NPO会計基準を導入するときの注意ポイント
こんにちは。
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今回は、
次年度には行政との取引も見込まれる
外部に出しても恥ずかしくない決算書が必要
認定NPO法人になるために、NPO法人会計基準にしたい
さまざまな理由で、会計・経理のルールをNPO会計基準に合わせるときに起こるリスクや問題を洗い出してみます。
会計基準に遵守することは、想定以上に変化が求められるようになります。
思ってもいなかったことが起こるもの。
どのようなことがあって、どう対処したらいいのか。
経理のプロがいない法人が多い中、自分たちのNPOが継続していくためにできることは、NPO会計基準に遵守することなのです。
収支計算書から活動計算書へ
2011年に日本で初めて民間による、NPO会計基準が制定されました。
それまでのNPO法人では、収支計算書が利用されていました。
また、法人によっては、経理知識がない人がまとめているところもあり、PTA会計と同じような「収入の部」「支出の部」「繰越の部」にわけて集計するケースが多くあります。
では、なぜNPO法人に会計基準が制定されたのでしょうか。
それには、長く抱えてきた問題があったのです。
行政サービスを民間に移譲するケースが増加
補助金や助成金など民間に資金を渡して事業を請け負ってもらう
など、今まで行政単体で行ってきた事業を、民間に移譲するケースが増えてきました。
そのために、民間でどのような資金を利用されているのかをチェックする必要がでてきたのです。
しかし、現実はそうは問屋が降ろさない状況でした。
PTAや町内会レベルの収支の表では、その法人のガバナンスが守られているかチェックすることができません。
そこで、NPO法人にあった会計基準を制定する必要がでてきたのです。
こうして生まれたNPO会計基準は、非常によくできたしくみです。
単なるお金の出入りから、その年度における正しい利益を計算する仕組み
(現金主義から発生主義へ)
貸借対照表による、法人の資産増減の確認
(単式簿記から複式簿記へ)
その他にも、様々なルールが生まれました。
公益法人会計基準と、企業会計基準のいいところを参考にし、NPO法人特有の取引が一目でわかる財務諸表ができあがりました。
このようなNPO法人会計基準に遵守するということは、今までの経理事務を大きく変化させる必要があります。
それにともなって、現場での経費精算のやり方までに影響がでます。
ということは、導入期における混乱は、想定しておくことが大切です。
一つ言えることは、「帳票だけ変えても、法人の変化は伴わない」です。
上っ面の決算書だけ組み替えても、そこから法人の実態を伝えることができません。
財務諸表に決められた要件を記載するために、日々の経理事務の運用から変えないと、本当の意味でのNPO会計基準に遵守することができたと言えないのです。
では、手始めになにをやったらいいのか。
次の項目から実例を交えて、ご紹介してまいります。
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