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豊かな人脈から経験が広がる国

すっかり久しぶりの投稿になってしまった~!!

1か月の一時帰国が想像以上にあっという間に終わり、セネガルに帰ってくると日差しが強く娘も頭にぺったりと汗をかく季節に入ってしまった。

セネガルに帰ってくると思いのほか落ち着いた気持ちになっている自分に少し驚いた・・・
でもやっぱり日本の方が何もかも物が揃うし交通の便も良く、何かと不便に感じることもある。

一時帰国前、私の住むアパートが位置する通りすべての建物でインターネット接続ができなくなった。

「ああ、この国だとこういうことあるよね」と諦め半分おとなしく修理を待つこと丸一週間。長かった...

そして一時帰国から帰ってくるとリビングのエアコンが故障していたので暑苦しい生活を送っている。
修理依頼から1週間経ったが音沙汰なし、まあしょうがない。
家中の窓を開けて必死に風を通している。


そんなアナログ?で頼りたいものに頼れない生活をしながら、セネガルのより広い意味での「アナログさ」を頭の中でちょっと振り返っていた。


知り合いの知り合いだからこそ受けられるサービス

セネガルで有名な特産品の一つが、いかにもアフリカな、原色が多く派手な色使いではっきりとした模様が特徴の布だ。

お土産に買い漁ったセネガル布のバッグ

近年、お高いセレクトショップやデパートでもアフリカ布を使った商品を目にするようになり、日本でもおしゃれ・個性的・新しくて魅力的なものとして広まってきている気がする。


私も先日、せっかくなので好きな布で仕立て屋さんに服を作ってもらうために生地を探しに行った。

向かった先は、主に布や雑貨を売っている路店や建物ががぎゅうぎゅうに並んでいるマルシェ・サンダガ。

わけもわからず一人で行くと四方八方から四六時中声をかけられ疲れるので、よく通っているイタリア人の友人に馴染みのお店に連れて行ってもらった。

店内は床から天井まで何十種類、いや何百種類もの布が敷き詰められている。

こちらはかなり綺麗に整理されているお店のほんの一角
色とりどりで美しい布

商品を展示するという概念はなく規則性なくとにかく布が積み重ねられているので、気になるものを指してはこれは違うあれも違うと店員さんと選んでいく。

もちろん最後は高い値段を提示されるので値下げ交渉をするが、今回は選んだ布の一つが「オリジナルでアンティークな模様だから」という理由で全然値下げしてくれない。

私が折れる気がなく終わりの見えない交渉に気づいた別の店員が
「彼(一緒に訪れたイタリア人の友人)は私のクライアントでその友達っていうことだから、マケていいんじゃない?」
と助け舟を出してくれた。

次来てくれるかどうかもわからないお客にそんな理由でサービスしてくれるのも、こちらならではで良い経験になった。


企業のようにセールを行ったり宣伝でチラシを出すようなこともないローカル店では、新しいお客様を得るのも一苦労。

観光客にとって良いお土産売り場であるマルシェ・スンべジウムでも似た経験をした。

店主と仲の良いイタリア人の友達の名前を使い
「私この友達にあなたを紹介してもらってここに買い物に来たの」
と伝えると、寛大なサービス精神でじゃんじゃか良い品を出してくれ値下げにも寛容だった。

スンベジウムの布土産屋さんのムシュー
敷地内に布製品、革製品、木彫りなど
様々なセネガル土産のお店が並んでいる

友達の友達とまたその友達もみんな友達で大事なお客様、という考えが浸透している。

故に一度お客様になった人の顔も覚えていることが多い。

・・・こっちで買い物をするときは知り合いに連れて行ってもらうことを強く強くお勧めします!!


人づてにしかたどり着けない(ほぼ)隠れたサービス


お店やサービスの情報をググっても、たいてい間違った情報か更新されていない情報にありつけるか、そもそも情報が出てこない経験が多い。

なので誰か知っている人のアドバイスを聞いておくのが一番楽だし、紹介してもらうのが目的にたどり着きやすい。

というのも自力で果敢に行ってみたところで、お金を持っている外国人として見られるのでクオリティ相応の値段にありつけることが難しい。

また、値下げ交渉をするときも相手がとても強気で精神的に疲れる場合が多い。商売ですもんね・・・


そんな中マルシェで買えた布を、またもや友人紹介の仕立て屋さんに持っていってオーダー。

理想のデザインの写真をその場で見せて送ったり、細かく身体に合うよう採寸をしてもらえば完成まで3週間待つだけ。

仕立て屋さんによってもかなりの技術の差があるそうなので、理想通りにぴったりの完成品を作っていただき受け取ったときは感動!

スカート2着と、
テーブルライナー&テーブルクロスセット

友人曰く、知らないお店に突撃訪問して作ってもらっても全く身体に合わず後悔した経験があるらしい。

それにしてもウェブサイトなし、口コミ情報なしの、ぽつんと突然道端に現れる仕立て屋さんを自力で見つけられる気が全くしない。
紹介してもらって本当に良かった。

余談?だが最近は頼んだ量のウニを海に採りに行ってくれる女性の連絡先を紹介してもらった。
そのウニで作ったと言う手巻き寿司が絶品だったので、自分も依頼するのが楽しみ!


皆が人を大事にする文化

以前少し書いたが、この国では気軽に見知らぬ人と挨拶や他愛もない会話をする。
なので私も娘を散歩に連れて行くだけでほとんど毎日誰かしらとしゃべっている。

言葉では説明しにくいが、近所付き合いにしろ店員さんとのやりとりにしろ、日本人同士のやり取りのような建前を一切感じない。

「元気?今日はどう?」という一言でも本心から興味を持って聞いてくれている気がする。

もちろん日本人のやり取りをネガティブに捉えてほしいわけではない。

ただこちらの人付き合いが想像を超えて私にとって「楽」である。
楽と言ってもどうでも良い浅い付き合いなのではなく、お互いしっかり気にかけていて安心感と温かみがある人間関係だ。

そんな人間関係を道端ですれ違った人とも築けることが、(今までは狭くて閉鎖的な人付き合いを好んでいた私にとって)何よりも新鮮で楽しい。
新しい「他人」の境界線を知ることができて、どんどんセネガルを好きになっている。

そして大げさに聞こえるかもしれないが、自分が前よりも人が好きで明るい人間に少し変われている気がする笑


そうやって皆が温かくお互いを気に掛ける国だからこそ、一見効率が悪く不便に感じられる人づての社会でも上手く成り立っているのかな、と最近思う。

よし、これからもっと色々な出会いを大切にしていこう。






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