母と歌えば2024④

日曜の夜、電車に乗っている時、スマホに母から着信があった。
「今、電車に乗ってる。」
と伝え、降りたら電話する、と言うと母は
「10分くらいたったら、お風呂に入るから、補聴器外しちゃうよ。」
と答えた。
 その後息子からの
「牛乳買ってきて。」
というLINEに気づいた。改札を出たところにある成城石井で見ると三百円くらい。高いなぁ。でも、時間は午後九時。コンビニには小さいサイズしかないかも知れないし、閉店してしまったら困る。私は渋々、三百円超えの牛乳を買った。
 店を出ると目の前にバス。日曜の夜はバスの本数が少ないから、これに乗らないと、ずいぶん遅くなるだろう。
私は急いでバスに乗った。
「あ!」
母に電話をしていない。困ったなぁ。
私はバスを降りてから、母に電話をした。
「もう補聴器外しちゃったから、一方的にしゃべるね。」
私は翌日の十一時に母のところに行く約束だったのだが、母は夜になってから、以前治療した歯が取れてしまい、困っているのだという。
「朝、歯医者さんに連絡してみるから、私が連絡してからウチに来てね。」
「わかったー」
私の声は母に届いたのだろうか?
こんな会話なら、電車の中でもさほど迷惑じゃないかも。てか、電車の中で通話をすると迷惑だからやめましょう、というのは、今でも常識的なマナーなのだろうか?
 翌日、母から
「歯医者さん、10時半に診てくれるそうなので、十二時頃来てください。」
 とのメールが届いた。十二時過ぎに実家に行くと、母はもう帰ってきていた。母は私に歯が取れたところを見せながら
「ここが取れちゃったんだけどね、根の治療をしなくちゃいけないそうで、そんなに簡単には治らないみたい。」
そうだよねー。歯の治療って大変。
 母は、もう昼ごはんを用意してくれていた。卵の入ったサラダ、クリームシチュー、オクラと山芋の和え物も体に良さそうだ。
「今日は歌の練習、体操だけにするー」
いいよー、別に。

この日も美味しいお昼ご飯でした。

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