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瞑想の果ての入口ー「リトル・ブッダ LITTLE BUDDHA」


・・・師の生まれ変わりを探しにやってきた
チベットの高僧達に、街を案内する
子どもの思いつき

I can show you Buddha!
(仏陀を見せるよ)



突然の訪問者が
サフラン色を纏う僧侶で

「あなたのお子さんは
 私たちの先生の
 生まれ変わりなんです」

と言われたら

かなり異次元でしょう。



しかし
何かの示し合わせのように
パパの仕事は失敗し

親友は亡くなる・・・


エアポケットみたいな
心と時間の空き

勧められたブータン行きは
息子の生まれ変わりを
確かめる旅だ



それを
「人生を考え直すいいチャンス」
と捉えられるのは


それすら

“示し合わせ”

なのだろうか?




そして
師の導きか
生まれ変わりは 三人を数え


幼い彼らには
仏陀を知る旅となる




師を探すことで 三人を引き合わせ
そして“無”を教えてくれた先生は


生まれ変わりを 見届けると
自らの意志で
死の境に入る



僧侶でなければ
寿命、といったところか




深い深い、瞑想の果ての入り口

音もないシーンなのに
祭りに 踊り狂う人の姿に
よく似ている気がする




シッダールタが
外の世界で
“死”を知ったように



幼い彼らも
先生の死を見届けると
故郷に戻った




…小さな箱に納められた灰を
 「これが先生」
とママに見せるシーンは 心に残る


“先生”は
己の師の生まれ変わりと
認められた三人の手で
帰った

地に
空に

そして海に。




「中道」を悟ったシッダールタは
村娘が恵む椀を干して

 「私が悟りを開くなら この椀は川をさかのぼる」

とつぶやいて 水面に放し

椀は ゆっくりと
流れに逆らった




“先生”をのせて 水面に放した椀は
流れたろうか。
逆らったろうか。


(画像はwebよりお借りしました)

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