目指すは「企業の保健室」──ギフティ労務担当が語る、“私が常にオフィスにいる理由”
(この記事は2023年に取材・執筆されたものであり、記事内の部署名や役職は当時のものです)
日々活躍するギフティメンバーを、労務担当として支え続けている入社5年目の山本靖代さん。社員のライフイベントからメンタル面までをサポートし、事業だけでなく“人生”と伴走します。
「大きなやりがいではなく、小さな達成感」
そう話す山本さんが、仕事をするうえで大事にしていること、社員と接するうえで意識していることなどについて、インタビューを通じて伺いました。
〈プロフィール 山本 靖代(やまもと やすよ)〉
千葉県出身。情報サービス業や精密機器メーカー、不動産コンサル業などを経て、2019年4月にギフティへジョイン。現在は、Corporate本部 Legal&Corporate Unit にて、主に労務を担当。
「画面越し」や「オンライン上」では、決して分からないこと
──山本さんの、現在の業務内容について具体的に教えてください。
主に、労務に関する業務を担っています。具体的には、勤怠管理や給与計算、福利厚生、労災関連、労務面談、社会保険手続き、入退社の手続き、年末調整など…本当に全般ですね。
労務というと、給与計算や勤怠管理、社会保険の手続きだけをおこなっているイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、実際には全然そんなことはなくて、幅広く裏方の仕事を担っているんです。
もちろん月次業務や年次業務など、コツコツとおこなう定型業務はありますが、それ以上に、社員の皆さんからの相談や直面する問題に対しその都度解決していく、柔軟性の求められる仕事なんです。
というのも、労務は「ヒト・モノ・カネ」で言うと、ヒトに当たる部分。その人その人で、持っている悩みや置かれている状況が異なるので、マニュアル的に「これ」と決めつけていくわけにはいかないんです。
結婚から出産、引越しなど、ライフイベントもそれぞれ。「前回はAパターン、でも今回はBパターン。この人はBに当てはまらないから、Cパターンで考えてみようか」といった具合に、本当に無数にあります。
ルーティンなイメージを持たれがちな労務ですが、「人の数だけ答えがある」という、面白い仕事なんです。
──山本さんが仕事をするうえで、また人と向き合ううえで、意識していることなどはありますか。
時代と逆行するようですが、「常にオフィスにいる」ということを大事にしています。これには、2つの理由がありまして。ひとつ目は「安心感」です。
時代的にはリモートワークが多くなり、もちろんギフティでも、制度として導入しています。合わせて、Slackなどのテキストコミュニケーションや、Zoomなどのオンラインコミュニケーションも主流になってきました。そういう中だからこそ、「誰かが必ずオフィスにいる」という安心感が必要なのでは、と思っています。
昨今では、メンタルの問題なども世の中的には関心を集めていますが、そういったことに関わらず、人それぞれ大なり小なり、固有の悩みを抱えています。誰かに話を聞いてもらいたい、となったとき「コーポレートのデスクに来たら必ず相談できる」という状況があればいいな、と思ったんです。
学校では「保健室」ってありましたよね。そこに行けば必ず先生がいて、話を聞いてもらえる。友達や先生には話しづらいことも、話せたりする。じゃあ企業で言うとどうなんだろうって考えると、それは労務なんじゃないかと。
だからコロナ禍でも、私の場合は基本的に毎日出勤していました。終日リモートというのはほとんどなくて、午前中だけでも来るなどして、「ギフティの保健室」になれるように努めていました。
そして理由のもうひとつは、「対面コミュニケーション」が大事になってきているということ。テキストやオンラインベースのやりとりが当たり前になる中、「画面越し」や「オンライン上」では察知できない、その人の細かな表情や様子などを、労務担当はキャッチしていく必要があると思うんです。
あ、この人普段と様子違うなとか、なんかあったのかなとか、そういうのは対面でないと、なかなか分からない。こういう時代だからこそ、対面コミュニケーションの必要性が際立ってきていると感じます。
労務担当は、入社の際の最初の窓口。事業だけでなく、人生と伴走する
──人によって、抱えている課題や悩みはそれぞれ。そういう中で「労務担当」が、まずは相談の相手になると。
上司やトレーナー、チームメンバー以外にももう1人、気軽に相談ができたり、なにかあったときSOSを出せたりする存在って必要だと思っていて。そう考えたときに労務って、ライフイベントに立ち会うといった面のほかに、「入社の際の最初の窓口」になる、という側面があるんです。
入社する前に案内メールを送って「こういうもの持ってきて」「事前に質問がある場合は聞いてね」とコミュニケーションを取りますよね。だから入社日に会ったときには「初めまして」じゃない。採用や面接担当者の次に会社のイメージを伝える存在でもあります。
で、その窓口だった人が、入社してみると常にオフィスにいて、さらに「保健室の先生」だった、となったら安心できると思うんです。就職や転職、つまり入社の段階から一緒にいて、実際に入社したあとは労務面談などもあって、そこからさまざまなライフイベントにも立ち会うことになって、事業だけでなく人生に伴走していく。
ちゃんと、一本の線になっているというか。断片的に関わるのではなく、細く、長く付き合っていける存在が、労務だと思うんですよね。
それに、そういう風に考えていくほうが、私も楽しいんです。労務は契約を取るわけでもないし、売上を上げるわけでもない。日々のひとつひとつの案件を丁寧にやって、それを喜びとして、モチベーションを保つ。大きなやりがいより、小さな達成感。それをコツコツ積み上げていくんです。
社員からの「ありがとう」は嬉しいけど、一方で「当たり前だよ」と思ってる。その当たり前のうえで、なにをやっていくか、どうオリジナリティを出していけるか、というのを常に考えています。
「私はここにいるよ」定期的な発信で種まきをしていく
──山本さんがいまチャレンジしていることはなんでしょうか。
ひとつは、制度面というか、環境面の整備ですかね。これまで、労務を主に1人で担ってきたために、Aパターン、Bパターンと、「ヒト」の数だけパターンを作ってきた。「点」としてのルールがたくさんあって、それを集約する時間があまりなかったんです。
でもいま、新たな労務メンバーを迎え入れることが出来たため、これからはちゃんと制度面でも整えていく。これまで出来なかった社員へのフォローも、しっかりやっていきたい。あとは就業規則も、改定したり見直したりといったことも、よりこまめにやっていく予定です。
ギフティの場合は、短期的な目線だけではなく、中長期的にどのような影響を与えられるかを考えながら判断している。今後のギフティの成長フェーズに適した、ギフティらしさが出せるようなルールを常に模索していきたいです。
そしてもうひとつは、「種まき」をしっかりやっていきたいということ。「労務は常にいる」「いつでも相談していいよ」ということを、こまめに、ちゃんと伝えていきたいんです。やっぱり、「縁の下の力持ち」的なポジションではあるので、自ら表に出ていかないといけない。
具体的には、こちらから「発信」していくということです。コーポレートからの発信の場というと、メールに限られていたり、お硬い文章だったりするけれど、そうではなく、もっと柔軟に、頻繁にやっていく。
たとえばいま不定期で、学校で言うと「保健室だより」のような記事を、Slack上だったり、外部のサービスを使ったりして、発信したりしている。
季節に合った内容、インフルエンザの話題などをトピックにして、メールマガジン的に配信しているんです。そうやって「私はここにいるよ」と、暗に伝えていく。入社前から、入社してからも、ずっといる。「一本の線」を描いていきたいと思っています。
──山本さんは、今後どんな仲間にギフティに入ってもらいたいですか。
不確実な要素があり、変化が多い環境の中でも、その変化を受け入れながら柔軟にそれを楽しめて、同じ目標に向かって進んでくれる人に入っていただきたい。
物事を機械的に判断するのではなく、常に組織にとって最善はなにか? と検討し続けられる余白を持ちながら、会社の成長に合わせてギフティを一緒に作り上げてくれる方だと嬉しいです。
ギフティのメンバーって、個性は持っていても、ツンツンと尖ったりせず、雰囲気が柔らかくて柔軟性もあるんですよね。その個性と柔軟性で、上手く仕事を進めながら、最終的にはひとつの方向、コーポレートミッションに向かっていく、という感じです。
挑戦の動機は、人それぞれでいいと思います。ギフティribbonを読んでとか、ホームページを見てとか、企業理念に賛同してとか、理由はなんでもいい。私も「直感」だったので(笑)。だからみんな、気負うことなくギフティに挑戦してみてほしいです。
(取材・文・撮影・編集:清水 翔太)