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2024/09/30の日経新聞を読んで

自民党の石破茂総裁の安全保障政策を巡る発言が日米間に波紋を広げ始めた。米シンクタンクへの寄稿で日米安保条約の改定を主張し、同盟関係を見直す方針を示したためだ。アジアに相互に防衛し合う枠組みが必要だとも提起した。記事を要約すると共に所感を述べたい。

  • 石破氏は米シンクタンクのハドソン研究所が27日にウェブサイトに掲載した寄稿で、米軍の対日防衛義務などを定めた日米安保条約の「非対称性」に触れ「改める機は熟した」との認識を示した。

  • 米国の核を日本に持ち込ませる必要性にも触れた。かねて米国の核使用時の意思決定に日本も関与する「核共有」も唱えている。

  • 29日のフジテレビ番組で在日駐留米軍の法的特権を認めた日米地位協定の改定を改めて訴え、在日米軍基地の管理への日本の関与や、米国に自衛隊の訓練基地を置くことを提案した。

  • 石破氏が提起する同盟見直しは中国の軍備増強といった厳しい東アジアの安保環境を踏まえた発言とみられる。

  • 実現可能性が低そうなことを発信し続ければ米国の信頼を失うリスクを伴う。

  • 総裁選で掲げた東アジアにNATOのような集団防衛の仕組みをつくる「アジア版NATO」構想にも懐疑的な見方が広がる。

  • 日本は現在、安保関連法に基づき、存立危機事態と認定したときに集団的自衛権の限定行使ができる。

  • NATOは加盟国への攻撃を枠組み全体への攻撃とみなして攻撃を受けた国を援助する集団的自衛権を持つ北米・欧州の軍事同盟だ。

  • アジア版NATOをつくっても相互に防衛する仕組みなら、現状の日本の自衛権の定義では加われない。交戦権を認めない憲法9条との整合性も問われる。

  • 米国が地位協定の見直しに同意する可能性は100%ないとの見方も示し「石破政権が米国との対話で優先事項に挙げれば、同盟関係に摩擦が生じる」と分析する。

  • 慶大の神保謙教授は「15年に安保関連法ができ自衛隊の役割など色々なことが動いた。石破氏の発言は時間が止まったままの印象だ」と話す。

【所感】

アジア版NATOの実現は素人ながら非常にハードルが高いように思える。そもそもNATOは加盟国への攻撃は枠組み全体への攻撃とみなし、反撃する。それこそ台湾がアジア版NATOに加わり、中国から攻撃を受けた場合、日本との戦争になる。
台湾有事への抑止にはなると思うが、いざ攻撃を受けた際に日本はアジア版NATOとして、戦争状態になる。ハードルは高いだろう。

また、日米安保条約の改定も米国が簡単に首を縦に振るとも思えない。現在揉めているUSスチール買収以上に反対されるだろう。米国は世界一の国であり、優位性を保ちたいはずだ。英米の様な完全な平等条約を臨むのはもちろんだが、石破氏の手腕が問われる。

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