限界

華奢な手足を
もてあまして踊る彼女は
もう
全てをあきらめたように見える

その長く下がった肩から
あらゆる希望が逃げた

咆哮が雲を震わす
空をまわし
火花が散り

貫かれて
土を踏み締める

彼女は
止めていた息を
吐き出す

誰かがくれた希望の代わりに
         吸い込む息は
  はじめて命の味がした

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