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ペアって言える?

真珠問屋にいると、突然どーんと真珠が届くときがある。
もちろん、仕入れ担当者が入札してドカーンと届くのです。
それがまぁ…すっごい量なのです。

ビニール袋の中に無造作に入れられた真珠。
まるで大豆が入っているかのような感じ。

で、それらを荒く分ける。
まずは
連にする珠と主役になれる一粒で売る珠にわける

連用の珠→その他大勢
一粒用の珠→主役 リングやペンダント用

このように荒く分けた後、業者に送り、
色やサイズを考えて貫通穴を開け、
連組されて店に戻ってくる。

残った主役級の珠たち。
その珠だけでも1000個以上ある。
その中からペアを作るために、ひたすら色で分け、
パール測定ゲージ、通称パールゲージで測りまくる。

小粒な黒蝶真珠のピアス      

ペア珠ということは、イヤリングやピアス用なので
同じくらいの色テリサイズ というのが一つの基準。
それを考え、ひたすらペア組をしていく。

そして、もうこれ以上ペアは組めない!というところまで
目を皿のようにして珠を見つめる。

で、それを上司に持っていくと…

 もっとペア組めるでしょ~

と言われるも、いやいやいやいや…と置いてくる。
その後、上司がもう組めないだろうという真珠の中から
無理やりなペアを組んで店頭に持ってくる。

え~これとこれ…ペアって言える?

と、思いながらも店頭に置いておく。
当然お客様がやってきて、ペア珠見せて…と言われ
お出しすると…

 これってペアじゃないでしょ。
 ちゃんとしたペアがほしいんだけど。

と、言われて、すみませんと謝る。
そう、ほとんどの場合はちゃんとした色テリサイズが合った
ペア珠を探しているので、ヘンなペア珠はおよびじゃない。
私たちが最初にペア組みした【ちゃんとしたペア】をお見せする。

でもたま~に…

 へ~これでペアで出しているんだ?
 ちょっと無理があるよね~
 まぁいいや、これもらってく、面白いから。

なんてことも。

左右の珠の色が全く違う場合、それは意図してそう組んでいる、
そうペアにしている、と思える。

白蝶真珠と黒蝶真珠のピアス            

でも、微妙な差の場合、どうなの~と思うのだけど
案外それはそれで売れていく。。。
バラして製品にするのかもしれない。

そこは小売店さんそれぞれだから、よくわからない。
もしかしたら他の真珠問屋さんで、似たような珠を見つけ
そちらとペアにする気かもしれない。

とにかく
 ペア組んで。

と言われて、ペア組んでもそれ以上に組む上司。
しかしそれはペアと言っていいものか…
売るのは店頭に立つ私たち。。。

なんとも言えない気持ちになりました。
今もペア?!と思うペア珠を見ると思い出します(笑)



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