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SAPIXの強みは教材とカリキュラムにあることは以前ふれました。

(念のため申し添えますと、私は一人の受験生の親でしたが、決して塾の回し者ではありません。)

 この塾を利用することのもう一つのメリットはデータにあると思います。

 全体の中での立ち位置を確認することができること、そしてSAPIXは難関校の合格者数が多く、サンプル数が豊富なので、統計的に有意で、説明力が相対的に高いといえます。
 
 例を挙げて確認したいと思います。

 ご存じの通り、偏差値は正規分布を仮定していますので、偏差値がわかるとその母集団の中で上位何%に位置しているかがわかります。

 この偏差値と上位何%という対応関係は、以下のようになります。

 一方、SAPIXの学校別合格者数(2022年)とSAPIX生(男子)に占める割合を示すと以下のようになります。SAPIX生徒数(男子)は、4400人(サピックスオープン4回の平均)として計算しています。

 当然ですが、ここで挙げた学校は全て男子校で、受験日はいずれも2/1の1回のみですので、データの重複はありません。

 この比率を先ほどの表に当てはめてると、偏差値を逆算することができます。

 実際にやってみると、SAPIXの開成合格者は生徒数全体の6.4%ですので、偏差値65と66の間(65寄り)にあることがわかります。

 同様に開成+麻布は、62~63、開成+麻布+駒東+武蔵では59~60にあたります。

 今手元にある、2021年12月のサピックスオープン(SO)を受けたときの合判ガイドの偏差値(合格可能性80%)は以下のとおりです。

開成:67
麻布:62
駒東、武蔵:60

 合格実績から計算した値に非常に近いことがわかります。

 つまり、ほぼ想定通りの結果になっていると思います。

 もちろん、このSO偏差値は、あくまで当該テストでの立ち位置に過ぎず、これによって本番での合格が保証されるわけではありません(SOの試験形式と各志望校の試験形式は異なりますし、受験者の母集団も異なります)。

 しかし、塾の中での立ち位置を定点観測できるメリットは大きく、特に、SAPIXがメインターゲットとしていて合格者が多い、御三家などの難関校を目指す場合には、より高い精度でそれを確認することができると思います。

 立ち位置をみながら、強み弱みを分析し、強みを伸ばし、弱みを補強する戦略をとっていくことができますし、志望校を固めて行くときの参考になります。

 なお、開成については、SO偏差値(80%)が67に対し、実績値が65と差が生じていますが、これは開成の募集定員300名に対し、実際には合格者数が416名と多く出されていることがその要因です。

(同校の今年の入学者は305名ですので、何と100名以上(!)の入学辞退者が出ているのが実情)

 仮に合格者数が実際の4分の3(定員に見合う数)だったとして、SAPIX合格者数を4分の3に減らすと、283⇒212名となり、そこから計算される偏差値は66と67の間(67寄り)となり、ほぼ推計値と一致します。

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