忘れられない記憶になる。それでいい。上述の各務原市立中学校の生徒たちの中にも同じ感覚が現れているように思う。


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