現代社会で甦った日本語「気霜」について
「気霜」とは、吐く息が冷たい外気にふれて白くみえるもの。(学研国語大辞典)
志賀直哉の長編小説『暗夜行路』にはこう書かれている。
「牛は垂れた首を大きく左右に振りながら鼻から出る太い気霜を道へ撒き撒き通り過ぎた。」(後編 三 十四より)
文中には「きじも」とふりがなが振ってある。
しかし、文献によっては「きしも」とも、「きそう」とも書かれている。
あまりにおかしな読みでなければなんでも良いだろう。
この言葉は、広辞苑やネット版辞書であるコトバンクには記載されていない。(