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与えた者から変わってく終わってく ー「プリンス&プリンセス」



ミッシェル・オスロ監督の
2004年の作品
6篇の短編が収められています


表題作「プリンス&プリンセス」は
一番意外な結末。

考えさせられるお話しは
普遍性を感じますね。





(以下、ネタバレを含みます。お嫌な方は今すぐ画面を閉じて)


☆☆☆☆★

🎬 あらすじ



登場人物は
王女と王子

甘い言葉を囁き合う二人

王子は
「あなたの口づけが私を生まれ変わらせてくれる」とキスをねだる


王女は恥ずかしがりながらも
求めに応じる





すると、王子はなんと
ヒキガエルの姿に。

「ひどい!何をしたんだ!」
王子大慌て。「元の姿に戻してくれ!」ともう一度キスをねだる

王女は「私がヒキガエルに口づけ?ごめんだわ」と
全拒否。



「さっきは何でもするっていったじゃないか!」
と詰め寄られても
変わるわけなし。


ヒキガエルは見てろ。とばかりに
王女の唇めがけてジャンプ!




・・・王女は叫び声と共に
ナメクジの姿に。



「ひどい人ね!何とかしてよ!」と
今度は王女もといナメクジが、
ヒキガエル王子にキスを迫る



「昔からナメクジは大嫌いでね」
と王子も全拒否。


「あなただってヒキガエルのくせに!」
と詰め寄られ、仕方なく応じると

今度はヒキガエルが
蝶に変身します…………………


🎬 口づけは愛?




…王女と王子といったら
イケメンで、美人さんで、非の打ち所のなさそうな…
もしくは悪いヤツ酷いヤツ設定

・・・この作品は
そんな前提全くなし。




口づけが「愛」の象徴なら
愛を与えた者は
その姿をどんどん変えていきます。
まるでそれが本性?かのように。

キスをした者が
どんどん変身していく。



魚になったり亀になったり
見えなくなって、殺してしまったのか?と思いきや、ノミに変身していたり…



王女、王子という呼称からも
おとぎ話の体だけど

この二人のやりとりはまるで
その辺歩いてそうな恋人同士。

キスをした方が変わってく、というのが
与えた通りのものに
己がなるという喩えみたいで
なんやら皮肉たっぷりw


🎬 与えた者から変わってく終わってく



で、最後
王子は王女に
王女は王子に変わります


お互いに
「何これ?最悪!」と叫ぶ

そしてお互い
相手の反応に
「何よ失礼ね!」と憤慨する




王女の姿になって落ち込む王子に
王子の姿になった王女は
こう告げる

「ウシとブタじゃお城に住めない
これなら、二人でお城へ戻れるし
結婚したっておかしくない

私は狩りへ行くから
あなたは刺繍でもして待ってて」




そんなの出来ないよ!
と更に落ち込む王子に

王女は
覚えればいいの、すぐに慣れるから
と慰め


さぁこっちへおいで
私が口づけをしてあげる
と招き寄せる



王女の口づけが
王女の、また王子の姿を
変えたのかどうかは

スクリーンでは明かされません





恋もね
言い寄り
求めて
与えた方から



覚めて
変わり
終わりを見ていくなぁ。

(終わりを見ても、終わらない二人もいる)



恋愛に限らず
与えた者が一番受け取り
変わっていくよね




与えた者が、変わらないわけがない。という
もう殆ど自然の摂理
狙った通りには変わらないのが
ミソだけどw




変わるも変わらないも
どっちもOK!出せるのが
愛ってヤツかしらん。

(写真はお借りしました)

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