FIVEISM×THREEのコンサルになった気分で

FIVEISM×THREE(ファイブイズム バイ スリー)※以下 FIVEISMと表記というコスメブランドご存じですか?

先日、そのFIVEISMで人生初となる男性美容部員さんによるタッチアップを受け、コスメを2点購入しました。
※タッチアップ=美容部員さんに実際に化粧をしてもらうこと

そもそもの来店目的は『FIVEISMって何だかトキメキがないよな』って以前から思っており、その理由を言語化したくて来店したのですが、実際に製品を手にとり、説明を聞き、タッチアップを受けたところ、トキメキ云々より、FIVEISMがもっと世に広まって欲しいと思い、今回筆を執りました。

※トキメキって何ですかと突っ込みが入りそうですが、単純にあれも欲しい!これも欲しい!みたいな気持ちです。

コスメを買ったくらいでFIVEISMのことを語る資格もないし、そもそもFIVEISMはめちゃくちゃ売れているのかもしれない。(大変余計なお世話ですが、閉店があったり、顧客情報がTHREEと統合されたり、売り上げは苦戦していると勝手に思っています)

例え売れているとしても、より一層世に広まって欲しい、メンズメイクブランドの中で確固たる地位を確立してほしい、メンズメイクと言わずメイク好きはこれを買え(それはDiorのコンシーラーやNARSのリフ粉やコスデコのリポソームみたいなことです)というアイテムを世に出して欲しい、との気持ちで、勝手にコンサルになったつもりで綴っていきます。

【自己紹介】

ここで遅ればせながら簡単に自己紹介いたします。
・2022年5月現在、48歳の男性です。
・2021年の11月からメイクをはじめました(メイク歴は約半年)
・平日、出社時はスキンケアの延長(主にBBクリーム、眉毛を整える程度) のメイクを楽しんでいます
・休日は濃いアイメイクや、ネイルも楽しんでいます。
・お肌の悩み…シミ、こじわ、たるみ、毛穴の開き などなど
・大阪在住
・FIVEISMは阪急メンズ館にしか行ったことがありません。ですから店舗で受けた印象は全店にあてはまるものではありません。

【考察】

①    FIVEISMはメンズラインなの?
FIVEISM はTHREEという人気コスメブランドを擁する、株式会社ACROが2018年秋に立ち上げた比較的新しいコスメブランドで、まだ歴史が浅いため、初めて聞く方もいらっしゃるかも知れません。そしてコスメに詳しい方は「THREEのメンズライン」としての認識が強くあると思います。

しかしながら、驚くべきことに公式ホームページでは、
『ジェンダーレスコスメ』と謳われてはいるものの、メンズラインということは一言も触れられてはいません。

ではなぜ、メンズラインとの認識があるのでしょう?
とても不思議ですね。

その不思議を調べるために更にFIVEISMをネット検索すると、
FIVEISM立ち上げ時のプレスリリースがたくさんヒットします。

・男性用である
・お洒落に敏感な方向け
・エグゼグティブ向け

ということが意訳せずとも簡単に読み取れます。
『男性で、元々お洒落を楽しむ、50歳以上がターゲット』と言い換えてもしれません。

プレスではメンズラインと発信していながら、公式にはジェンダーレスと謳っています。
そしてSNS上ではメンズメイク男子達がこぞってメンズラインと発信しています。
不思議さというより、もう違和感ありありです。

②    私とFIVEISMとの関わり
FIVEISIMの名前を初めて知ったのは、メイクを開始した頃に受けたメイクレッスンのことでした。コスメブランドの一例として講師からその名前を教えていただきました。
当時、まだTHREEすら知りませんでしたので、FIVEISMってイズムとつくくらいだから、イケてるメイク集団?みたいな盛大な勘違いをしていました。
レッスン後に検索すると、コスメブランドということがわかり、男性向けで、私が住む大阪にも実店舗があることがわかりました。

百聞は一見にしかずで、まずは見てみようと思ったのですが、先に立ち寄ったのは関西デパコスの聖地、阪急百貨店うめだ本店。
THREEに先に行き、いくつかのアイテムを購入し、無事にデパコスデビューしました。
そのTHREEでの接客の中『THREEでは男性タッチアップは出来ないので、ご希望ならFIVEISMに行ってください』と念を押されました。
少なくとも現場でもFIVEISMはジェンダーレスではなく、男性向けであることを徹底していることがわかりました。
※これは阪急百貨店うめだ本店だけの対応なのかもしれません。
そして購入後、THREEのサンプルに加えFIVEISMのサンプルをいただきました。(男性客には必ずFIVEISMのサンプルを渡す施策を取っているか不明です)

さて、いよいよ別棟の阪急メンズ館のFIVEISMを訪れるわけですが、いざ向かったものの、しばらくの時間お店に入ることなく眺めているだけでした。なぜ躊躇したのか、それはズバリ落ち着きすぎている!との印象を受けたからです。

加えて、阪急のTHREEもあまり広くなかったのですが、FIVEISMはさらにこじんまりとした印象で、『入店したらもう最後、何か買うまで出られない!』のではという心配心もありました。
入店した際、他にお客様もいたこともあり、ただ製品を眺めるだけの訪問で終わりました。トキメキはありませんでした。

そして冒頭に書いた、初購入はそこから約半年後の2回目の来店時のことです。

メイクを初めて半年経ち、その間に様々なアイテムを購入したこともあり、逆にFIVEISMにしかない商品が欲しいと思ったため購入にいたりました。

もちろん担当いただいた美容部員さんの接客や、タッチアップが満足いくものであったことも大きな要因です。
男性美容部員さんにタッチアップいただいたことは初めての経験でしたから、タッチアップを受けながら男性に悩みを相談できたのも良い経験でした。

全くの初心者でないので、テクニック的な質問や、既に持っているアイテムとの相性などの相談もできて、本当に良い買い物ができたと思いましたが、残念ながらトキメキはありませんでした。

【どうしたらトキメクのだろう】

①    メンズラインとカミングアウトをしようよ
ジェンダーレスという新しいコンセプトを世に出す、という試みはとても尊重しています。ブランド立ち上げの2018年は、まだメンズメイク人口も少なく、ターゲットを曖昧にする方が都合が良かったのかもしれません。

でも、このジェンダーレスという、全てを包み込むような便利な言葉を纏い続けるのは、ここまで伸びてきたメンズメイク市場においては得策ではないと思います。
そのことはかえって新規顧客獲得の機会損失になっていると思います。

ジェンダーレスというのなら、女性にFIVEISMを薦める施策を何かとっているのでしょうか?

そしてジェンダーレスというのなら、男女問わず、特に女性が使いたくなるくらいのFIVEISMを代表するアイテムはあるのでしょうか?

ジェンダーレスといいながら、事実上、男性用アイテムを展開し続けるのなら、ここは思い切ってメンズに舵取りする方が得策だと思います。

イメージの刷新として、
現ホームページのキーヴィジュアルにある中性的な超ロン毛のモデルさんではなく、幅広い年齢層の男性モデルを起用する。
男性の日常や、幅広い悩みに寄り添えるような、そんなブランドであって欲しいと思います。

②    メイク初心者獲得をあきらめているのですか?
メイクしたいけどバレたくない、メイクは面倒臭そうだ、という男性のニーズにFIVEISIMのコンセプトは合致していると思います。
このことはメンズメイクインフルエンサー達もこぞって推していますが、なぜか彼らはFIVEISMを推していません。

その理由はFIVEISMの価格であったり、購入店舗が限られている、等様々あるのでしょうが、それ以上に、FIVEISIMを使うとこれだけ変わる、印象が良くなる、というアピールがまだまだ足りないのではと思います。

この時代、メンズメイクを始めようと思ったら、まずネット検索すると思います。
その時にFIVEISIMは全く検索に出てきません。
そしてインフルエンサーにも推されていない、SNSでも名前が出てこない、というのはかなり機会損失が大きいと思います。

そもそもメンズメイクは初心者がまだまだ多い市場なのに、初心者の『何を使っていいかわからない』の当たり前の問いに最初に名前が挙がってくるブランドを目指していないのは大問題だと思います。

③    仕込むメイク(ステルスメイク)を伝える活動は足りていますか?
これまた唐突に『ステルスメイク』という言葉が出てきましたが、FIVEISIMはこの言葉も中途半端に使っているように感じています。
ステルスメイク=メイクをしたことがバレない、ポイントメイクするだけで印象がアップする、という考え方なのですが、これもアピールが全然足りないと思います。

⇒具体的にはYouTube公式アカウントをもっと活用してほしい。
YouTubeではオフィシャルメイクアップアーティストHIROKIさんによる、解説動画もありますが、顔立ちの綺麗なモデルさんではなく、一般の方(幅広い世代の方)をモデルにした印象アップ、How to 動画を上げてほしい。

また、戦略的にやっていると思われる、モデルさんによるセルフメイクの動画も、それはそれで魅力的なコンテンツなのですが、彼らはご自身の顔を綺麗に見せることは知っていても、それを伝えるプロではないので、せっかくの動画が非常にもったいないと思います。

ブランド立ち上げ当初と比べ、現在ではYouTubeでコスメ紹介が当たり前の時代です。YouTubeでコスメ情報を伝えるにはコンテンツが弱すぎると思います。

④    色展開を豊富にして欲しい
これはずばりカラーアイテムを増やして欲しい、という提案です。
現状は増やして欲しいどころか、廃番のアイテムがあるのが非常に残念でした。
店舗の陳列什器も、元々これだけ色展開があったのに、今はないというのがまるわかりで、
そういうのを見ると、『あーやっぱり売れてないのか』と心配になりますし、お値段は十二分にデパコスなので、そういう什器では何だか物悲しいです。

メイクの楽しさの提案、売り上げアップ、リピート獲得のためにもカラーアイテムは是非増やして欲しいです。

ジェンダーレスという割に、男はこの色の中から選んどけ、というのは、やっぱりコンセプトに合わないですよね。

そして、容器の外側から何色かわからない、というのも、たくさんメイクアイテムを買う人間からしたらかなりのストレスです。
元々色違いを売ることを想定していないように思います。

ただ、容器の収まりの良さ(キャップと本体が精密にぴったりとはまる)、質感などは、これはクオリティが高すぎて、所有欲が満たされまくりです。
ここまでの容器を作れるのだから、ぜひ外側から色がわかる仕組みも作って欲しいです。

⑦ 新製品を出して欲しい
正直なところ、什器からして、新製品を出す予定がないような印象ですが。
(什器にくぼみがあり、そこにテスターが埋まっている)
限定アイテムでもよいので、春夏と秋冬の年2回は新製品を出してほしい。

このことで来店頻度も変わりますし、SNSでの発信も変わってきます。
このままでは、せっかくFIVEISIMでメイクの楽しさに気づくことができても、上達したら他のブランドアイテムを買うようになる未来しか見えません。
その受け皿がTHREEなのかもしれませんが、できればずっとFIVEISMを使いつづけたくなる仕組みを製品でも示してほしい。


以上、勝手にコンサルになったつもりで、好きなように書かせていただきました。

繰り返しになりますが、FIVEISIMは、ぜひメンズコスメを代表するブランドになって欲しいと思いますし、メンズラインから女性が買い求める最高のアイテムをいつか必ず出して欲しいと思います。

最後までお読みいただきどうもありがとうございました。













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