restその2
前回の記事でご紹介したrestその1につづいて、今日はrestその2です。
「restその1」はゲルマン語系のことばで、「休憩」といった意味でした。
「restその2」はラテン語系のことばで、「残り(もの)」という意味です。
発音も「その1」と同じく、レストという感じです。
同じ発音で、同じ綴りなのに、じつはまったく別のことばです。
なぜ英語にラテン語系のことば?
ちなみに、どうして英語には、ラテン語系のことばがたくさんあるのでしょうか?
いちおう、ごく簡単におさらしておきましょう。
(私もにわか勉強なので、もうすこし調べたらまた別の機会に詳しく。)
もともとの英語(古英語)は、ゲルマン語系(ドイツ語やオランダ語と同じ西ゲルマン語)の言語でした。
古英語の時代にも、すでにラテン語由来のことばが含まれていましたが、まだそれほど多くはありませんでした。
Norman Conquest
外来語(借用語)としてのラテン語系のことばが英語にたくさん入ったきっかけのひとつは、1066年の「ノルマン人による英国征服」 Norman Conquest です。
これによって英国の支配者層がフランス語を使うようになったため、たくさんの(古)フランス語が英語に流入します。
※ フランス語はラテン語系のことば(ロマンス諸語)です。
※ ロマンス諸語には、フランス語のほかスペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ルーマニア語などがあります。
キリスト教などの影響
それともうひとつは、キリスト教や学問などを通じて英語に流入したラテン語です。
カトリックの教会はローマに拠点があるだけに、ラテン語で典礼を行ったり、そもそも聖書もラテン語訳を使っていました。
また、ヨーロッパの先進的な学芸文化の分野でも、基本的にラテン語が使われていたので、特にルネサンス期などに、英語にたくさんのラテン語が取り入れられてます。
これは、日本語にたくさんの中国語(漢字)が取り入れられているのと、似ていますね。
restの意味
re-(戻る)+ stare(立つ)
⇒ 戻って立っている ⇒ 残っている
名詞
(一部を取り去ったあとの)残り、残り(もの)
積立金、準備金、差引残高
動詞
(依然として)~のままである
類義語
remainder (名詞)残り(取り去った(費やした)ものの)
remnant (名詞)残りもの(半端なものなどの)
用例
restの語源
①15世紀なかばの英語
rest 残る、存在を続ける
②古フランス語
rester 残る、滞在する
③ラテン語
restare
抑える、残る
re-(戻る)+ stare(立つ)
④印欧祖語(語根)
sta- 立つ
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