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【GW/旅行】 非日常的?友人と行く電車旅

 突然ですが、近頃旅行に行きましたか。
5月に新型コロナウイルスが5類に移行したことや徐々に規制が緩和されてきたことで、国内外の旅行が行きやすくなってきました。私たちは、そんな中でZ世代はどのような旅行特性を持っているのか調査してみました。
詳しく見ていきましょう!


・国内旅行の需要の変動

コロナが緩和されてきた中で、国内外の旅行に行きやすくなったとのことでしたが、旅行の現状はどのようになっているのでしょうか。

 2023年5月23日の観光庁のプレスリリースによると、2023年1-3月の日本人国内延べ旅行者数は、コロナ前の2019年1-3月より減少しているものの、前年の同時期のよりは増加してることがわかりました。

 また、2023年3月17日~27日にトリップアドバイザーが行った調査によると、日本人旅行者の65%がこの夏に旅行を計画していると答え、2023年春の旅行の49%に比べて大幅に上昇していることがわかりました。

 このことから、現在、旅行需要についてコロナ前までは回復してはいませんが、徐々に回復し、今後は順調に伸びていくと予想されます。

 また、2023年1-3月の日本人国内旅行者数のうち、宿泊旅行者数が5802万人に対し、日帰り旅行者数は4,211万人でした。宿泊旅行者数がコロナ前から、9.4%減少しているのに対して、日帰り旅行者数は25.8%減であり、特に日帰りの旅行者数が減少していることがわかりました。

 日帰りの旅行者数が減少している原因の1つとして、全国旅行支援対策があるのではないかと考えられます。日帰り旅行の場合、地域クーポンを配布しない県や、対象となる商品が限定的になってしまうため、宿泊旅行に流れてしまったのではないかと考えられます。

・Z世代の現状

2021年の株式会社SHIBUYA109エンターテイメントの調査によると、コロナ禍が落ち着いたら行きたい旅行先のうち、1位が遠出の国内旅行で69.5%、2位が近場の国内旅行で62.8%、その後、ヨーロッパ旅行・アジア旅行・北米旅行と続いています。

 また、近畿大学経営学部の学生(20~23歳)男女50名にアンケート調査したところ、今年2023年のゴールデンウィークに行った場所は

  • 九州

  • 埼玉県

  • 東京都

  • 静岡県

  • 淡路島

  • 北海道

  • 和歌山県

  • 石川県

  • シンガポール

が挙げられました。

 ここから、春休みや夏休み程長期休暇ではないのに関わらず、 Z世代は長期の休みを用いて宿泊を伴う遠出の国内旅行に行っていたことがわかりました。

・ペルソナのエピソード

今回、私たちは旅行に行くことが趣味の1つであり、このGWにも九州に4泊5日旅行に行っていた21歳の男子大学生にインタビューを行いました。

 その中で特に特徴的だった彼の旅行へのこだわりを紹介します。

 1つ目は、「旅行の目的」です。
 彼の旅行の目的は、社会人では一般的に得られないような経験を増やすことです。
 そのため、彼は旅行中に好んで未知の体験に身を投じます。例えば、橋が壊れてしまうほどの豪雨のなかでも渓谷に行くであったり、北海道で日を跨ぎながら友人と交代で車を走らせたり、などです。そんな中で、もちろん、山道の中でガソリン切れかける、雪山登山が過酷すぎて途中で断念した、といったようなハプニングは何度もありましたが、そのような経験も大学生だからこそ、恥ずかしいと感じることもなく、楽しむことができると彼は言います。

 2つ目は、「旅行プランの決め方」です。
 彼は大学生にとっては主流のSNSを用いて、情報収集を行います。ですが、特にインスタ映えは求めておらず、「自分がありのままを見て感動する場所に行きたい。」「自然体の写真を撮りたい。」という気持ちが強くあります。つまり、人工的な映えは求めていないのです。そのため、おすすめスポットの検索ではなく、写真家の方があげている投稿から、行きたい場所を見つけることが多いという特徴があります。

 また、あえて旅行プランを大雑把にしか立てないようにするという特徴もあります。そうすることで、未知の体験に出会える可能性を作り出します。あらかじめ本当に行きたいところだけ決めておき、残りはその場で候補を見て決めたり、その場で新しく行きたいところを見つけたら行くようにしています。そのため、行動範囲も広くなり、県をまたぐ旅行になることも多いようです。

 3つ目は、「お金の使い方」です。
彼は、基本的に今しかできない経験にかけるお金については考慮しません。旅行にかかるコストのことは考えないことが、その場のひらめきで旅行のプランを立てていくことにつながり、さらには未知の体験をすることにも繋がると考えているからです。そのため彼は「お金をケチる方が楽しくない。」と考えています。実際、その場で話し合って次の目的地を決める際にも、お金の話はでないそうで、インタビューの中でも「今回のGWの九州旅行でも何円使ったのか覚えていない」と言っていました。

・ペルソナの価値観に沿った仮説

多くの大学生は、「自分が学生であるために、自由である。」ということを感じているのではないか、(社会人になったら窮屈になるから怖い)という仮説を立てました。

・ペルソナと他の同年代の人たちとの違い

ペルソナの三つの特徴を挙げましたが、大学生の一般的な旅行への認識はどのようなものになっているのでしょうか。

 私たちは、近畿大学経営学部の学生32名に旅行への意識に関するアンケートを実施しました。
 始めに旅行の目的についてのアンケート結果です。
 「あなたの旅行の一番の目的を教えてください」という質問に対して、

出所:Marketing Design X Lab.

 「旅行先のサービスを楽しむ」という回答が最も多く、次に「一般的な旅行では得られないような経験を増やす・未知の体験との出会い」、「日常の疲れを癒す」、「友人と楽しく過ごす・思い出を増やす」という回答が続きました。

 ここから、「旅行先のサービスを楽しむ」ことを目的としている大学生が多いものの、ペルソナのように「未知との出会い」を目的として旅行をしている方が20%もいることがわかりました。

 次に旅行プランの立て方についてです。
「旅行に行く前にどの程度旅行プランを立てますか」という質問に対して、

出所:Marketing Design X Lab.

 「事前にプランはほとんど決めていく」という回答が最も多く、次に「事前にプランはほとんど決めない」、「全部決めていく」、「全く決めない」というように続きます。

 ここから、事前にプランはほとんど決めていく大学生が多いですが、ペルソナのように「プランをほとんど決めていかない」という大学生も一定数いることがわかります。

 最後に旅行にかけるお金への考え方についてです。 
「旅行にかけるお金への考え方は」という質問に対して、

出所:Marketing Design X Lab.

 「お金は使いたくないけど気にしながら使っちゃう」という回答が最も多く、次に「お金はまったく気にしない」、「お金は使いたいけど使えない」と続き、「お金はできるだけ使いたくない」という回答はいませんでした。

 ここからは、旅行にはお金をかける大学生がほとんどで、旅行にお金を使いたくないという大学生は全くいないことがわかりました。  

大学生の旅行への認識に関するアンケートから、ほとんどの大学生は旅行においてお金を使いがちになるということ、旅行プランをしっかりとたてる人が過半数を占めているものの、意外とプランをあまり立てずに旅行に行く人が多いこと、普通に旅行先のサービス(アクティビティや食事)を楽しみに旅行する人が6割以上と多いものの、続いて多い3割の人は未知の体験を旅行に求めているという、旅行への考え方の特徴が浮かび上がりました。

・商品の提案

 私たちが提案するアイデアは、「電車1両丸ごと貸切旅」です。
一つの車両を丸ごと旅行のメンバーで貸し切ることで、他の人の目を気にすることなく、仲間内で電車中泊を楽しむことができます。また、どこで下車するのかも自由なので、電車生活を楽しみながら、そのときの気分で行き先を決定できます。さらに、車に乗らなくても乗り物に車中泊できるため、車の運転頻度が少なくなりがちな大学生にとって、交通事故の心配も、レンタカーを利用するよりは格段に下がります。

・商品に対するペルソナからのFB

 このアイデアをペルソナに紹介した結果、
「まず今までに無いアイディアで斬新だと思った。また、友人たちと電車の旅をしたことがないので、してみたいと思った。普段レンタカーの利用が多いからこそ、電車での旅行にも挑戦したい。移動しながら宿泊できるために活動時間を最大限楽しめそう。内容の幅が今までの旅行に比べて大きく増えそう。」という反応をいただけた。

 また、「この商品・サービスが実際にあればほしいですか?」というアンケートを近畿大学経営学部生30名にアンケートをとった結果、

出所:Marketing Design X Lab.

 「はい」という回答が、76.7%でした。
 また、「非日常的で楽しそうだと思った。」「普段の車だと運転する人や、狭さなどが問題なので快適に過ごすことができそうでいいと思った。また、他の人にも迷惑をかけないので気にする必要がないと感じた。 」「大人数で行くのにもいいと思った。 」という意見が得られました。

・まとめ

 特徴的な旅行の仕方をするペルソナに実際にインタビューを行っていくなかで、なぜそのような旅行の仕方をするのか、の理由を知り、自分たちも納得させられました。

 “学生である時間”は自分たちが思っている以上に価値のある時間なのかもしれません。昨今は旅行においてもSNSなどを駆使して映えスポットにいく人が多いですが、そうではなく、たまにはもう少し大学生ならではのラフな旅行をしてみてはよいのではないでしょうか。

【参考文献】

・国土交通省観光庁 観光統計 「旅行・缶王消費動向調査2023年1-3月期(速報)」
 https://www.mlit.go.jp/common/001609928.pdf
(2023年6月28日閲覧)

・㏚ times トリップアドバイザー 2023年夏の旅行動向を調査
トリップアドバイザー、2023年夏の旅行動向を調査|トリップアドバイザー株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
(2023年6月28日閲覧)

・PR time 株式会社SHIBUYA109エンターテイメント 「コロナ禍のZ世代の旅行や遊び方に対する意識調査https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000115.000033586.html
(2023年7月10日閲覧)







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