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憧れの先輩とのありきたりな恋物語




秋が過ぎ、外の空気が痛く感じるこの季節。




顧問:それじゃあ今日はここまで。各自ストレッチをして帰るように。

部員:はい!


〇〇は櫻高校バレー部のマネージャーをしている。




〇〇:田村先輩お疲れ様です!

保乃:〇〇君お疲れー!

〇〇:タオルとドリンクです!

保乃:ありがとうなほんま!助かるわー!

〇〇:いえいえ!今日も大変そうでしたね💦

保乃:ほんま疲れたわー。まあ大会も近いからキャプテンとして頑張らないとあかんからなぁ。

〇〇:流石ですね...。あ、ストレッチ手伝いますよ!

保乃:ほんま?!じゃあお願いしようかな!





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〇〇:よし!これで終わりです!

保乃:お!ほんまに何から何までありがとうなぁ!

〇〇:いえいえ!あ、もう遅いので一緒に帰りまs

△△:保乃いるー?一緒に帰ろーぜー

保乃:あ、△△。まだ残っとったん?

△△:あー、......うん。居残りで練習してた。



保乃の彼氏である△△が迎えに来た。ちなみに野球部のエースらしく数ヶ月前から付き合い始めたらしい。



保乃:じゃあはよ帰ろー!あ、〇〇なんか言おうとしてなかった?

〇〇:...あ、いやな、何にも無いです!お疲れ様です!

保乃:そっか!お疲れー!気を付けて帰りや!

〇〇:はーい......。

(田村先輩には△△先輩がいるんだもんな...。)



ひっそりと保乃に好意を寄せている〇〇であった。




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それから数ヶ月という月日が経ち......。


教師:...であるからして......ここの式を......。

〇〇:(このまま保乃先輩に思いを伝えられずに終わるのかなぁ...。)

教師:...じゃあこの答えを〇〇!

〇〇:...。

教師:おい〇〇!

〇〇:...は、はい!💦

教師:ボーッとしてないで授業中はちゃんと話を聞け!!

〇〇:す、すいません...。

クラス:クスクス( ´艸`)

〇〇:...。(はぁ...。もう諦めるしかないか...。)


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数日前の部活後の帰り道...

〇〇:......そうなんですか!

保乃:そうそう!んでな、この前デート行ってん!!

〇〇:...そ、そうなんですね!

保乃:すっごい楽しかったなー!プレゼントも貰っちゃったし!次のデートの予定もたててん!

〇〇:...すごい幸せそうですね。

保乃:うん!今すっごい幸せ!
〇〇も早く彼女見つけなー??

〇〇:...いい人が居ればいいんですけどね...。

〇〇:(田村先輩が幸せそうならそれでいいや...。)



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午前の授業を乗りこえ昼休み。


〇〇:あ、やべ。弁当忘れた。

‪‪‪✕‬‪‪✕‬:あれ?〇〇どこ行くの?


‪‪✕‬‪‪✕‬は〇〇の中学からの親友である。




〇〇:あぁ、弁当忘れたから購買行ってくる。

‪‪✕‬‪‪✕‬:行ってらー。



〇〇:何で忘れるかなー。まぁたまには購買もいいか...。


〇〇:...ん?



△友1:.......の事......ない.......

△友2:...マジ...........もう......

△△:...あぁ、.......だよw......


購買に行く途中の空き教室で、△△先輩とその友達が話しているのが聞こえた。




△友1:最近田村とはどうなの?w

△△:あぁ...。何か冷めたっていうか最近めんどくさいんだよなーw

△友2:えぇー?w 田村顔は可愛いのに?

△△:んー、正直顔だけだぞw 愛がずっと重いんだよな。何をするにしても連絡しなきゃいけないし、束縛が激しいんだよ。んであんなビッチそうな見た目しといて全然ヤらせてくれねぇしなw

△友1:えぇーw 束縛激しいのだるいなw

△友2:もしかしてもう新しい女見つけてんの?w

△△:あったりめぇだろ?w 一個下の後輩なんだけどすっげぇ優しくてさ、よく放課後学校でヤリまくってるw

△友1:はやっw バレねぇように気をつけろよ?w



〇〇:...。💢
田村先輩の事をなんだと思ってんだ...。💢
クソがっ...。💢




バンッッッッ




話を聞いていた〇〇はいても立ってもいられずその教室へ乗り込んだ。




〇〇:おい!!今の話どういう事だ!!!

△友1:ん?お前誰だ?

△△:...ん?あ、君は確かバレー部のマネージャー君だったね。

〇〇:んな事はどうでもいいんだよ!!今の話はどういう事だって聞いてんだよ!!!

△△:...あぁ〜、どういう事も何も今話した事が全てだよw
保乃は愛が重すぎてめんどくさいんだよwんでヤらせてもくれねぇしwあんなもん誰が好きになr

〇〇:黙れっっっっっっっ!!!!!!!!!!


〇〇は△△の胸ぐらを掴む。




〇〇:田村先輩を物扱いするな!!!!お前に田村先輩の何が分かんだよ!!!田村先輩は本気で△△先輩の事が好きだった!!!!デートに行った事も、プレゼントを貰った事も、△△先輩との思い出をすごい楽しそうに話してくれた!!!!それだけ△△先輩の事を愛してたんだよ!!!

△△:お 、落ち着けって...。


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保乃:あれ?△△どこいったんやろ??お昼一緒に食べようと思ったのにな...




〇〇:黙れっっっっっっっ!!!!!!!!!!




保乃:ま、〇〇?どうしたんやろ?



〇〇の声を聞いた保乃は〇〇の声がする方へと足を運ぶ。



保乃:あ、△△と〇〇や...。ど、どうしたんやろ...。



〇〇:田村先輩を物扱いするな!!!!お前に田村先輩の何が分かんだよ!!!田村先輩は本気で△△先輩の事が好きだった!!!!デートに行った事も、プレゼントを貰った事も......。


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〇〇:なのに!!!!!△△先輩は田村先輩の気持ちも考えずに、愛が重くてめんどくさい!!??  全然ヤらせてくれない!!??   それで飽きたから後輩に浮気!!??  お前の都合のいい女じゃねぇんだよ!!!!

△△:......。

〇〇:自分を愛してくれる人を自分も愛してやれよ!!それが男だろ!!



ガラガラ




保乃:もうやめて...!!




△△:ほ、保乃...。

〇〇:田村先輩...。



保乃:△△...今のほんま...?

△△:......。

保乃:ねぇ!!ほんまなん......?グズッ

△△:......あぁ。そうだよ。
お前の愛が重くて正直めんどくさかった。だから後輩と浮気した。これが全部だよ。

保乃:......最っ低。本気で好きだったのに...。保乃だけやったんや...。グズッ

△△:...。

保乃:......もう二度と顔見せないで。早く出てって!!

△△:......チッ




△△と友達は教室を出ていき、教室には保乃と〇〇だけとなった。



保乃:......はぁ...。

〇〇:......。



〇〇は何と声をかけたらいいか分からず沈黙が続く。




しかし、沈黙を破ったのは保乃だった。



保乃:...〇〇ごめんね?こんな姿見せちゃって。

〇〇:い、いえいえ。僕は全然大丈夫ですよ。

〇〇:いつから聞いてたんですか...?

保乃:〇〇が"黙れっっ!!"って言った時くらいからかな。

〇〇:そ、そうなんですね。すいません、何か。田村先輩の事を悪く言われたのが自分の中で凄い腹が立って...。

保乃:ううん、すっごい嬉しかった。保乃の事をこんなに思ってくれてたんだって。

〇〇:△△先輩とはどうするんですか?

保乃:もちろんもう別れるよ...。また新しい恋を見つけるよ...。



〇〇:...な、ならぼk

キーンコーンカーンコーン

〇〇:あっ...。

保乃:あ、もう戻らなきゃ、ありがとうね、〇〇。

〇〇:......い、いえ!何かあったら何でも言ってください!

保乃:ふふっ。あいつと違って優しいね、〇〇は。じゃあまたね!



〇〇:...はい///


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その日の放課後...

部員:いくよ保乃!!

保乃:うんっ!!



シュッ( ^-^)⊃≡

カスッ



部員からのサーブをレシーブしようとするが的外れな所へ。


顧問:おい!田村何してる!

保乃:す、すいません。

顧問:今日何かおかしいぞ?ボーッとしてるんじゃないか?大会も近いんだから気を抜くな!はいもう1回!

保乃:...はい!お願いします!

〇〇:......。


保乃は今日のこともあり、気が入っていない様子だった。


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顧問:じゃあ今日はこれで終わりだ。ストレッチをして各自しっかりと休めよ。

部員:はい!



保乃:...はぁ。

〇〇:田村先輩お疲れ様です。

保乃:...あぁ、〇〇くん。お疲れ。

〇〇:大丈夫ですか...?

保乃:...うん、大丈夫。ごめんね、大会近いのに失敗ばっかで顧問にも怒られちゃってさ...。キャプテンなのに...。

〇〇:今日は仕方ないですよ...。

保乃:...またストレッチ手伝ってくれる?

〇〇:もちろんです!

保乃:よし、じゃあ始めよっか。


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〇〇:よし、これで終わりです!

保乃:ありがとう。ほんまに助かったわ。

〇〇:いえいえ!



〇〇保乃:...。



〇〇:あのっ!

保乃:ん?どうしたん?

〇〇:今日一緒に帰りませんか...?

保乃:...うん。一緒に帰ろっか!



〇〇と保乃は一緒に帰ることになった。
帰り道もたわいもない話をして各々が楽しい時間を過ごしていた。



そして保乃の家の前へ。



保乃:ここがうちの家やねん。

〇〇:あっという間でしたね...。
僕の家とも結構近いですよ!

保乃:...そうなんや!ほんまに今日は何から何までありがとうな?

〇〇:いえいえ!田村先輩の笑顔が見れたら僕はそれで十分なので...!

保乃:...嬉しい事言ってくれるやん///

〇〇:あ、す、すいません...///


〇〇:じ、じゃあ僕も帰りますね!

保乃:...。

〇〇:じゃあまた明日!お疲れ様です!




ギュッッッ




踵を返して家へ帰ろうとした時、不意に背後からの気配に、優しい香りと共に抱きしめられた。




〇〇:た、田村先輩...?

保乃:...。

〇〇:ど、どうしたんですか...?



保乃:...まだ帰らんといて...。今日は1人になりたくない...。

〇〇:...///

保乃:...今日家に誰もおらへんねん...。



はっきりと言われたわけではないが、〇〇は保乃が何を言おうとしているのか分かった。


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〇〇保乃:......。


保乃の部屋のベッドに腰掛ける2人。
沈黙の時間が続くが何故か少し心地よい。どちらも話しかけることもせずただただ静寂の境に浸る。



ギュッッッッ



〇〇保乃:......///


どちらからともなく手が重なり、視線がぶつかる2人。



保乃:...///


ギュッ


保乃は何かを待つかのように目を瞑る。


〇〇:......ゴクッ




2人の鼓動が共鳴し部屋中を警鐘するかのよう。その音と共に2人の紅潮した顔が刻一刻と近づく。

5cm

4cm


3cm


2cm...




チュッ




ほんの短い間だったが暖かく柔らかな感触と言葉では伝えられない程の幸福感。


〇〇保乃:...///




保乃:......しちゃった...ね...///

〇〇:...そ、そうですね...///


少しの恥ずかしさと多くの幸福が交錯する。



〇〇:...あ、あのっ!


静寂を続かせまいと〇〇が続けて話しかける。


保乃:...どうしたん?

〇〇:い、今更言うのもおかしいとは思うんですが言わせて下さい...。

保乃:......うん。




〇〇:......



『大好きです。』




保乃:......。



〇〇:何があっても一生田村先輩を護ります。もしあの人がまだ頭の片隅にいたとしても忘れさせるくらい田村先輩を必ず幸せにします。絶対に悲しませないです。


保乃:......。


〇〇:もう他の誰にも田村先輩を渡したく無いです。この世で1番大好きなあなたと一生を共にしたいです。



保乃:......。




『僕だけのプリンセスになってくれませんか?』






保乃:ふふっ笑

〇〇:......だ、だめでし...たか...?

保乃:...ううん。〇〇君ってこんなにクサイ台詞言えるんだね、笑

〇〇:ク、クサイ台詞って言わないでくださいよ!こ、これでも心の想いを一生懸命伝えたんですy

チュッ



〇〇:えっ...///




『私だけの王子様になって下さい。』




〇〇:......///

保乃:ふふっ笑

〇〇:...田村先輩...

保乃:保乃って呼んで...?

〇〇:ほ、保乃...///

保乃:なーに?



『大好きだよ。』


〜Fin〜















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