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"勘違い"は恋の終わりと始まり


時刻は18:00。

太陽は西へと消えかかり、青く澄み渡っていた青空は色を変え、紅く染まっている。


〇〇:遥香ー、今日の晩御飯どうする?


遥香:〇〇は何か食べたいのある?




今年から大学3年になった〇〇と遥香。
高校からの同級生で付き合って4年近くになる。




〇〇:んー遥香の作るご飯何でも美味しいからなぁ...。

遥香:えっ!嬉しい事言ってくれるじゃんっ!

〇〇:あ、でも強いて言うなら...今ハンバーグ食べたいかも。


遥香:ならハンバーグにしよっか!



ピロンッ




遥香:ん?

――――テニスサークル(32)――――

××:今日サークルの皆で飲み会しよーぜ!

□□:おっ、いいね!皆強制参加なー!笑

女1:じゃあ駅前に19:00に集合でー!



――――――――――――――――

遥香:えっ...。


〇〇:遥香どうかした?


遥香:...ごめん、今日サークルで飲み会があるらしい...。


〇〇:そうなの?


遥香:うん...。


遥香:ごめん、今日ご飯1人で食べといてくれる?


〇〇:えっ...い、行くの?


遥香:う、うん。強制参加だって言われてるし...。


〇〇:そ、そっか...。


〇〇:ち、ちなみにだけどさ...その飲み会って男子もいる?


遥香:サークルのメンバーだからいると思うよ。


〇〇:......な、ならやめとかない?


遥香:どうして?


〇〇:だって遥香お酒弱いし...男子もいるんでしょ?


遥香:まぁそうだけど...。



遥香はお酒に強くなく、酔うと甘えん坊になるため〇〇は心配している。



〇〇:だから何があるか分かんないじゃん...?


遥香:別に、何も無いから大丈夫だよ?


〇〇:で、でも遥香可愛いから男子はどう思ってるか分かんないし...。

遥香:そんなに心配しなくても大丈夫だって!


〇〇:も、もしかしたら男子が無理やり何かしてくるかもしれないし...。






遥香:......何?私が浮気するって言いたいの?

〇〇:ち、違うよ!ただ俺は、遥香のことが心配で...。






遥香:...そんなに私の事信用出来ない?

〇〇:べ、別にそういう訳じゃないけど...。

遥香:別にサークルの男子とも何にもないって言ってるじゃん。ただお酒を飲むだけなんだよ?別に何かする訳でもないし...。


遥香:〇〇は変に心配し過ぎなんだよ...。

〇〇:......ご、ごめん...。






遥香:〇〇なら私の事信用してくれてると思ってたのに......。


ガチャン


そう言い残し、遥香は家を出て行った。



〇〇:はぁ......。



〇〇は、後悔の念と申し訳ない気持ちに苛まれる。



〇〇:どうしよう...。



いても立ってもいられない〇〇は、遥香に謝ろうと電話をかける。




プルルルル...📞




「ただいま、電話に出ることができません。」



〇〇:そりゃそうだよな...。



遥香に電話も繋がらず、数分前の自分にイライラしだす。



プルルルル...📞



〇〇:遥香っ?!




画面には「△△から着信」の文字。



〇〇:なんだよ...こんな時に△△からかよ...。




〇〇:「...何だよ。」


△△:「あ、もしもーし!元気ー?」


〇〇:「...この声を聞いても元気だと思えるか?」


△△:「んー、思えねぇな!あははっ!」


〇〇:「何も用がねぇなら切るぞ。」


△△:「あーちょっと待って!最近飲みに行ってねぇから飲みに行かない?って言うお誘いをしようと思ってさ!」


〇〇:「...今はそんな気分じゃないんだよ。」


△△:「えぇー?そー言わずにさぁ!一緒に飲もーぜ?」






△△:「〇〇に何があったのか知らねーけどさ、俺で良かったら話聞いてやるからさ!」


〇〇:「......。」


△△:「1人で抱えこもうとせずに、人に話したら少しは楽になると思うぞ?」




1人で思い悩んでいた〇〇にとって、△△の一言が救いの手となった。




〇〇:「......どこに行けばいいんだよ。」

△△:「おっ!来る気になったか!」

△△:「じゃあ、"20:00"に駅前集合で!」












空はすっかりと暗くなり、街中はあらゆる人で埋め尽くされている。



遥香:あっ、いた!


サークルの皆がすでに集合していた。


遥香:皆さんお待たせして申し訳ないです!

女1:お!遥香ちゃんお疲れー!

××:よし!じゃあ皆集まったし行きますか!

遥香:今日どこに行くんですかー?

××:最近新しく出来た居酒屋 "乃木屋" に行くつもりだよ!







駅から離れ、赤提灯が多く並ぶ飲み屋街を少し歩くと、いかにも新しく建てられた感じのある居酒屋があった。



カランカラン



サークルのメンバーがそれぞれ席につき、各々飲み会を楽しんでいく。



女1:遥香ちゃんってほんとに可愛いよね!

遥香:いやいや...!私プラモデル作るんで!

女2:何それーっ!どういう事?!笑

女1:遥香ちゃんって可愛いし面白いよね!笑

女2:彼氏さん凄い幸せだろうな〜!


遥香:そ、そうですかね...あはは...笑


女1:最近はどう?彼氏さんと順調?

遥香:......じ、順調ですよ!毎日が幸せです!

女2:いいなぁ〜!私も彼氏欲しいなぁ...。

遥香:......。










飲み会も盛り上がり、皆お酒の酔いが少し回ってきた頃...。



××:うわ、もう"20:00"か!

じゃあ、そろそろ皆酔ってきたと思うので、


××:恒例の......



王様ゲーーーム!!!




遥香:......えっ!?

女1:そんなんやった事ないでしょーが!笑

女2:何が恒例だ!

××:良いじゃねーかよー!


女1:...まあ、いいけどさぁ〜笑

女2:私も酔っ払ってるしいいよ〜笑


女1:遥香ちゃんも参加するよね!?

遥香:えっ...。

遥香:わ、私は辞めとこうかな...笑

女2:えぇー?やろうよ!絶対楽しいよ?

遥香:で、でも......。

女2:何かあったら私達が守るから!笑

遥香:......わ、分かりました...。


先輩という事もあり、断れなかった遥香は半強制的に参加することに。


××:じゃあ王様ゲームはじめまーす!

皆:いぇーい!👏

××:みんなくじ引いてー!


ガラガラ...


××:よし!王様だーれだ!

女1:あ!私だっ! じゃあ......





王様ゲームが次々と進んでいき、それと共にお酒も進んでいく。


酔いがどんどん回り、段々と制御が効かなくなっていった。



××:もう"20:30"だし、次で最後にするか!

女1:そうだねー!

××:じゃあ皆最後のくじ引いてー!


ガラガラ...


××:じゃあ、最後の王様だーれだ!

□□:はーい!俺だぁぁぁぁ!!

女1:あんた酔すぎ、笑

□□:えっとー、じゃあー...





5番の人と8番の人が "キス" で!





遥香:えっ...!


女1:最後に王様ゲームらしいもの持ってきたね...笑

××:おーい!俺5番じゃねぇかよー!笑

□□:あははっ!おもしれぇ!笑
でも8番女子かもしんねぇじゃん!

××:あ、そっか! 女子頼む...!

□□:5番の人誰ー?











時刻は20:10。


駅前で△△を待つ〇〇。

しかし、10分経ってもなかなか来ない。


〇〇:はぁ......。

△△:おーい!〇〇ー!

〇〇:お前誘っといて遅れるって何なんだよ。

△△:ごめんって!今日ビール1杯奢るから!

〇〇:......それなら手を打ってやる。

△△:チョロっ...

〇〇:あぁ?お前遅れた側だろ、笑

△△:ごめんごめん笑

△△:...でも良かった、お前の笑顔が見れて。

〇〇:えっ?

△△:だって電話した時お前全然元気なかったし、心配だったからさ。

〇〇:......何か△△らしくねぇわ。気持ち悪っ...笑

△△:はぁぁ!? お前俺がどんだけ心配したったと思ってんだよ!笑

〇〇:ははっ笑

〇〇:......まぁ、ありがとうな△△。

△△:おう!



あの頃の陰鬱な姿は消え、△△のおかげで笑顔が溢れる〇〇。



〇〇:ちなみに、今日どこに飲みに行くんだ?

△△:今日は、ここ最近出来た居酒屋に行こうかなって!

〇〇:へぇー、よく見つけたな。

△△:だろー?





少し歩き、店の前に到着。


△△:到着ー!

〇〇:あ、ここか。ここら辺居酒屋多くね?

△△:まぁ、ここ飲み屋街だからな。

〇〇:へぇー、この店の名前

"乃木屋" って言うんだ。

△△:そうそう。この店テレビでも話題になっててさ。

〇〇:そうなんだ。

〇〇:でも、今の時間 "20:30" だぞ? 席空いてねぇんじゃねえの?

△△:もしかしたらそうかもな...。なんか店の中すげぇ盛り上がってるし。

〇〇:まぁ入ってみるか。



カランカラン...





〇〇:すいませーん。今席って空いて......




チュッ






〇〇:...は、遥香っ......?



〇〇は凄惨な光景を目の当たりにする。



遥香:ま、〇〇っ!?

〇〇:........。

遥香:ま、〇〇っ!こ、これは違うのっ!!

〇〇:.........何が違うんだよ。

遥香:こ、これは......その...。

〇〇:......この光景を見て、何が違うって言えんだよ!!


遥香:...ま、〇〇...。


〇〇:......結局、俺の言った通りだったんだな...。


〇〇:......ごめん△△、先に帰るわ...。

△△:お、おう...。


落胆、失望、様々な感情を体現したかのような姿で、〇〇はこの場を去ろうする。


遥香:ま、〇〇待ってよっ...!!

〇〇:やめろよっ!


〇〇は止めようとした遥香の腕を振り払う。


〇〇:......俺はお前を信用してたのに...。

遥香:......。


カランカラン...
















街灯の明かりしかない、少し薄暗い公園を歩く。


〇〇:はぁ.........。

〇〇:結局こうなるのかよ...。


心の底から信用し、何よりも大好きだった遥香に"浮気された"という事実が、〇〇に現実を突きつけた。



〇〇:今日どうしよ..。あの家に帰るのもなぁ...。



〇〇:......実家に帰るか。


遥香と同棲している家に帰るのは胸糞が悪いと感じ、今日は実家に帰ることに。









ガチャッ


〇〇:...ただいまー。

〇母:...あら、おかえり。どうしたの急に?

〇〇:いや、たまには実家に帰ろうかなーと思って...。

〇母:珍しいわね。"さくら"も部屋にいると思うよ?

〇〇:分かった。



"さくら"というのは〇〇の妹で、兄思いのブラコン。

ここ最近は実家に帰れてなかったため、会えていない。



コンコン



さくら:お母さん何ー?

ガチャ


〇〇:...ただいま。

さくら:えっ......〇にぃ...!?


ギュッ


久しぶりに会ったさくらに突然抱きつかれる。


さくら:やっと〇にぃに会えたっ...!

さくら:ここ最近、全然帰って来なくて寂しかった...。


〇〇:ごめんな...。

さくら:たまには帰ってきてね...?

〇〇:おう。


さくら:...でも何で急に帰ってきてくれたの?

〇〇:......たまには帰ってきてもいいかなと思って。


さくら:......。


さくらは疑問の念を抱いたのか、〇〇に疑いの目を向ける。


〇〇:ど、どうした...?


さくら:...〇にぃ嘘ついてる。

〇〇:...えっ?


さくら:嘘ついてる時の目してる。


〇〇:う、嘘なんてついてないよ?


さくら:......さくがどれだけ〇にぃのこと好きだと思ってるの?
さくには嘘なんか通用しないよ?


〇〇:......さくらにはあっぱれだな...笑


さくら:...さくで良かったら話聞くから、何があったか話して?


〇〇:...分かった。







彼女と喧嘩をした事、彼女に浮気されていた事など、今日会ったことを赤裸々に全て話した。








〇〇:...って事があって...。グスッ




話していくうちに何の感情かは分からないが、自然と涙が溢れてくる。




さくら:そんな事があったんだね...。


〇〇:ごめんな、お兄ちゃんなのに泣いちゃって...。


さくら:お兄ちゃんだからって泣いちゃいけないなんて事はないよ。


さくら:今はさくが受け止めるから、たくさん泣いていいよ?


〇〇:...ありがとう...グスッ







遥香への想い、裏切られた事への怒り、悲しみ、込み上げてくる思いを抑えきれず全てさくらへぶつけた。













〇〇:...ごめん、もう大丈夫だよ。少し楽になった...。


さくら:ふふっ笑 なら良かった!


〇〇:...ありがとうな、さくら。


さくら:ううん、さくは全然大丈夫だよっ!


〇〇:...お礼と言っちゃあれだけど、何か1つ言うこと聞くよ。


さくら:えっ?そんなの別にいいよ?


〇〇:いや、さくらのおかげで少し元気になったしこれくらいはさせて?


さくら:......ならさ、明日一緒に買い物行きたい!


〇〇:えっ、そんなのでいいの?


さくら:うん...久々に〇にぃとデートしたいし...//


〇〇:そ、そっか...// ならデート行こっか。


さくら:やったっ...//!























鉛のように重かった時計の針はもう頂点を指している。










〇〇:.....明日さくらとの約束もあるし、もう寝るか...。











プルルルルッ










空虚のような静寂が広がっている部屋に、携帯の音が鳴り響く。










〇〇:...誰だ...?







「遥香」








〇〇:......。





〇〇は無言で電話に出る。





〇〇:「......もしもし。」




遥香:「...もしもし、ごめんねこんな夜遅くに...。」




〇〇:「......今更何なんだよ。」




遥香:「〇〇とちゃんと会って話をしたいの。」




〇〇:「......もうお前と話す事はなにも無いだろ。」





遥香:「違うの!〇〇は誤解してる!」





〇〇:「......はぁ?あんな事しといてよく言えるな?」





遥香:「ち、違うの!あれは先輩がm、」




〇〇:「ごめん、言い訳ならもう聞きたくない。」




遥香:「ま、待ってよ...!」





〇〇:「......もう、俺たち別れよう。」




遥香:「えっ...嫌だよ!別れたくないy、」

ブチッ







ツー ツー ツー










〇〇:...はぁ...浮気しといて何なんだよ...グスッ




〇〇:.....もういいや、寝よう...。






















さくら:...にぃ.........〇にぃ!


〇〇:んんっ......さくらっ...?


さくら:おはようっ!もう朝だよ!




純一無雑で笑みが溢れるほどの、かわいらしいさくらの声で目が覚める。




〇〇:今何時...?


さくら:6時半だよっ!


〇〇:えっ、早くない...?笑


さくら:だって早くデートしたかったんだもん...//


〇〇:...ほんとに可愛いなぁさくらは。

じゃあ、早いけど行こっか。



さくら:えへへっ// うんっ!











さくらとショッピングモールに買い物、という名のデートに行くことに。






















〇〇:朝なのに暑くない?


さくら:ほんとに!溶けちゃうよぉ...。







炎天下の中、仲睦まじい様子で街を歩く2人。







〇〇:今日何か買いたいものでもあるの?


さくら:特に買いたいものは無いかなー。


〇〇:そうなの?


さくら:うん。〇にぃが元気になってくれればいいかなって!


〇〇:...ふふっ、ありがとうさくら。






さくらの優しさによって、〇〇の全壊していた心は建て直された


はずだった...。








デートを終えた時には、あれほど人々を照りつけていた日差しが色を変え、空を柔らかいバラ色に染めていた。


〇〇:もうそろそろ帰るか?

さくら:うん...そうだね。

〇〇:...どうした?

さくら:..もう終わっちゃうなって...。


〇〇:またすぐ行こうよ?


さくら:...いいの? 〇にぃ忙しくない?


〇〇:さくらのためなら予定入ってても優先するよ。笑


さくら:ほんとっ? じゃあ次は遊園地ねっ!


〇〇:おう、分かった。


さくら:ありがと〇にぃっ!




次のデートの約束をし、凄く仲のいい雰囲気で帰っていた時...










遥香:〇〇......?











今、1番聞きたくない人の声が聞こえた。











〇〇:.........。


さくら:〇にぃこの人誰?


〇〇:......知らない、さくら帰ろう。





〇〇は遥香の事を無視し、さくらの腕を引っ張り帰ろうとする。





遥香:待ってよ〇〇...!




遥香は〇〇の腕を掴む。




〇〇:もうなんなんだよ!


遥香:ちゃんと私の話を聞いてよ!


〇〇:昨日も言っただろ。もうお前と話す事は何も無いって。


遥香:だから〇〇は誤解をしてるの!


〇〇:はぁ...。だから、あの場面を見てどこが誤解だって言えるんだよ!




さくら:......〇にぃ怖いよ...。


〇〇:あ、あぁ......さくらごめん。




さくら:......初めまして。〇にぃの妹のさくらです...。


遥香:はじめまして。彼女の遥香です...。


さくら:......この人が〇にぃの言ってた人?


〇〇:...あぁ。  俺が"浮気"された人だ。


遥香:だ、だから浮気なんかしてないって!


〇〇:...お前と話しても、もう埒が明かないよ。


遥香:お願いだから話を聞いて...?


〇〇:...はぁ、もうさくらかえr、


さくら:〇にぃは遥香さんの話をちゃんと聞いたの...?


〇〇:えっ...? そんなの聞く必要もないだろ。

他の知らねぇ男と"キス"してたんだぞ?





さくら:それでも、1度ちゃんと聞いてあげなよ。

〇にぃの1番信用してた人なんでしょ?

〇にぃの1番大好きな人なんでしょ?

〇にぃが遥香さんのこと信じてあげなくてどうするの?


〇〇:.........。


さくら:1回だけ遥香さんとしっかり話し合いな...?


遥香:...お願い。1回ちゃんと話し合おう...?


〇〇:........分かった。


さくら:...じゃあさくは、先に帰るねっ!


遥香:...ありがとう、さくらちゃん。


さくら:いえいえっ!






そう言い、さくらは帰って行った。







2人の間に、少しの無言の時間が流れる。


しかし、その静寂を破ったのは遥香だった。










遥香:...まずは、本当にごめんなさい。


〇〇:......。


遥香:〇〇が心配もしてくれてたのに、あんなこと言って突き放したし...しかも〇〇の信頼まで裏切ってしまって...。
本当に申し訳ない事をしたと思ってる...。



遥香:〇〇に許してもらえるとは思ってないし、許してなんて言わない...。でも、誤解したままなのは嫌だから誤解だけは解きたくて...。



遥香:本当はあの時...







△△:5番の人誰ー?






遥香:...は、はい......。


××:よっしゃー!可愛い子で良かったぁー!!


□□:いいなぁー!俺も遥香ちゃんとキスしたかったよぉ...。


女1:あ...でも、遥香ちゃん彼氏いるじゃん!


遥香:...な、なので私はちょっと...。




遥香は〇〇がいるため、もちろん断ろうとしたが...




女2:まぁ...


「別に、今ここに彼氏いないし良いでしょ!」


遥香:えっ...!?




女2は遥香を守ると約束していたが、酔っていたのもあり簡単に裏切った。





女1:それもそっかー!


□□:えぇーいいなぁ!


××:お前が言ったんだから自業自得だな!


□□:他の男に当たって欲しかったなぁ〜!


女1:じゃあ、遥香ちゃん立って!


遥香:さ、流石にそれはダメです...!


女2:大丈夫!絶対バレないから!


遥香:い、いや...そういう問題じゃなくて...。
本当に嫌です...!


女1:えぇー?なんかノリ悪くなーい?笑


遥香:...すいません、彼氏がいるんでどうしても...。


××:まぁまぁ!いいからいいから!




すると、女1は遥香を無理やり立たせる。




遥香:や、辞めてくださいっ...!





××:よしっ!じゃあみんな手拍子よろしくぅー!



パチ パチ パチ パチ👏


遥香:ほ、ほんとに嫌です...!辞めてくださいっ...!


××:カウント3秒前ー!



3



2

1

遥香:い、嫌だっっっ...!







〇〇:すいませーん。今席って空いて......








チュッ










〇〇:...は、遥香っ......?





遥香:......って事があって...。




強制で王様ゲームが始まったこと、無理やりキスされたことなど、今日の飲み会であったことを一から全て話した。




遥香:...本当にごめん!私はずっと断ってたんだけど...無理やり先輩にキスされて......。

最初から〇〇の言う事を聞いていれば、こんな事にはならなかったんだけど...。



〇〇:......。



遥香:もう今更許してなんて言わない...。でもこれだけは伝えたかったから...。グスッ



遥香:......ごめんね、〇〇。

そして、今までほんとにありがとう...。グスッ





遥香はそう言い残し、来た道を戻ろうとする。







ギュッ








遥香:ま、〇〇......?


〇〇:......ごめん、遥香...。


〇〇:......勝手に勘違いして、遥香の言う事も聞こうとせず、別れようとして...。


〇〇:遥香の事を信用出来なかった...。
本当にごめん......。


遥香:......。


〇〇:...本当は、俺も別れたくなかった...。でも、あの光景を目の当たりにして...頭が真っ白になって...。


〇〇:こんだけ大好きで、信用してた遥香に浮気されたんだって...もう二度と、あの幸せだった生活に戻れないんだって...。怒りも当然あったけど、それより自分への悔しさの方がk、



遥香:...もう大丈夫だよ?〇〇の想い、ちゃんと伝わったよ。




遥香は〇〇と向き合う。




遥香:私もやってしまったことは許されない事だし...〇〇の事を信用出来てなかったのは私の方なのかも......。



遥香:......本当にごめんね?








ギュッ







自然と、2人は再びハグをする。








〇〇:本当に勝手だけど...




〇〇:もし、遥香が良かったら...





俺ともう一度やり直して欲しい。








遥香:......こちらこそ、またよろしくね?






2人はしばらく見つめあったまま...






〇〇:もう次こそは、絶対に離さないから。




遥香:......当たり前じゃんっ。笑






〇〇:......遥香。




遥香:......なに?









夕暮れ時


視界の端で見えていた


2人の影が1つに重なった瞬間だった...。





𝑭𝒊𝒏.

ラギさん改めておめでとうございます🎉


〜あとがき〜

ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。
「おい鶯!これで自信作かよ!」と思われた方申し訳ないです...💦
本来書きたかった内容と全然違う作品になってしまいました...。

本当はもっと内容を凝りたくて...伏線を散りばめて後で回収するみたいな作品を、書いてみたかったんですけど僕の技量ではまだまだ出来ず、書いているうちに頭の中がごちゃごちゃになってしまったせいで終わり方も凄い雑になってしまいました...笑
バッドエンドだけは避けたかったので無理やりこういう展開にしました。

〇〇が悪いのか、遥香が悪いのかは皆さんの捉え方次第で...笑

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