菜の花としらすの餃子
気が利いている。
ちょうどビールを流し込み、喉の渇きが落ち着いた頃である。
気の利いた肴が欲しかったのは事実。
しかし、それに応えるポテンシャルを持っているこの店は信頼できる。
町屋を改良した店ということである。
狭い店内は、五人も入れば窮屈になる。
けれど、懐の広い料理を提供すると話題である。
話題になっているだけに危険であった。
噂が先行することも多々ある。
噂を信じてやってきたものの期待が高まっているのは必至。
それに応えるだけの何かを持っていることが店が続くための条件である。
面白い、と思った。
少なくとも、俺の問いに対して真っ向から答えている。
生真面目さが、勿体無いぐらいだ。
いいや、それでいい、無骨な職人の味を追求すればいい。
何も考えなくていいのだ。
「それはつまり、キャラクター事業から撤退しろと?」
その通り。
粋な小料理屋にオリジナルキャラクターはいらない。
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