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深いところでつながっているー「陰陽師0」

令和の世に


闇が闇として残っていた時代
平安の世から教えてくれる

無意識と意識のハナシ。


🎬 あらすじ


呪いや祟りから都を守る陰陽師の学び舎であり行政機関でもある「陰陽寮」が政治の中心となっていた平安時代。青年・安倍晴明は天才と呼ばれるほどの呪術の才能をもっていたが、陰陽師になる意欲も興味もない人嫌いの変わり者だった。ある日、彼は貴族の源博雅から、皇族の徽子女王を襲う怪奇現象の解明を頼まれる。衝突しながらも共に真相を追う晴明と博雅は、ある学生の変死をきっかけに、平安京をも巻き込む凶悪な陰謀に巻き込まれていく。


🎬 真実と事実の違い


博雅の依頼を
開口一番断り 晴明が語る


真実と事実の違いを
知っているか?

事実とは
あるがままの出来事

真実とは
その人間の主観に基づいて導かれた結論

つまり
個人個人の受け取り方によって
変化する概念であり


呪(しゅ)だ


真実は人の数だけある



…お手玉を鼠に見せて
口悪く説明する青年は
孤高の天才のようにも見えるけれど

陰陽師の仕事に興味を持たず
無くした記憶(父母を殺した男の顔)を探している男

…そんなところに、人間味が感じられる。



🎬 深いところでつながっている


博雅は徽子女王をさらわれ
晴明に助けを求める


晴明は
毎夜見る夢の中の
思い出せない顔を前に

博雅の笛の音で
我に帰る


そして女王は探しても見つからない
(自分たちが無意識の世界にいる)
と気づき

“人はみな、深いところでつながっている”と

博雅に
徽子女王と奏でた調べを
龍笛を吹けと促す


博雅が
無意識の中で徽子女王をみつけ
気持ちを伝え合うシーンは

逢瀬やキスシーンとだけ見てもいいけど
“人はみな深いところでつながっている”ことを
現したシーンと観ると
グッとくるものがある。


徽子女王と博雅
それぞれの”不自由さ”は
現代の閉塞感にも通じて、
(女王の涙の叫びは、同じように感じる人がいるはず)
博雅の、好きをそのまま好きと言えない歯痒さも。

だからこそ、無意識の世界の
ふたりの逢瀬が尊く


現実世界に戻った時
絶対に逆らえない帝の命を受け入れてもなお
微笑み合えるふたりが
まるで恋を成就したかのように見えて。



意識だ無意識だ潜在意識だ健在意識だと
このアタマに知識を散々放り込んだ後で見る
呪(しゅ)の世界は

ワンネスしか見せてくれないのか。


(画像はお借りしました)




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