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自分のスタンダードをアップデートし続ける。──M&A/アライアンスの最前線に立つマネージャーのミッション

中長期的な企業価値向上のため、昨今M&Aやアライアンスを推進しているギフティ。M&Aの実績としては、約3年間で、体験ギフトのソウ・エクスペリエンス、カスタムアパレル制作・販売プラットフォームのpaintory、クラフトビールサブスクサービスのmeuronがあるほか、国内外約30社程へ出資を実行しています。
そんなM&A/アライアンスを担当する、コーポレートディベロップメント室のマネージャーとして、日々フロントに立ち、チームをまとめ上げているのが影澤司さん。「激変する環境の中では、常に自身をアップデートをしていくことが大切」と、その使命について語ります。
そんな影澤さんが、仕事をするうえで意識していること、またコーポレートディベロップメント室の役割などについて、インタビューを通じてお話をお伺いしました。

〈プロフィール 影澤 司(かげさわ つかさ)〉
法政大学経営学部卒後、三菱UFJ銀行へ入行。法人営業経験後に投資銀行部門に出向、M&Aアドバイザリー業務を経験。PwCコンサルティングへ転職後は、PMI戦略立案/実行支援に従事し、アドバイザリー業務を経て、ディー・エヌ・エーへ。ディー・エヌ・エーでは資金調達やM&A含めたグループ会社全体における投資・ファイナンス業務に従事後、2022年10月にギフティにジョイン。現在は代表鈴木のもと、アライアンス/投資・M&A検討および推進を担当、企業価値最大化に向けたオプション探索を推進。

出資は、「一方的な評価」ではない。「双方向へのポジティブな影響」が大事。

──影澤さんの具体的なポジション、業務内容を教えてください。

弊社代表・鈴木達哉、直下の組織である、コーポレートディベロップメント室に所属しています。メンバーは私含め3名、兼務メンバーを入れると5名前後の組織です。チームのミッションとしては、中長期の企業価値向上に資するアライアンスを推進していくということ。
短期の収益化に向けたアクションを起こすというよりは、「中長期で見たときに布石になりうるようなこと」という観点で取り組み、自社のアセットやリソースに限らず、外部、他社のアセットを活用したうえで、事業領域を広げていく。チームとしては、そのために、新規領域を探索していくということですね。そのための手段として、事業提携や資本含めた出資及びM&Aというやり方があります。
 
たとえば、直近で出資させて頂いたところでいうと、orosy社というBtoBマーケットプレイスを展開されている企業。「すべてのひとに自由なリテールを。」をミッションに掲げ、小規模メーカーのユニークな商材を取り揃えていて、1万近いブランドをECプラットフォーム上で小売店が購入できるサービスを提供しております。

世界中の商品が手に入り、大量生産・大量消費が一般的な現代において、ブランドや小売店の独自の思いに寄り添ったサービスを提供しているorosy社と弊社が手がけるeギフトの仕組みや流通網の活用・グループ企業との連携を通じて、法人向けギフトやブランド・小売店へのサービス拡充など、新たな事業展開が可能になると考えております。

こういった我々の取り組みが、ブランドや小売店の持続可能な成長の一助となることを中長期では期待しています。

資本が絡む際にもやはり、ただ出資をするのではなく、事業レベルで双方にとっていいシナジーを生んでいく、ということが必要になってくると思っていまして。これらの取り組みを通じて新たなギフトのかたちが生まれたり、ギフティにとっては、事業領域そのものが広がっていくということにもつながっています。

「出資」というと、どちらかが一方的に評価をしている、というイメージもあるけれど、やっぱり双方にポジティブな影響がないと成立しないんですよね。

 
──ギフティが、あるいは企業自体が、M&Aやアライアンスを行う意味というのは、やはり事業領域を広げていく、という点が大きいのでしょうか。

はい。そもそもギフティはギフトの会社で、その性質上、特定の業種・業界に向けて開いているというよりは、全方位に向けて構えています。事業領域を限定することなく、常に広く捉える、というのが前提としてあります。
 
ギフティには「ギフティファイエブリシング」というタグラインがあって、それは「あらゆるものをギフトとして、また気持ちを伝えるためのツールとして捉えたうえで、キモチの循環を生み出していく」という意味と私は理解していまして。
 
誰かと誰かがコミニュケーションを取るツールとして「ギフト」を定義しており、あらゆる場面がギフトを使うオケージョンになりえます。我々コーポレートディベロップメント室も、ここの考えに立脚して日々のアライアンスを推進しています。
 
弊社自体のリソース、人やアセット、資金についても当然ながら無尽蔵ではなく限りがあります。その中で、我々のようなチームが外部のリソースを上手く活用しながら、事業領域を広げていく。将来的に、3年後、5年後となったとき、打ってきた布石が花開いて、事業に貢献してくれる。そのために日々取り組んでいます。

「一次情報で終わらせない」アップデートのために欠かせないこと。

──影澤さんが、日々事業を進めていく中で、またチームのマネージャーとして、普段意識していることなどはありますか。

 自分のスタンダードをアップデートし続ける、ということですかね。
 
不確実性の高い現在の環境の中では、これまで常識だと思っていたもの、定説や前提とされていたものが、一瞬で変わるというゲームチェンジが起きてきます。また、チームのメンバーも一回り以上離れている人もいるなかで、従来の価値観や考え方に縛られていると、メンバーの意見や考え方に目を向けることができず、チームとしての成果を最大化させることができません。常に自身の基準をアップデートしていくスタンスでいることが必要です。
 
では、どうアップデートしていくか、というところで、まずインプットが大事になってきます。日々、書籍などメディアからのインプットは積極的にしているし、社会の動きへのアンテナは張り続ける。日々、様々な業界の方々と接する機会を頂戴している
点も非常に重要です。その領域、その業界の第一線で取り組む方々の話を聞いたうえで、そこでの業界トレンドやKSFがなにか、解像度を上げておきます。
 
インプットしたものをそのまま使うだけだと、血肉にならずただの「知識」にとどまってしまう。その情報が正しいのか、それを自分がどう解釈するのか、解釈したものをどう使うのか、というところが「知恵」になります。そこから知恵をもってアウトプットしたものに対し、今度は周りからフィードバックをもらったり、その反応を通じてアップデートされたりする。そうやって、客観性を持たせながら、ようやく自分の考えが血肉としてアップデートされていくんです。
 
そうしないことには、せっかくのインプットも一次情報で終わってしまいますし、仮にその知識を使っても一発限り、再現性が伴いません。どんなにいい武器を持っていても、上手に活用しないことには仕方がないですよね。とくに我々は、アライアンス先など外部から情報をもらってくる。そういったせっかく頂いた情報を、どういう取り組みに活かせるか、どう社内に還元できるか、と常に考えていく必要があります。

「好きはバラバラでいいけど、嫌いは同じ」このメンバーとだから、やれる。

──とくにここ数年、アライアンスやM&Aを積極的に行っているギフティですが、影澤さんが思う、ギフティの強みはどういうものだと思いますか。

やっぱり、メンバー一人ひとりが、市場や文化そのものを自ら作っていく、という気概を持っているところですかね。みな、目先の利益や自己の利益に走ることなく、ちゃんとマーケットと向き合って、仕事をしている。置かれた状況の中で、どういうアクションを取ればパフォーマンスが最大化されるか、というところを真摯に議論できます。
 
内向きより外向き、短期より中長期、俯瞰した視点で物事を捉えている。そういった価値観を共有しながらも、各人が目指したい、実現したい世界というのはそれぞれあり、それぞれの想いを持って仕事に向き合っています。
 
ギフティには「好きはバラバラでいいけど、嫌いは同じ」という標語がある。「◯◯はやらない」は一緒だけれど、大事にしている価値観は同じ。そういうメンバーが集まっていることがギフティの強みですし、またそういう中で、自分自身も同じ志を持って働けることにとても価値を感じます。
 
──最後ですが、影澤さんはギフティにどんな人が加わってほしいですか。またどのような素養を持った人が、向いていると思いますか。
 
やっぱり、前向きな人ですかね。しんどい場面、上手くいかない場面もいっぱいある。そういう中で、どれだけ頑張れるか。常に明るくいるのは難しいけれど、誰かがミスで落ち込んでる人をフォローしたり、前向きなアクションに向けてお互いを鼓舞したり。そんな価値観を共有できるメンバーに加わってほしいです。
 
あとは、知的興味の幅が広い、かつ一つのことに対しても深掘りしていける人。コーポレートディベロップメントのような部署では、本当に多くの業界・業種の人と関わっていく。食わず嫌いをせず、さまざまなことに関心を持ってほしいです。
 
とくに社会人経験が長くなってくると、気づかないうちに前提や制約を設けたり、先入観が入ったりしてくる。そういったものをアンラーニングして、新たにキャッチアップしていく、というのはやはりハードルがある。そういう意味では、さまざまなことに興味関心を持って、自身をアップデートしていくことに前向きな方に是非ジョインして頂きたいと思います。

(取材・文・撮影・編集:清水 翔太)