空想党宣言⑥(ベーシックインカム立国)

    (このお話は空想です)

昔よく聞いたフレーズ、
貿易立国、技術立国。
高度成長、メイドインジャパンの威光を象徴していた言葉です。

日本人は敗戦を乗り越え、造船、自動車、家電などで技術立国を実現し、国民は貿易黒字の果実にも預かり、物質的に豊かになっていきました。
言葉の違和感は全くありません。

次に、観光立国という言葉を聞くようになりました。
インバウンド、おもてなし、円安。

貿易立国に比べると力強さは劣りますし、一般人が分配の果実を受けている感じはなく、どちらかというと円安で購買力が棄損されたという思いもあります。

日本人が旅館を予約しづらくなる、宿泊料がはね上がるなど、観光立国の是非はともかく、実現の途上にはあり、違和感はありませんね。

ところが、すこし前に、
資産運用立国
というフレーズを聞きました。

正直な感想を記します。
アメリカやイギリスの真似ですね。
あと、リスクがあるのにどうして?と感じます。

預金なら、預金保険があり、元本保証してくれています。一生懸命働いた成果が棄損されないように。

ところが、資産運用は自己責任で、かつ元本保証ではありません。

運用に失敗したらどうするのでしょう。
ゼロになる確率は低く、儲かる確率もそれなりにあります。でも、一生懸命働いて手にいれた果実が減る確率も相当あるのです。

国家は、ついに国民を保護する責任を放棄してしまったのですね。

近い将来の話として、多くの国民はおそらくもう、こう考えています。

財政が破綻した国民に、年金運用の失敗がのしかかる。
預金に安住する国民には、インフレと円安がのしかかる。
そして、いつか資産運用の失敗ものし掛かる。

生活保護などのセーフティネットが機能しているうちはいいのですが、財政破綻が近づくと、税が増え、給付が減らされ、最後はスッカラカンになるのは、敗戦直後の混乱の歴史が証明する通りです。

そこで提案します。
ベーシックインカム立国を宣言するのです。

ベーシックインカムの実現には、毎年百兆円以上が必要という試算がありますが、議員や公務員、税金に群がる人々の人件費が縮小するので、資産運用(国民ではなく政府が行うもの)が成功すれば何とかなるのではないでしょうか。

聖域とよばれている分野には、実は壮大なムダが隠されているのです。
世には、無くなっても、実はあまり困らないことだらけなのですから。

何しろ、すでに日本銀行が実質的に国債を引き受けているにもかかわらず、何も問題は起きていません。多分、永久国債を発行しても大丈夫でしょう。

国民を守る、国を守る と政治家は演説でよく連呼しますが、今こそ真に国民を守る、ベーシックインカムを実現すべきと空想党は空想する訳なのです。






















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