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最後の三助さん3

さて、背中を流す。

大抵の客は、風呂に浸かり、程よく温まったあと、最後に三助さんを呼ぶ。
そして体をしっかりと洗った上で風呂から上がる。

馴染みの三助さんであれば、昨日何を食べた、女房の下っ腹がどうこう、など軽口を叩きつつ、体を拭き、浴衣を着る。
ここでも三助さんはその動作を手伝ってくれる。
現代の我々からすれば、それぐらい自分でやればいいのに、とか思うかも知れないが、当時は三助さんの仕事であった。

そしてここから、マッサージである。

銭湯には、2階があって、そこが憩いの場となっていた。
休憩場である。
博打をするもの、隣の鰻屋から出前をとるもの、過ごし方は様々であるが、その一角に、三助さん専用マッサージ場があった。

これは現代でも見かけるスタイルである。
温泉の一角にマッサージ師さんがいて、料金を支払えば一定時間マッサージを受けることができる、のに馴染みはあるだろう。
その先駆けが三助さんであった。

ただし、ここからやや声のトーンを落としますが、決して大広間の一角というわけではなく、個室に近い形態であった。そこでマッサージと言いつつ、性的なサービスが始まるのである。
全て、毎回、というわけではない。
健全なマッサージの場合もある。
統計をとっているわけではないので、詳しいことはなぜであるが、いつくかの証言がある。

証言をつなぎ合わせると、3割程度はそういうモゾモゾ、があったようである、としか言えない。

その内容は差し控えておこう。

少なくとも、教科書に書く内容ではない。

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