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長年、家庭教師として数多くの受験生を志望校に合格させ、教育や子育てに関する数多くのベストセラーもある教育コンサルタントの松永暢史氏が私立中受験に警鐘を鳴らしていました。

共感できるところとそうでないところがありましたが、興味深い話でしたのでご紹介したいと思います。

「アタマのいい子」とは?
幼児期から児童期にかけて、よく遊び、よく本を読んできた子。
国語力が高く、自分で学ぼうとする子。
こういう子は、公立中で伸びるし私立中でも伸びる。

そもそも、子どもを公立中に行かせたほうがいいか、私立中を受験したほうがいいのか。
正直なところ「公立中に行かせるべきだ」と言い切ることはできない。
現在の公教育には様々な問題があり、強くおすすめできない。
では私立中を受験すべきなのか。
おすすめしたい私立中学はいくつもあり、公立中高一貫校にも魅力的な学校が多い。ただし、塾通いしないで入学できるのであれば。
問題は、学校そのものではなく「塾通い」。
現在の中学受験のシステムの中では、小学校時代の貴重な3年間を塾に奪われる。
「真にアタマのいい人」になるための遊びも読書も体験も失ってしまう。

公立校では一流大学に入れないというイメージ戦略?
首都圏で中学受験がブームになった背景には、公立中学校の荒廃があった。
学級崩壊、いじめ、学力低下と公立中にはマイナスイメージがつきまとう。
都立高校の大学進学実績低下も大きな要因で、一部の親は「一流大学を目指すにはとても公教育に子どもを任せられない」と思うようになった。
ここ10年で都立高校が復権したといわれるが、東大合格者の多くが私立の中高一貫校出身者で占められていることに変わりはない。
それをうまく利用しているのが、受験産業。
一流大学に入るためには、一流の中高一貫校に入らなくてはいけない。
そのための情報もノウハウもがすべてもっている。
そんなイメージを作り上げた。
アピール力があるのは、「当塾から〇〇中学合格者〇名!」というもの。
親としては
「この塾に入らないと、〇〇中には入れない。ってことは将来〇〇大学に入ることもできない」
と言われているように聞こえる。

<コメント>
親としては、中学受験のシステムや受験産業のあり方が良いか悪いかということよりも、我が子を幼児の頃から身近に見てきて、この子のための教育をどうしたらいいのかという時に「使えるのか、使えないのか」を考えるほうが現実的です。

家庭と塾との関係は、需要と供給の関係にあります。

「役に立たない、意味がない」と思えば中学受験に参戦しなければいいだけだと思います。

小学校の3年間を塾で過ごすよりも、自分の好きなことや、数学、英語、プログラミングをやったほうがはるかに将来役に立つと思えば、そうすればいいと思います。

中学受験することは義務でなく、一つの選択肢にすぎません。

中学受験は「不安産業」だという人もいますが、心配な人は保険をかけます。

自分の健康に自信があり、保険に入るのは無駄だと思えば入る必要はありませんし、高すぎる保険料が気になれば見直せばいいのです。

そもそも、中学受験が【保険】として機能するのかもよく考えた方がいいです。

周囲に流されず、本当に必要なのかどうかを考えて見極めるしかありません。

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