銀色の反射

秋はいつだったろう
とんぼの羽が光っていた

まだ暑いのに
もうとんぼだねなんて
笑っているうちに
春になってしまった

恋ということばを
陳腐だと笑うようになったのは
時間が永遠じゃないと知ってからだ

時間を金で換算するやつが
酷くのさばっていると気が付いてからだ

銀色の反射に
恋をしている
あれこれのことばを捨てて
反旗をひるがえすこともせず
ただ春を愛でようか

またとんぼに出会えますように

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