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「仕事」というより「事を成す」。期待値を超え続けたから行き着いた、入社9年目の境地

「入ったときは、社員は10名ちょっと。事業もプロダクトも3つくらいだった」と語るのは、入社9年目の大曽根淳さん。いまでこそ、社員は300名を超え、to Cだけでなくto B、to Eと事業の幅を広げているギフティですが、当時は主力サービスであったgiftee.comや、立ち上げて間もないgiftee for businessを、少数のメンバーで運営していました。
 
そこから大曽根さんは、多くの事業やプロダクトの立ち上げメンバーとして参画。現在では、Platform Management(以下、PfM)室という事業横断型組織の責任者として、幅広くギフティ全体を見つつも、ときにはプロダクトマネージャー(以下、PdM)として、個別にプロダクトや事業を見るなど、多岐にわたって活躍しています。
 
そんな大曽根さんのモットーは「期待を圧倒する」。インタビューを通じて、仕事をする際に意識していること、自身が思うギフティらしさなどについて、ざっくばらんに語っていただきました。

〈プロフィール 大曽根 淳 (おおぞね じゅん)〉
青山学院大学大学院理工学研究科卒業後、アクセンチュア株式会社へ入社。その後事業会社を経て2016年ギフティにジョイン。giftee.comを除くすべての事業に携わり、現在では事業横断組織であるPfM室の責任者として活躍する。

可能性の広さがギフティの面白さ

──大曽根さんの現在の役割や業務内容は、どのようなものでしょうか。

まず所属としては、PfM室です。現在ギフティには、to Cのカジュアルギフトサービスだけでなく、法人向けのgiftee for Businessや、eギフトを通じた地域活性化など、事業やプロダクトが多岐にわたっています。そうした中、事業部をまたいださまざまな課題の解決を図っているのが、この組織です。
 
「デジタルギフト」と一口に言っても、ギフティには、さまざまなプロダクト、事業があり、さらにそれぞれの部署ごとでマネタイズの方法や経理処理の仕方も異なる。また、各事業部のプロダクトは部内に閉じずに、事業部横断でプロダクトをネットワークにしながら新しい価値を作っています。全社的な視点から見て、どのような設計を共通にして、どの部分を部署ごとにするのか、と考えていく必要があるんです。そういうふうに、各事業部を一歩引いた目で見るのが、PfM室、つまり僕の役目。
 
PfM室のメインミッションはチームメンバーを中心に担ってもらっているので、実際には他のことをやっていることが多くて。たとえばM&Aでグループジョインした子会社が扱っているプロダクトのPdMをやったりとか。技術側に軸足を置いて、2023年に立ち上げた海外開発会社giftee Tech Vietnamの組織設計や計画を現地のメンバーと進めたりもしています。

あとはギフティって、基本的に自社サービスを持っていて、それを広く使ってもらうというやり方を取っているけれど、一方で、とくにエンタープライズ系の企業さんの場合などは、会社ごとにシステムを開発することもある。そこでのコミュニケーションとか、議論の取りまとめとかも、担ったりしている。
 
全体を10とすると、PfMが3で、そのほかの個別案件が7って感じの比率です。関わる個別案件も、事業部をまたいだ課題の1つという認識なので。「メインはこれ」というのはなくて、逆に2016年に入ってから、giftee.com以外のすべての事業・プロダクトに携わってきているので、そこでの知見を活かしながら個々の課題に向き合っているという感じですね。

──ギフティは事業やプロダクトが多岐にわたるからこそ、それだけ多くのことに携わるのは難しい。技術や知識が要るし、大変なことだと思いますが、現在のように手広くやれているのは、やはりギフティに長くいた、というのが大きいのでしょうか。

そうですね。入社当初とかは事業開発やセールスに近いロールもやっていたし、システム開発とか運用の設計とか、そういうところも担っていました。広く色々な関わり(マーケット、組織内メンバー等)を持っていたことで、一定の事業理解もあり、組織横断的なことからPdM的なことまで、幅広くできるのかなと思います。
 
過去のギフティは、ひとつのチームがいろんな事業を担っていた。僕が入ったタイミングは、法人開発とか地域事業が立ち上がったばかりで、必然的に一人の人がいくつかを見ることになったんです。

そこから新たに、たとえば海外事業が立ち上がったとかなると、ゼロから人を探すのではなく、立ち上がりきるまでは、いったん自分が事業やプロダクトを見つつ、並行して人を採用したり中から引き上げていってバトンタッチをして、また新しいことに関わって、というのを繰り返して、いまのスタイルに至るという感じです。
 
これだけ広く色々な事業に関与して、こういった立ち回りができるのも周りのメンバーのおかげだと思っています。一方で、こういうスタイルでやっていくことが、ギフティとしてのひとつのキャリアの在り方になるといいなと思っています。

「仕事」というより「事を成す」。“世の中にないもの”を作りたい

──役割をこれと決めず、幅広くやっていくと。お話している感じ、身の軽さというか、柔軟さのようなものを感じます(笑)。

なんか、会社で働いてるってイメージがないんですよね。「仕事」というよりは、もっと抽象的に「事を成す」というような捉え方をしているところがあって。
 
ギフティにはこういうふうに「仕事」ではなく、語弊を恐れず言うと「遊ぶ」という感覚で仕事をしている人は多い気がします。「WORK」というか「PLAY」。だから、みんないろんな方に転がっていく。「好奇心」というワードが、感覚としては一番近いですかね。これがないと、なんというか「期待に応える」だけの仕事になってしまうんですよ。
 
既にある事業やプロダクトを運営していれば、安定的に収益が上がっていく。それもひとつのモデルだと思う。でも僕たちが実現したい世界はそれでは辿り着けない。今まで世の中になかったことをつくっていくことが必要で、そのためには自分たちが考えている期待値を圧倒していく必要があると思っています。そういうスタンスを自分は大事にしたい。

以前、GoToトラベルの案件で官公庁と仕事をすることがあったんです。案件自体のギフティのスコープは、あくまで電子クーポンを配布するコアシステムの提供でした。短納期の中、その「期待値」を満たすだけでも難しかったのですが、GoToトラベル事業の制度設計や運用設計を提案したほうが、キャンペーンに関わるエンドユーザーや加盟店などへ提供する価値が大きくなると思ったんです。

そこからは事務局と連携して事業主体である国の担当者に直接提案をするなどして、制度や運用へ、提案内容が反映されるようになりました。結果、ギフティとして、システムだけではない価値の提供を行うことができ、以後の各事業部の事業推進の一助になれたのかなと思っています。それも期待値を圧倒するというスタンスからの行動だったのかなと。 

──ギフティに長くいる大曽根さんですが、これまで、部下にあたる人間も、大勢いたと思います。そういう中で、なにを教えているか、どういう意識で接しているか、教えていただけますか。

やっぱり大前提には、「楽しく仕事をしてほしい」というのがあります。でもそれはヘラヘラと仕事をするという意味ではなくて。自分で考えて自分で動いて価値を作って提供していく、そういうことを楽しんでほしいなと。

僕らってマーケットの流動性や、その他の変数など、外的要因に左右されることが多い。100%の力でフォーカスしても、この外側の要因によって、良い成果が出ないこともある。そういうときに、自分を責めても仕方ない。楽しくなくなるし、余計成果が出なくなる。
 
だから、そういうことがあっても、ちゃんと冷静に捉えて、落ち込み過ぎないようにというのは伝えていますね。ミスってもいいよって。ミスをしないように、とやっていると、それもやっぱり縛られることになる。「なにかあったら、僕が謝りに行けばいいから」というスタンス。そうやって、なにかに縛られない、しなやかで強いメンタリティを作り上げていってほしいな、と思います。

「ビジネス」と「システム」相反する2つを渡り歩く

──とても楽しそうに仕事をしている印象なのですが、「難しい」「きつい」と感じることはないんですか?

ありますよ(笑)。ユニークな事業だと思っているので、拠り所がない難しさがあります。たとえば具体的な話、PfM室の話で言うと、「ビジネス」上の課題を「システム」に落として解決を図る、というプロセスを踏むんですね。でも、この2つって、相反するものだと思っていて。

「ビジネス」というのは、最終的には人間の機微みたいなものが重要になってくる。一方で、システムというのは、曖昧さが許されない。「0」か「1」であって、ひとつ処理が違うと答えが合わない。「ビジネス」と「システム」は対極の関係にあって、その両方を見つつ、ロジックや優先度が必ずしも一致しない事業部横断で考えるのが難しいなと思います。
 
そういうとき、お互いに寄り添っていくのが大事になる。ビジネスでいうと、やっぱり「100」やりたいと思っても、「100」すべてはできない。リソースも時間も限られているから、本当に必要なことを絞っていかなければいけない。この絞っていくという部分、不必要なことを削ぎ落とすというのが、「戦略」だと思っています。
 
一方、「システム」の側も、曖昧さを許容していくことを目指す。AとBをやれるという要件があって、今後A’とか、B’みたいなものが出てきたときには、その機能を付け加えられるようなシステムの作り方をしていく。いま対象としていることだけでなく、もっと先になにが起こるかを予測していく。でも結局それは「ビジネス」を知らないとできない。そういう意味で、長くギフティにいて、いろんな事業やプロダクトに携ってきたことが生きていると思っています。

──最後ですが、ギフティにはどんなメンバーが入ってきてほしいですか。

しなやかで強い人がいいですね。強情というわけではなく、ときには譲ったり、考え方を変えたりできる人。僕たちはチームで価値を出していく。だけど、そのチームを構成する1人1人は強くしなやかで、お互いに背中を合わせられるような、信頼関係を作れる方がいいなと思っています。

(取材・文・撮影・編集:清水 翔太)