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校内研究を可視化する

 今年度の校内研究も終わりが近づいてきています。提案授業もあとわずかとなり、少しずつ次年度を考えるようになってきています。

 私は校内の先生方の時間を、校内研究に少しでも気持ちよく分けていただけるようにと考えて、よくわからない「研究」を見えるようにしたいと考えています。今年度は大きく分けて4つのことを2ヵ所に分けて可視化しました。そのことについて、言葉にしてみます。
 
 1つ目の可視化は、目指す子ども像のイメージです。これが一番最近取り組んだことです。学校教育目標の実現に近づける役割を校内研究にもたせたいと考えていますが、その子ども像は抽象的な言葉が多く、どんな児童の姿を増やせばよいのか、その像が人によって異なっています。そのこと自体は当たり前のことなのですが、問題なのはイメージを共有する時間がないことです。教職員で対話を繰り返し、擦り合わせていくことが理想ですが、年度当初にその時間がとれておらず、どこまで共有できているのかと考えていました。そこで、各学年の研究部会の先生方にそれぞれの学年の子どもの様子でその姿に合う写真を出してもらうようにお願いしました。その写真を、目指す子ども像が貼ってある児童用の昇降口の掲示板に、その子ども像の言葉を囲むように写真をちりばめました。その掲示板を見て、もっと早く取り組んでおけばよかったと感じています。
 子どもの目線もその写真に向けられる中で、目指す子ども像を意識してくれたらと考えています。ただ、一番共有したいのは先生方です。残りの校内研究会や発信できるタイミングで先生方にの目にも触れるようにしていくことで、研究の取組が子ども達に及ぶようにしていこうと考えています。
 
 校内研究を、公開授業での授業研修を軸に進めていくようにします。その授業での子どものよさや共有したい価値について、画用紙1枚に写真と言葉でまとめて、これも昇降口の掲示板に提示していっています。これが2つ目です。今は私が作っていますが、研究部会の役割としてタイミングをみて仕事を振っていこうと考えています。
 
 3つ目について、その授業の協議を受けて、協議会の後にすぐ「研究学年会」の時間を設定しています。そこで話し合ったことを1枚の紙にまとめて、職員室に掲示しています。これも見える化します。この紙には、次の校内研究会までに何をするか、書く欄を設けています。学年で話し合ったことを書いて貼るということは、1つの宣言のようになり、書いたからにはやろうと、行動のきっかけにもなり得ます。

 4つ目は、研究学年会の後に行う個人の振り返りを可視化します。5月に先生方の今年度の個人の課題を設定してもらい、校内研究用の紙に書いてもらっています。その紙の下のところに、公開授業・研究協議会を終えた後に、個人の振り返りをしてもらいます。この振り返りは、年間を通して1枚の紙で完結するように枠を作っていて、これも、職員室の掲示板に貼っています。先生方が、研究会の中でどんなことを学び取ったのか、お互いに見える環境を作っています。
 こうやって、学校教育目標の目指す子ども像に関わる可視化、公開授業・事後研究会の中での、学校・学年・個人の学びを可視化するように努めています。

 校内研究の取組は、形だけを整えようとすることは割とすぐにできるのですが、校内の先生方の思いを同じ目的に向けて進めていくことはなかなかに時間がかかります。今年度、そのことが十分にできているとは全く思えていません。私の校内での行動や発言が少しずつ理解してもらえて、共感してもらえるまでは、時間がかかるものと覚悟しています。ましてや1年で満足のいくところにまで行けるような簡単な仕事でも、私自身にその能力があるとも思っていません。
 ここまでに書いてきた可視化した情報も、どれだけの人に届いているのかは分かりません。見えるようになっていることと、実際に見てもらっているかは、また別の話です。見える=見てる と考えるのは、希望としてはそうなってほしいですが、これから見てもらえるように働きかけていく必要性を感じています。

 なかなか、思いの実現にはハードルが高く、時間と労力を必要とします。が、そのことを楽しみながら進めていくことが、私の目指す研究主任像ですので、継続して校内研究を可視化していきたいと思います。

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