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仏勉人好のフランス留学準備。大学院出願の志望理由書を書く準備。大学院課程のHPを読むときのコツ編 

ボンジュール。
ジェーム ル カフェ。

フランス大学院に正規留学したい、ふつべんひとよしです。


今回は、大学やコースのHPを見るとき、何に着目するか、をみていこう。

基本的には、
「すべては志望理由書を書き上げるため」と唱えながら、HPの調べ物をすれば大丈夫だ。目的を忘れないということだね。

正解はないと思うんだ。みんな自分のやり方がある。
紹介するのは僕のやり方だ。
もしいいなと思ってもらえるところがあれば、真似してくれたらいいし、そうじゃなければ唾でも吹きかけてくれたらいい。

志望理由書作成の参考サイト

僕はこのサイトを参考にした。志望理由書を書くときにかなり助けてもらった。
そのため、コースを探している際に常に念頭にあったのも、このサイトが挙げているポイントだ。

このブログの執筆者ゆいさんは、執筆時、言語学修士課程の1年。
彼女は志望理由書に必要な点として次の4つを挙げている。

  • 学術的な背景

  • 学外での活動や、専攻分野と関連したアルバイトなどの職務経験

  • なぜこの課程を選んだのか

  • 目標達成のため、在学中何をする予定か

このうち、上から3つめ、
「なぜこの課程を選んだのか」を書くための着眼点について話そうと思う。
その意味での、HPを読むコツだ。

この記事が役に立つ人

・今まさに大学とコースに関して調べ物をしている人
・進学先を決めるために調べているけど、HPのどこを見るべきか、よく分からない人
・失敗する志望理由書の中身を知りたい人。失敗を踏み台に出来る人。
・進学のために志望理由書なるものを書いたことがない人
・ひとりで院進の準備をしている人

この記事を読む必要がない人
・すでに進学予定の大学が決まっている人
・周囲に教えを乞う先輩や大学教員がいる人
・高校や大学進学の際にHP分析の経験を積んでる人

オン・コモンス!

用意するモノ

  • 志望する修士課程のHPたち

  • étude en franceの画面

  • Notionアプリ:記録用(もしくはwordの白紙ページやノートなど。情報を一覧化できて、後からの書き込みの継ぎ足しができるものがいい)

  • キャンパスフランスの修士課程検索サイト

僕のやり方

1.ざっくり教えてくれ。HPど頭の重要性

ここではごく一般的なことを言ってるまでで、特徴と呼ばれるものを判断できない。他も確認していこう。
numériqueへの思い入れが強そうだなあ。
ここも言語教育のデジタル化に傾倒してるな。
言語教育と社会、言語教育と認識論などがでてきてるなあ。
外国語としてのフランス語教員になるためにしっかりとした土台を作ってくれそうだ。

たいてい修士コースのHPのど頭に、Présentation générle(概要)があるのよね。まずは、そこを一読。
PrésentqtionとかEn brefとかだね。
objectifs(目的)のタイトルをみつけたらしめたもんだ。

読むときにはこんなことを意識するといい。

大学側はなにを目的に教えるのか。
たとえば、ある分野の研究を目的にしているのか、それとも就職を前提に、実践を主にしているのか。
どんな形式の授業を提供するのか。
座学なのか、グループ活動なのか、創作活動なのか。
つまり、授業を通して、生徒側に求めている行動はなんなのかの目線で考えてみよう。
どのくらいの規模感で学ぶのか。
ある特定の分野を深めるのか、もしくは一つの分野を基軸に関連する学問にも積極的に言及するのか。

「なにを目的に教えるのか」について言えば、同じコース間であれば、そう大差はないはず。別の言い方をすれば、あなたの専門を学ぶ上での大前提、最低限必要になる知識を知ることができるだろう。
志望理由書で漏らさず言及しよう。

「どんな形式の授業なのか」「どんな規模感なのか」については、コースによって違いがでてくるはずだ。ここに気づくことができれば儲けもの。
ぜひとも志望理由書に取り入れよう。そして、あなたの大学に本当に入りたいと思っている。その証拠にあなたの大学の特徴を知り得ている、ということをアピールしよう。

ここでちょっとしたコツを。
ひとつづつ読むよりも、一度に、少なくとも2つから3つのサイトを読み比べるのがおすすめ。なぜなら、自然と比較するようになるからだ。

僕は1度目の出願で、大学とコースをひとつずつ潰すように読み、特徴と思われるモノをノートにまとめた。しかし、当然のことながら、後に読んだHPのほうが分析の精度が高くなる。時系列でばらつきがでてしまったのだ。

同時に読み進めることで、分野としてのベースの情報が浮き彫りになる。
その上、出願する複数のコースに対して平等な情報分析ができるようになる。

コラム:ストレスなく読みたい!近道は、フランス語レベルを上げること。近くない道は?

僕はDELF B2の時も大学調べをした。
そして、今、DALF C1を取得して、また同じように大学を調べている。

当たり前だけど、C1取得後の方が圧倒的に早く読める。
応募できるコースを増やすためにも有利だから、C1取得を進める。

他にスムーズに読める方法を挙げるならば、大学のHPを読みまくることだ。
大学HPで使われる単語はある程度限られている。それらさえ読めるようになれば、比較的さくさく読んでいける。

これらのことを考えると、やはり応募までに十分な時間がほしいところだ。
僕は出願の2ヶ月前に大学とコースのリストアップを始めた。
ストレスや労力がかかるぶん、1日の作業時間を短くして、長い日数をかけるのがいいな、というのが2年連続出願をした僕の個人的結論だ。

2、どんな授業をするんだ。アプローチの肝。

研究方法論、フランス語の構造、言語データ・コーパス、外国語としてのフランス語教育に関する諸問題、、、そもそもそれ何って授業が多いなあ。

授業のタイトルだけで内容が想像できるものもあれば、そうでないものもある。無駄に悩んでもしょうがないので、詳細な情報を探そう。

授業名をダブルクリックすると授業内容が表示される場合が多い。みてみよ
う。

言語学習のためのデジタルツールの分析を行なうようだ。近年のコンセプトのベースにある考え方を見つけてくみたいだ。いいね、僕の目的に合ってる。


フランスの文明と文化を教えるようだ。外国語としてのフランス語の授業にいかにとりいれるかが問題になってくる。もしくは、日常のフランスの中にいかに文化や歴史を見いだせるかという視点が得られるクラスだな。


もしくは、PDFでまとめられている場合もある。

PDFに授業の詳細までまとめてある大学は多くはないがある。これを見つけられれば怖いものなし。あとは読み込むだけだ。
この授業はグループ活動だなあ。教材をグループで作るのか。

では、もし授業の名前しかわからない場合どうする?
以下の2つのポイントを参考にしてみてほしい。

ポイント1、créditとは?意外に重要な優先順位の指標

授業科目の近くに見つけられるcréditに注目してみよう。

めっちゃ省いて言うと、
créditは、授業の時間数だ。
1créditは25から30時間の学習量を表してる。
1セメスターは30crédit。
1年間は2セメスターあるので、60créditと決まっている。

30créditなり 60créditのうち、それぞれの授業をどのように配分しているか注意してみよう。
crédit が多いものは、大学が力を入れているテーマ、大学側が開発したいと思ってる能力だということになる。詳細を押えておくといいね。そして、志望理由書でその授業に触れるのもいいだろう。

créditについてはこちらの記事を参考にしたよ
crédits: définition et explication!

https://diplomeo.com/actualite-credits_ects_european_credits_transfer_system


ポイント2、stage(インターン) mémoire(論文)はあるか。応募者の傾向を表す大切な指標

授業項目のうち、M2の第4セメスターを中心にみてみよう。

必須の長期インターンと論文があるね。

僕の感覚だけど、大抵はstage(インターン)とmémoire(論文)の両方を卒業要件に課している。

ただ、中には論文のみを卒業要件にする大学がある。これこそがそのコースの方向性を表している。

そういうコースは、社会へのスムーズな参画よりも、研究に重きを置いていること多い。
自分の希望を見極めよう。

M1にインターンが義務づけられていない


コラム:これは使える!大学HP読み込みのお供

Windows向けのDeepL、これがとってもいい!
大学HPを読むのに、ぜひとも取り入れてほしい。

Ctrl + C+C のショートカットキーで、こんなかわいらしい画面が登場。翻訳を表示してくれる。

今までは、コピペしてようやく意味が確認できるシステムだった。
でも、このシステムの登場で時間が大幅短縮。手の疲れも減って、大満足。

3、将来を現実的にみよう。Youは何のために大学へ

Et aprèsと書いてあるページをみよう。卒業後の進路が列挙してある。

教えたり、教育課程を作ったりが中心になりそうだ。
院の過ごし方や研究テーマによってはメディア関係も視野に入りそうだな。

卒業後の進路は、インターン先とも重なりがち。
しっかり確認して置こう。

たとえ、コースの概要や授業内容がよくわからなくても、この卒業進路をみると、だいたいどういう能力を身につけることになるか分かる。

たいてい、志望理由書には卒業後どういう仕事をするかを書く必要がでてくる。その際に挙げる職業を、このページから選んでしまうのもいいだろう。

卒業後の進路については、PDF資料でかなり詳細を公開しているところもある。HPを隅々までみてみよう。

長めコラム:志望理由書は使い回していいらしい。
本当のところはどうなんだ。

僕は志望理由書を使い回すことをおすすめしない。
理由は、添削を頼んだ大学教授にツッコミを受けたことがあるからだ。

あ、でもこれは総合的な結論ではないのでちょっと待ってね。

おいおい、理由が個人的すぎて話になんねえよ。そう思われたことでしょう。おっしゃる通りでございます。だから、話半分に聞いてもらって結構です。

僕の副担当教官である教授は、僕の志望理由書をみて、開口一番こう言った。
「なぜ1枚しかないの?」

「え?」って思った。
今でもあの瞬間を忘れない。
嫌みでも怒りでも皮肉でもなく、ただ純粋に湧いた疑問を投げかけたという感じだ。

もし日本の大学院に進学しようとした場合、事前準備として、院のコース内容を詳しく調べるだろう。
指導教員になってほしい研究者の論文を読み、経歴を探し、自分と馬が合うかを出演メディアや、院生らへのインタビューで知ろうとするだろう。
そして、入学のためには、学士論文の提出が必要だ。
その後、入学試験がある。
その後、面接がある。

ほら、本来こんなにもたくさんのステップがあるんだ。

きっと先生も学生の時、こうして学問の道を歩んだのだろう。
だからこその「え?」だ。
だからこそ、目の前にいる学生(僕)が、大学院入学にかける労力と時間の短さに、呆気にとられてしまったのだろう。

すてきな先生だった。穏やかかつ鋭い先生だった。
だからこそ、次にどうやって、何を僕に言うべきかと悩んでいる様子だった。
その姿を見て、僕は思った。
「ああ、これではダメだ。変わらなければダメだ」

僕はキャンパスフランスを通した出願を2度やった。
1回目は7校出願した。志望理由書は1枚。
2回目も7校出願した。志望理由書は7枚。

今の話は1度目の受験の話だ。ちなみに結果は総落ち。

そして、2度目の応募にあたる今回、僕は各大学、各コースにそれぞれ志望理由書を作ったんだ。

なんだ、ただのお前の反省話やん。再現性がないわとおっしゃられたとしたら、本当にその通りだ。

それに、志望理由書1枚でも、複数の大学・コースに使っていいと誰もが言っている。あのキャンパスフランスさんも言っている。

だから、使ってもいいんだよ。同じタイプのコースには、1枚の履歴書で十分なんだ。

そう、同じタイプのコースには、ね。

結論:
志望理由書は1枚でもいい。
ただし、1枚にするなら、大学のコースの分析は慎重に。プログラムが似たコースを探そう。

例えば、外国語としてのフランス語のコースを例に挙げよう。
フランス語の文章作成や音声学、教授法に焦点を当てているところもあれば、
それらは知識としてもっている前提で、デジタルをコース作成にどのように織り込むかを総合的に考えるところもある。

もし、上のように、内容が異なるコースを選ぶなら、それぞれ書くか、内容を少し変更するなどの対応が必要。

4、遠隔授業があるか、働きながら履修する社会人向けの授業があるか見てみよう。

オンラインで行なわれるコースも用意されている場合、教育方針自体が実践的であることが多い。

少なくとも、研究に重きをおく大学には珍しいと言える。

この点に関しては、大学院をどう捉えるかの個人的な問題なので深く言及しない。
ただ、自分が就職のステップとして院に行くのか、研究の入り口に立つために院にいくのか、そのどちらなのか決めておくと、消去法が使えるようになる。

ここまで読んでくれてありがとうございます。
お互いがんばりましょう。



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