母と歌えば2024③

 今朝、母に11時頃お邪魔します、とメールしたら、
「覚えてたんですね。お待ちしています。」
との返信。母は少しばかり人が悪い。もちろん、先週約束を忘れていた私が悪いのだけれど。
「昨日、プールへ行って、泳ごうとしたんだけど、ちっとも泳げないの。五十メートル泳ごうとしても、二十五メートルでターンした後、すぐに立ちたくなっちゃって。他の人に笑われちゃうから、泳ぐのはやめて水中ウォーキングしようとしたけど、やっぱりまた、すぐくたびれちゃって。」
母は去年の十月から約三ヶ月、風邪が治らなかった。数日前には、足がつったと言う。体力の低下もあるだろうが、つった足の痛みのせいで、泳ぎにくいのかもしれない。私も去年のクリスマスイブにひいた風邪がまだ、完全に治りきっていない。まぁ、私は普通に元気だし、歌さえ歌わなければ、なんの問題もないので、もし医者に行っても
「歌わなければいいじゃないですか。」
と言われそうだ。私にとっては大問題なんだけど。
 まぁ、それでも、声の出づらい音はほんの少しなので、とりあえず母のボイストレーニングを始めた。体操をして、顔のストレッチ、呼吸のトレーニング、そして発声練習。歌は『雪の降る街を』を歌った。最初、マイナーで途中からメジャーに変わる曲。
「くたびれる歌だね。」
歌い終わると母はそう言いながら、同じ曲を鼻歌を歌い始めた。まぁ、いいや。そうやって、歌ってくれれば。
 『ブギウギ』を見ながら、昼ごはんを食べた。母は昭和十年生まれで元看護師だから、このドラマの時代考証には厳しい。
「愛助さん、結核で薬がないって言うけど、昭和二十年にはストレプマイシンはもう、あったはずよー。」
そんなこと、私にはわからないけど、薬があってもなくても、この人のモデルになった男性は自分の子供に逢えないまま亡くなった、と言うのが本当のことなんだから、仕方がない。
 今日のメインは煮物。他にも小皿に入った料理が色々。
「腐ってないかしら?」
なんて言う。一人暮らしだとなかなか、一度作ったものを食べきれないのかも。
「煮物、持って帰る?」
はい、喜んで!


しらすご飯もおいしかった。

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