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【遊戯王OCG】オルフェゴールでの金謙の使い方

初めまして、ダンテと申します。
私は普段「オルフェゴール」というデッキを使っていて、毎週公認・非公認大会に出ています。

一応、参考までに私の成績を載せておきます。
決して良い成績を残せているとは言えませんが…。

今の環境はオルフェに対してかなり向かい風であり、実際私も大きな実績があるわけではありません。そもそもイシズとビーステッドが飛び交う環境でオルフェを使うのはめちゃくちゃ辛いです。しかし私はそれ以上にオルフェが好きなので、本当にダメになるまでは使い続けようと思っています。


さて、本題に入ります。
先日「金満で謙虚な壺」(以下、金謙)の再録が発表され話題になりました。私は長い間オルフェに金謙を入れていますが、採用していないオルフェ使いの方に金謙の採用について何度か疑問を呈されることがありました。金謙はうまく使いこなせれば最強カードになりますが、適当に使うとむしろ逆効果になるカードでもあります

そこで、このnoteでは「オルフェゴール」で私が金謙をどのように使っているのか、除外する際何を考えているのかなどについてお話ししたいと思います。

全編無料です。

1.構築紹介

私が普段使っている、「深淵の獣」と「オルフェゴール」を組み合わせたデッキです。

この「深淵オルフェゴール」は従来のオルフェゴールの動きに加え、「復烙印」と「烙印の獣」という深淵(烙印)のギミックにより妨害数の増加と、深淵というサブプランができることが強みになります。また、「増援」と「混沌領域」を共有できるレベル4の「フォトン・スラッシャー」(以下、フォトスラ)の採用によって、「深淵に潜む者」やバグースカなど非闇属性の強力なランク4のエクシーズを採用できるようになっています。

今回のnoteではこの構築を用いていきます。「深淵オルフェゴール」自体の動きや詳しい解説などについては、先行する詳しい記事がありますのでそちらをご覧ください。

なお、現在のオルフェ界隈で深淵オルフェとシェアを二分する「赫オルフェ」ではEXデッキの枠の都合上金謙の採用が難しいと聞いています。本noteが赫オルフェ使いの方々に全く参考にならないとは思いませんが、そこのところご了承の上読んでいただければと思います。

2.金謙のおさらい


「金満で謙虚な壺」(準制限カード)
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、 このカードを発動するターン、自分はカードの効果でドローできない。 ①:自分のEXデッキのカード3枚または6枚を裏側表示で除外して発動できる。 除外した数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、 その中から1枚を選んで手札に加え、残りのカードを好きな順番でデッキの下に戻す。 このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは半分になる。


改めて効果を見ましたが、デッキの上から6枚もめくるというテキストはいつ見てもぶっ壊れてますね…。6枚という数は先攻の手札より1枚多い数であり、非常に強力な効果であるということは皆さんもお分かりいただけると思います。

また、後述しますが、深淵オルフェはコンセプト上絶対に除外してはいけないカードが赫オルフェなどと比べて少なく、基本的には6枚を除外して6枚めくりを狙います。

3.金謙で除外するEXデッキの検討

上の画像がEXデッキになります。この15枚の中から6枚を除外するというわけです。
しかし、これだけ見せられて「どれを除外すればいいのか?」と考えるのは難しいでしょう。そこで、この15枚を4つのグループに分けつつ考えていきます。

もちろん、これを読まれている方々は私のEXデッキ通りに構築をする必要はありませんし、グループ分けの基準も人それぞれだと思います。あくまで15枚をグループに分けて、優先順位をつけつつ考えることが大切です。

(なお、以下では基本的に金謙をマッチ1戦目の先攻で発動することを前提にしています。ちなみに後攻の場合は先攻と比べて残さなければいけないEXデッキのカードが少なく、6枚の除外はより楽になります。)


(1)グループA 優先度:最高

絶対に除外しない

ガラテア(1枚目)、マスカレーナ、ユニコーン、ディンギルス(1枚目)は、先攻におけるオルフェゴールデッキの核となる4枚です。この4枚はどのような状況でも除外することはありません
逆に言うと、この4枚以外をすべて除外しても最悪何とかなります。それくらい重要なキーカードたちです。


(2)グループB 優先度:高

できれば残しておきたい

このグループにはガラテア(2枚目)、ロンギルス、アクセスコード、ディンギルス(2枚目)の4枚が入ります。これらのカードはグループAに比べると使用頻度は少ないですが、次の自分のターン以降の展開に大きく関わるカードが多く含まれています。

最近使用率が落ちてるニーサン

最近使っている人が減りつつある、ニーサンこと「オルフェゴール・ロンギルス」ですが、個人的には入れ得カードだと思っています。

主にユニコーンの手札コストが捻出できない状況で、マスカレーナから出せる除去要員として輝きます。手札が無かったり、あってもGやうららで捨てたくないケースは結構あるので、マスカレーナから出す除去の択としてかなり優秀です。

一方で、ロンギルスは自身の真上と左上にマーカーがある関係上、こちらから見て一番右にモンスターを出されると除去ができないという明確な弱点があります。

これについては、(あまり広がると困るのですが)右の列にモンスターやセットカードを固めることでミスを誘うことができ、相手がその列を避けてくれることが多いです。それでもケアされて一番右に出す強者の方もいるので過信は禁物ですが。


(3)グループC 優先度:中

だいたい除外するひとたち

このグループはリンクリボー、バリケイドベルグ、潜む者、バグースカ、アーゼウスの5枚です。上記のグループAとグループBで合わせて8枚なので、より優先度が低いグループD(2枚)を除くと基本的にこの中から4枚を除外することになります。

この5枚は、除外する6枚の当落線上に常にいるため、1枚ずつ詳しく見ていこうと思います。

クリクリンクゥ~♪

オルフェにおける「リンクリボー」の役割は、ギルスが生成する星遺物トークンを効果モンスターに変換することです。逆に言うとそれしかないですし、トークンは最悪マスカレーナの素材にすることができるため、ギルスを素引きしていなければ優先的に除外しましょう



#初手星杖 の保険

バリケイドベルグは、素引きしてしまった「オルフェゴール・トロイメア」や星杖を手札から切ることができる保険的な役割を担うモンスターです。
また、ハーピィの羽根箒などバベルを破壊する効果を相手が発動した場合、マスカレーナからこれを出すことでバベルや復烙印を守ることができます。

基本的に保険のカードであり、星杖一枚を素引きしたとしても代わりにスケルツォンを出せばいいだけなので残す優先度は低めです。一方で、星杖とスケルツォンを同時に素引きしている場合や、ギルスなどに誘発を受けた時に手札のディヴェルなどを切って貫通ができる場合には残す余地があります。



イシズティアラ絶対に許さないマン

「深淵に潜む者」はフォトスラやダークグレファーなど特殊召喚できるレベル4モンスターを活用して出します。主にイシズティアラメンツ対面に出したいモンスターですね。

ただ、前環境はともかく現在はティアラメンツが圧倒的Tier1という訳でもなく、潜む者が刺さらない対面も多いです。もちろん相手の対面がティアラメンツと判明していたら別ですが、よほど余裕がある状況でなければ基本的に除外します



最強のランク4

バグースカも潜む者と同じく非闇属性のランク4ですが、非常に強力な制圧モンスターなので採用しています。バグースカはふわんだりぃずや最近話題のピュアリィに刺さりますし、攻撃表示の時の耐性を利用して安全に攻撃を通した後、後述するアーゼウスになることができます。

バグースカは「増殖するG」を撃たれた際の妥協点にもなるため、Gをケアできない手札かつ特殊召喚できるレベル4モンスターを持っている場合は優先的に残しましょう



最強のエクシーズ

非闇属性の潜む者やバグースカを採用したことによって、アーゼウスを出せる機会も増えました。また、ギルスがトークンを生成できるため、後攻ではオルフェの闇縛りという制約の前にディンギルス→アーゼウスの動きをすることができます。

とはいえ先攻で出すことはないため、優先的に除外します。ただバグースカで1ターン耐えてから次のターンの攻撃でアーゼウスになる動きが強力なので、バグースカが出せる場合に残す余地があります。

(4)グループD 優先度:低

いつも除外させていただいてます

このグループはダルク、トゥリスバエナの2枚が該当します。
ダルクに関しては先攻1ターン目で出すことがほぼないので優先して除外します。ですが、ダルク自体は相手のマグナム―トやドラゴスタぺリアを奪うことができ、小回りが利く優秀なカードではあります。

トゥリスバエナは、相手ターンにマスカレーナから出すことで相手の罠デッキを壊滅させることができます。しかし最近は罠デッキがあまり多くなく、このカードは罠デッキ以外には刺さらないため優先度は低いです


4.実戦について


ここからは、実戦でどのように金謙を使うかについて考えていきます。

(1)金謙を使うときの3ステップ

手札に金謙があるとき、適当にすぐ使うのはあまり良い行動ではありません。私は、だいたい以下の3ステップを考えています。

 ①金謙で何を引きたいか
 ②金謙をいつ発動するのか
 ③金謙で何を除外するのか

次は以上の3ステップについて、具体的にどう考えるのかについて見ていきます。


(2)実際の状況について考えよう

以下では、遊戯王ニューロンのお試し5枚ドロー機能を使い、金謙を引いた際どのように動けばいいのかを前述の3ステップに即しながら考えていきます。可能ならオルフェゴール使いの方は実際にカードを用意していただいて考えてみるとより良いかもしれません。



・ケースⅠ

そこそこつよい

今回の初手はダークグレファーが2枚、フォトスラ、ドルイドヴルム、金謙となっています。

この初手はダークグレファーと闇属性がいますのでオルフェゴールの展開ができるほか、フォトンスラッシャーがいるためバグースカか潜む者も立てられそうです。
一方でGやうららを弾く手段がなく、追加の妨害となる烙印魔法罠には届きそうにありません


① よって、ルベリオンや混沌領域など烙印魔法罠を出せるカードを引くこと、次点でうららや指名者を引きにいくことを目的にします。


次に、いつ発動するのかについて考えていきます。
まず注目したいのがフォトスラです。このカードはチェーンを組まず特殊召喚できるため、Gを弾く手段がないこの状況では一番先に出しておきたいです。フォトスラを特殊召喚してしまえば、金謙にGを撃たれたとしてもダークグレファー通常召喚からのバグースカを出すことで、1枚のドローで最低限の妨害を建てることができます。

(また、前環境に比べ「クシャトリラ・フェンリル」の数が減っているため、いわゆるスタンバイGをされることは減っています。もしGを撃たれたらバグースカを建て、金謙で誘発など妨害を拾いに行きましょう。)


② よって、フォトスラを特殊召喚した後、金謙を使います。


そして、何を除外するのかについてです。

まず、優先度の低いグループDの2枚(ダルク、トゥリスバエナ)を確定すると、残り4枚を除外しなければなりません。

グループB
グループC

ギルスも星杖も引いていませんので、リンクリボー・バリケイドベルグを除外するのは容易に確定できます。一方、あとの2枚の除外がやや苦しいですね。

バグースカについては、先ほど述べた通り妥協展開で使うため除外することはできません。
そしてバグースカを残すならば、返しのターンに強力なアーゼウスは残しておきたいと考えられます。

では潜む者はどうでしょうか。確かに出せそうですが、マッチ1戦目の先攻を想定していますので、相手の対面が何のデッキか判明していないのは大きく影響しそうです。また手札にビーステッドがいますので、最低限ティアラメンツに抗えると判断し、今回は潜む者を除外することとします

最後の一枚ですが、グループBからフィニッシャー用のアクセスコードを除外することとします。ドルイドヴルムによる除去も考えると、返しのリーサルは十分できそうです。


③ よって、除外するのはダルク、トゥリスバエナ、リンクリボー、バリケイドベルグ、潜む者、アクセスコードの6枚とします。

完成!

はい。これでケースⅠの検討は終わりです。(長すぎる)

この検討の中身について疑問をお持ちの方がいるかもしれませんが、皆さんに対して「絶対この通りに動け!」ということを言いたいのではなく、これはあくまで私の思考の過程を提示しているにすぎません。重要なのは、初手の5枚+金謙の6枚でどう動くのかをよく考えることであり、その点は皆さんもご自身でよく考えていただければと思っています。


…ケースⅠの検討に思ったより多くの時間がかかってしまいました。(本当はケースⅣくらいまで行きたかった)。よって、検討はもう1つくらいにして終わりにしたいと思います。よろしければ最後までお付き合いください。




・ケースⅡ

#初手星杖

はい。金謙とうららがあるだけマシですが、ほとんど最悪に近い初手ですね。オルフェゴール使いにとっては日常茶飯事です。

今回の初手はディヴェル、星杖、うらら、烙印の獣、金謙です。こういう時のために金謙があります。迷わず展開札を引きに行きましょう。また、この初手ではいつ発動するも何もありません。一番最初に叩きつけましょう。

幸い(?)、ディヴェルと星杖があるためここで展開札になれるカードは非常に多いです。なんと13枚もありますので、残りの山札35枚から6枚めくることを考えると約95%の確率で展開札を引くことができます。

なお、非常に有難いことに我らが ≪星遺物-「星杖」≫ を引いているのでギルスやおろかな埋葬より、ダークグレファーや混沌領域を優先して取った方が良いでしょう。さらに言うと、烙印の獣があるためビーステッド系を優先して取るのがよさそうです。

① よって、ダークグレファー、混沌領域、ルベリオンなど展開札を拾いに行くことを目的とします。
② 一番最初に発動します。


さて、最後に除外するカードについて検討します。

グループC

先ほどと同じように、グループDのダルク、トゥリスバエナを除外することは容易に確定できます。

それではグループCについて考えていきます。うららを引いていますので、展開の妥協点のことは考えなくてよさそうです。これでバグースカ、アーゼウスを除外できそうです。

潜む者についてですが、金謙でフォトスラやダークグレファーを引いた際に出すことはできそうです。しかしそれらを引けるとも限りませんし、あまりにも手札がきつすぎるためリスクとリターンが釣り合っていないように思われます。よって潜む者も除外してよさそうです。

そしてギルスを初手で引いていないので、リンクリボーも除外しましょう。これで除外する6枚が確定しました。
バリケイドベルグは星杖を墓地に落とす役割を果たせそうですね。

 よって、除外するのはダルク、トゥリスバエナ、リンクリボー、潜む者、バグースカ、アーゼウスの6枚とします。

完成!

もう少しいろいろなケースについて検討したかったのですが、分量の関係もありますのでこのくらいにさせてください。
ここでいろいろなことを言いましたが、結局のところ使ってみて覚えていくしかないと思います。以上の文章を参考にされつつ、ぜひ自分の構築とにらめっこして考えてみてください。


5.終わりに

いかかだったでしょうか。
こういった文章を書くのは初めてなので伝わらなかった部分、分からない部分があったかもしれません。私のTwitterにDMやリプライで質問や感想を送っていただければ、できる限りお答えしたいと思います。

特にこのnoteの後半の方はかなり文章が膨らみ、かつ内容も難しくなってしまったと少し反省しています。正直なところ、自分も「金満で謙虚な壺」というカード1枚で6000字も費やすとは思っていませんでした。

最初の方で少し述べましたが、オルフェゴールというデッキへの風当たりは強く、環境に置いて行かれつつあると言うのが正直なところです。
しかし、だからこそ、金謙の除外にこうして時間をかけて考えるなど、何らかの努力を環境デッキを使っている他のプレイヤー以上にしなければいけないと私は考えています。

オルフェゴール使いの皆さんにとって、このnoteが少しでも役に立てたのなら嬉しいです。
厳しい環境が続きますが、一緒に頑張っていきましょう。

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