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2024/10/01の日経新聞を読んで

日立造船は30日、およそ80年掲げた社名を下ろした。日立製作所グループでも造船業でもなくなり、脱炭素技術を事業の核とした会社をめざし、10月1日付で「カナデビア」に改める。ところが、歴史的な日を目前にして船舶用エンジンの燃費や排ガスのデータ不正が発覚し、環境企業としての再出発に水を差した。記事を要約すると共に所感を述べたい。

  • 新社名のカナデビアは、脱炭素技術で人類と自然の調和を「奏でる」目標と、道を意味する「ビア」を組み合わせた造語だ。

  • 日立造船の歴史は、1881年に英国の実業家、E.H.ハンター氏が船舶の建造・修理などを手がける「大阪鉄工所」を設立したことに始まる。

  • 1936年に日立製作所の系列に入り43年に現在の社名となったが、終戦後の財閥解体で47年に日立系列から外れた。

  • 国内初のタンカーを建造するなど技術力は高く、70年ごろまで造船事業は隆盛だった。やがて韓国・中国勢との競争に苦しむようになり、2002年に事業を切り離した。

  • 造船などを縮小する一方、事業の柱にしてきたのがごみ焼却施設などの環境装置だ。現在は売上高の7割を占める。

  • 人口減が進む日本ではごみ焼却の需要減が見込まれるなか、海外市場の開拓とともに脱炭素技術の事業化に力を入れてきた。

  • 社名の刷新には近年苦戦する採用をテコ入れしたい狙いもある。

  • 手を打ちつつあった変革に水を差したのが、7月に発覚した船舶用エンジンの燃費データ不正だ。

  • 1999年以降に出荷した約1400台ほぼ全てで試運転時の燃料消費量を書き換えていた。

  • 日立造船は「調査が継続中で、現時点では関係者に正確な情報を提供するのが難しい」として、事態を説明する記者会見も開いていない。

【所感】
日立造船といえば、私もその名前に釣られて、新卒時代はエントリーをした記憶がある。しかしながら、日立製作所の造船部門なのかな?というレベルの誤った知識しか無くて大変恥ずかしい。

売上高の7割は脱炭素事業を核としたゴミ焼却炉等の環境装置だという。日本は人口減少が止まらないため、海外市場への開拓を進める。そういった意味から、造船業はコア事業でも無いし、1947年の時点で名前は残っているものの日立グループから外れている。

本日から会社名をカナデビアと心機一転したものの、7月の船舶用エンジンの燃費データ不正が大変遺憾であり、しこりが残る。会見も開いていないというのだから、膿を出し切った新たな船出にして欲しかった。カナデビアの船旅は今始まる。

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