三補選について③島根1区

 前議員の死去に伴う衆議院議員補欠選挙島根1区(松江市、安来市、出雲市の旧平田市地域、雲南市の旧大東町・旧加茂町・旧木次町地域、仁多郡、飯石郡、隠岐郡)

当 82,691 亀井 亜紀子 立元
  57,897 錦織 功政  自新

立憲民主党の亀井候補が勝利です。

 亀井候補は参議院議員、衆議院議員、国土庁長官、国民新党幹事長、総務省顧問などを歴任した久興氏(自由民主党、国民新党)を父に持ちます。いわゆる世襲議員です。
 前回選挙は66,000票余りで落選していますが、今回、1万6千票余りを上積みできました。今回の選挙は自民党前議員の死去に伴うものでしたが、「弔い」の雰囲気に流されずに堅調に支持を集めました。

 錦織候補は、前議員の後継として初の選挙でしたが、5万7千票あまりと落ち込みました。今回の出馬もきちんとしておけばと思う所がありました。 

 昨年の事です。前議員が療養中にもかかわらず、議員継続の意向を記者会見で発表したのですが、その1か月後に死去しています。その経緯も自民党に対する不信感につながったものと思われます。後継できる人物がいないと いうイメージを作り上げてしまいました。錦織候補はいわば「貧乏くじ」を引いたような形となりました。前議員が「次の選挙は錦織」と話していれば、展開は違ったかもしれません。

 亀井候補は自民の敵失がありましたが、票を上積みできました。父が元自民党であったこともあり、新たな選択肢として投票しやすい名前であったことも良い方向に向かいました。

 錦織候補は自民党支持層の大部分を固めましたが、敗れています。これは自民党の組織力が大きく落ち込んでいると思われます。前議員がか細い声で議員継続を宣言している姿を見て幻滅し、いくら動員をかけても思うように集まらなかったのではないでしょうか。旧統一教会や裏金問題も明確な形の対策も取られていなかったことも影響しています。

 島根は元総理大臣の竹下登氏の地盤でもありました。自民党が強い地域で、公認候補が敗れるという事は衝撃的な結果です。これまで野党は都市部でしか戦えませんでしたが、自民党の強い石川県や富山県のような「王国」にも何らかの形で影響が出てきそうです。

 

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