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潔い整数 ー 「博士の愛した数式」




新任の数学教師が
そのクラスで初めての授業をする。

 「ノートはとらなくていいよ」
と話し出すのは、自分の幼い頃の話。
なぜ数学を目指したのか。



家政婦をしていた母と、その“勤め先”のご主人
・・・交通事故から
 「記憶が80分しかもたない」
数学博士のこと。


🎬 あらすじ


不慮の交通事故で、天才数学者の博士は記憶がたった80分しかもたない。何を喋っていいか混乱した時、言葉の代わりに数字を持ち出す。それが、他人と話すために博士が編み出した方法だった。相手を慈しみ、無償で尽くし、敬いの心を忘れず、常に数字のそばから離れようとはしなかった........


🎬 √(ルート)



当時10歳の彼(先生)は

“頭が平らだから”

「√」(ルート)と呼ばれた。
そして母子共々、博士からたくさんの“数”の話を聞く。



大抵の家政婦さんと、大抵の10歳にはついていけないだろう、
整数や
約数や
階乗やら
友愛数の話・・・

なにしろ博士には
1時間20分前の記憶がない。

博士のポケットには、いつも
紙と鉛筆が入ってる。

上着のあちこちに
安全ピンでとめたメモ。

博士にとっては毎日が
事故の翌日。



母は毎朝、出勤すると
玄関先で靴のサイズを尋ねられ

“実に潔い整数”

の話を聞く。




子(先生)は、博士に会うたび

 「実に賢そうな心がつまってるな」

と両手で頭をなでられた。



母子は、お互いに
“博士の前で「その話はもう聞きました」とは言わない”
約束をする。



🎬 80分の豊かさ



「時は流れず」・・・博士の中にはない時の流れも、
周りには、ある。

些細なきっかけから、母は
家政婦としての担当を外される。



だけど子ども(先生)からみれば
博士は友達。
それが、博士の義姉を怒らせてしまう・・・



記憶が
80分しかもたない


一見、不幸そうだけど
80分しかないから
目に入るすべてを
慈しめるなら


ガラクタみたいな記憶に
振り回されるより
ずっとずっと
幸せなのかも。



観てるそばから「もう一回観たい」と思わせる映画も珍しい。

観たいのか、
あの“授業”を受けたいのか・・・

どっちもかな(笑)



数学の“最初の授業”に
この映画みせたら
かなり「効く」んじゃないかなぁ。 
数字アレルギーも治るかもしれない。


もっとも、現場の先生は
その後やりにくいかもしれないね?笑


授業の前に
語りたくなるほど
大切な時間だったのね

あの80分は。


(画像はお借りしました)

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