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家がなくなるまで-1

こんにちは、わがぶたです。
小学生低学年の男の子とふたり暮らしをしているシングルマザーです。

前回の自己紹介(にしては長い前説)にて、私たち親子に去年なにが起こったのか、ざっとお話させていただきました。
今回は、実家からの独立から家を失いホテル暮らしになるまでをお話したいと思います。
分割して3〜5くらいでお話できればと思います。

「やった〜!実家から出れた!よしよし、ここからだ!」と輝かしい一歩を踏めたと勘違いしていた私の鼻を見事にへし折られたといいますか。突然崖下に突き落とされた私と子の感情の落差が激しかった故、少し長くなりますがお付き合いいただけますとうれしいです。
(不動産屋さんとの戦いはまた別枠でお話させていただければと思います。どこかのどなたかのお役に立てなければ、という使命感もあります)


7.20
子どもの夏休み開始を待たずして、終業式当日に飛行機に乗って上京しました。

引越し当日ではありましたが、実はこの日がアパートの部屋との初対面でした。
これから子どもと暮らしていくだろう部屋は、築30年越えのリノベーション済物件でした。
小学生男の子と暮らす部屋を探すのは非常に、ダーツ初心者がいきなり中心に矢を射るよりも、なんなら簿記の資格を取るよりも難しかったのです。
知識を積んでいけば良い物に出会えるわけじゃなく、正しく運と縁でした。

「男の子が一緒なのは……女の子ならまだね」
「2階しか空いてなくて足音が……」

暗に諦めろと、何度も断られました。そんな中出会ったひとりの不動産担当者の方のお陰で、負けじ魂を燃やすことができました。
そうして部屋探しを始め2ヶ月が経った頃に出会ったフルリノベーション物件。家賃は予算より下で、小学校から徒歩10分内。
実物を見ていなくてもリノベーション終わっていなくても「ここだろう!」と決めました。

飛行機とバスを乗り継いでたどり着いたアパートの部屋は、想像以上にきれいでした。
1階でしたが2DKを1LDKにリノベーションしていたお陰で広さも申し分ないですし、子供部屋もあるから子どもが大きくなってもここで良い。
トイレも広くてきれい、お風呂も十分。
新品のシステムキッチンに、4年分の貯金から予算内で一生懸命選んだ家具家電を合わせて。

この上京のためにリモートワークに転職していましたが、さすがに引越し当日はお休みをもらっていました。

「早く引越し終わらせて稼がないと!」

とにかくやる気に満ち溢れていました。
完成した部屋を見て感動する間もなく市役所、小学校へと走り回り週末を終えました。

私はリモートワークですし、子どもも私とふたりで居ることに慣れていたので学童へは通わせない選択をしました。
引越しも予定通り終わり、日常が始まります。子どもは新しい学校の宿題をして、私は仕事。
お昼も一緒に食べて、夕飯も一緒に食べる。
夜は30分ほど一緒に桃鉄をして、寝る。

実家にお世話になっていた頃にはない責任感と充足感で周りがかすみ、気付きませんでした。
ひっそりと空いていた大きな穴に。

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