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知的ギフテッドのワーキングメモリーは検査では測りきれない(2)


検査は二次元。知能は少なくとも三次元。検査の数値はあくまでも結果,考える過程が反映されていない。わからないことだらけだから,いろいろと妄想(仮説を立てる)するわけだ。

それを踏まえて

①FSIQ120以上のデータ言語理解>ワーキングメモリー,差を25で見ると出現率が15.4%。
もう一つ興味深いのが流動性推理>ワーキングメモリー,差を25で見ると出現率が14.4%。
それぞれ差を20で見ると出現率が25.2%と19.2%。この程度の差はそれほど珍しくないよ。しばしば見られる差・・・そんか感じ。
これをどう考えるかということなんだが。
②FSIQ90~109群だと言語理解>ワーキングメモリー,差を25で見ると出現率が5.7%,差20で見ると12%。流動性推理>ワーキングメモリー,差を25で見ると出現率が6.3%,差を20で見ると10.8%ととなっている。
さらにIQが低くなるにつれ差が逆転する。
そこに意味があるわけで。ギフテッドの知能というより,知能とは何か・・・それを考えさせてくれる。
ウェクスラー検査では,ワーキングメモリーは処理速とともに補助指標である認知熟達度指標を構成している。
残念ながら彼ら彼女らのエピソードバッファを含む大容量のワークスペースは測りきれていない。検査はせいぜい3成分が測れるだけ,それも聴覚ワーキングメモリがメイン。だから認知熟達度指標なのかと。
仮に,ワーキングメモリーが平均的であれば,言語理解や流動性推理が高い得点をとることは困難なのではと考える。問題が後半になるにつれて大量の処理容量とエネルギーが費やされるわけだ。
だからこそ知能が低くなるにつれて言語理解や流動性推理の得点が低くなっていく。考えることがのがしんどくなるから。処理容量が不足するから。

「WISC-Ⅴ実施・採点マニュアル」参照

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