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【GW/旅行】 Z 世代は、今なぜ一人旅に行くのか

新型コロナウイルスの影響が収縮し始めた今、Z 世代の中で「一人旅」がトレンドになりつつあります。では、なぜ Z 世代は一人旅に行くのでしょうか。今回は実際に一人旅に行く Z 世代に対してインタビューを行い、なぜ一人旅に行くのかを考察しました。

またインタビューを通した考察から、これから新たに提供できるサービスを考案しました。

ぜひ最後までお付き合いください。


▪️「アフターコロナ」による旅行の変化と行動の変容


2020 年 4 月に新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対する緊急事態宣言が発出されてから3 年が経過しました。経済活動に多大なる影響を受けた Z 世代ですが、今回は特に行動制限等の影響を強く受けた旅行・観光について、コロナ前と比較してどのように変化したか見ていきましょう。

 宿泊業と旅行業はコロナ前を上回る水準まで回復

出典:経済産業省

経済産業省の調査によると、宿泊業は、2020年5月を底にして“Go Toトラベル”実施効果から回復しており、足下では2019年12月を13%上回る水準まで回復していることが分かります。旅行業は、回復が遅れていましたが2022年10月に始まった“全国旅行支援”の効果などから2019年12月を2%上回る水準まで回復しています。Z世代を含め、旅行のブームが再来しているのではないでしょうか。

 Z世代の行動の変容

出典:SHIBUYA109 Lab.
出典:Sorenaメディア


また、上記の調査結果からは、コロナ禍により大人数で遊ぶことが減ったことによる一人行動の需要が高まっているという仮説が立てられます。

2021年に行われたSorenaメディアによる具体的にどのような一人行動をするか聞いた調査では、「一人行動に抵抗感の無い活動」として、Z世代男性は他の世代と比べて「国内旅行」「登山やキャンプ」「焼肉や食べ放題」などが、Z世代女性は特に「カラオケ」が挙げられています。

 通常は団体で活動するイメージのものも比較的一人で行けてしまうのがZ世代の特徴であり、「進んで一人行動する理由」として、Z世代が他の世代と比べて、スマホを利用することでいつでもどこでも暇つぶしができ、地図アプリによって一人で目的地に行けるという要因が考えられます。

ひとりカラオケや一人焼肉など、「充実した時間を過ごせる」「友達に気を使わなくて済む」などの理由からよく耳にするようになった『ひとり行動』。今後もおひとり様需要は、ますます高まっていくという仮説が立てられます。

今回私たちは、GWにひとり行動で海外旅行に行った「A.Yさん」をエクストリームとして調査を行い、その結果を報告していきます!

▪️ペルソナの特徴的なエピソード

インタビュー調査の結果から、ペルソナであるA.Yさんは「初海外を一人で行った」という特徴的な行動をしていました。

A.Yさんは、街の先進的な美しさに惹かれ、高校生の時から初海外はシンガポールと心に決めていたそうです。そして実際にコロナ禍の行動自粛が軽減され、海外旅行が解禁された大学3年生のGWにシンガポールへの渡航を決行しました。

当初は、友人と行くことも考えていたそうですが、断られたことから、「初海外を一人で行ったら強くなれるのではないか」と一人旅へのモチベーションが上がり、結果、一人旅を決行したそうです。予行練習としては、名古屋旅行や仙台旅行も一人で行ったそうです。

また、ペルソナの特徴として、旅によって目的が違うという点もわかりました。
名古屋は「魅力的な喫茶店」、仙台は「牛タン」、シンガポールは「先進的な街並み」を目的に、それぞれ違った目的を持って、旅行先を選び、楽しんでいることがわかりました。

▪️ペルソナの意識×Z世代の意見

一般的なZ世代は、友人や恋人、家族と旅行に行く人が多いです。しかし、ペルソナであるA.Yさんは、「友人とも行くが、一人でも旅行を楽しむ」という二面性を持ち合わせていました。

A.Yさんは、複数人で行く場合は、他のZ世代と同様に、何も考えずに思いっきり楽しみます。
一方で、一人旅をする際には、「行ったことない場所に行きたい」「まだ見ぬ自分を見てみたい」といった様に、旅行を”自己確認”・”自己理解”のために使っていることがわかりました。

このことから、一人旅とは「自分の現在地を知るための自己確認・自己理解」なのではないでしょうか。

もちろんこれは、旅行に行く人の全員が意識しているものではないかもしれません。しかし一人で訪れたことのない土地に旅行に行く人の多くは、このような潜在的な意識を持っていると考えました。

また社会的な背景として、「新型コロナウイルスによる機会の喪失」があるのではないでしょうか。今の多くの大学生は期待していた大学生活ができず、制限の多い二年間を過ごしていました。その制限の中で外部との関わりが少なくなり、「自分を比較し、現在地を知る」ことができなかったのではないでしょうか。そのため自分の現在地を知りたいという思いが、コロナ禍を開けた今のタイミングでの一人旅に繋がっていると感じます。

訪れたことのない、言語も文化も異なる土地に「挑戦」する。そして他の人が体験したことのないような経験を重ねる。その結果、「自分が何ができるのか・どのようなことに心が動かされるのか」など自分を省みようとしているのではないでしょうか。この一連の流れは他の友人と行く複数人の旅行ではなく、自分だけの一人旅だからこそ得ることができる体験であるとインタビューを通じで感じました。

▪️商品の提案

前述したインタビューや調査結果から、おひとり様専用「難易度別一人旅モデルプラン」を提案いたします!!

一般的な旅行ガイドブックでは、モデルコースやおすすめスポットなど数々の情報が掲載されています。そこに加えて訪れたことのない、言語も文化も異なる土地に「挑戦」するおひとり様をターゲットとした専用ページを設けます。

「自分の現在地を知るための自己確認・自己理解」のツールとして、難易度別にその旅行先でのモデルプランを考案し、ミッションにクリアすることで自分への評価及び挑戦を促進させることが目的です。

ただ自分の好きなところを訪れるよりも、段階別プランを設けることで、自己評価することの利便性を高めることが狙いです。

 ペルソナからの感想

「とてもいいですね!!難易度別になっていることで、自分はどこまでいけるのだろうとさらに挑戦する気持ちを高めさせてくれますし、ミッションをクリアすることで自分だけでなく第三者からも評価を得られた気持ちになり、さらに旅行の充実度が高まりそうな気がします!!」

A.Yさんからは、上記の所感が得られました。

 Z世代の意見・共感度

この「難易度別一人旅モデルプラン」について、Z世代14人にアンケート調査を行いました。

この商品・サービスが実際にあればほしいですか?という質問に対し、約60%(8人)の方に「ほしい」との回答結果が得られました👐

「はい」と回答をいただいた方からは、
・「自分ではいかないところに行けそうだし、旅行がより楽しくなりそう!」
・「レベル分けされているので気軽にできそうでいいね」

などのポジティブな意見を寄せていただきました。


一方、「いいえ」と回答していただいた方からは、
・「ミッションがあると、それに縛られそうで嫌だ」
・「ミッションがあると達成しなきゃというという義務感を感じ、心から楽しめなさそう」
・「行き先を勝手に決められている気持ちになる」

など、意見をいただきました。

▪️最後に

アフターコロナによる、旅行ブームの再来により「一人旅」のをするZ世代が増えてきています。今回は、「自己自認、自己理解」のために一人行動を行う大学生に密着しました。その中で彼が一人行動を行う真の理由が、今回のインタビューを通してうかがえました。

ここまで綴ってきたZ世代のひとり旅とは「自信をつけさせるための答え合わせ」だと表せると感じます。もし自分の力や自信が足りない、わからないと感じた時には思い切って一人旅に行ってみてはどうでしょうか?


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